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11月25日は「ハイジャック防止法」改正案が成立した日 『S エス -最後の警官-』を読もう! 【きょうのマンガ】

2016/11/25


365日、毎日が何かの「記念日」。そんな「きょう」に関係するマンガを紹介するのが「きょうのマンガ」です。

11月25日はハイジャック防止法が改正された日。本日読むべきマンガは……。


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『S エス-最後の警官-』 第1巻
小森陽一(作) 藤堂裕(画) 小学館 ¥514+税


かつて赤軍派によって「よど号ハイジャック事件」が引き起こされた際には、発生からわずか2カ月たらずで「ハイジャック防止法」が成立した。

しかし、その後もハイジャック事件は相次いだ。
1977年9月28日、「ダッカ日航機ハイジャック事件」が起きると、当時の福田赳夫首相は「人命は地球より重い」と発言し、人質解放のために犯人側の要求をすべて受け入れてしまったのである。
これを受けてハイジャック防止法についての見直しがはかられ、同年11月25日、「ハイジャック防止法」改正案が成立した。

このダッカ日航機ハイジャック事件の反省から創設されたのが、警察庁の特殊部隊、通称SATである。
SATは「警察組織のなかで唯一、制圧(犯人の命を奪ってでも事態を解決し国家の安全を成す)を許された部隊」だ。

『S エス-最後の警官-』(小森陽一・作、藤堂裕・画)では第1話でSAT設立の経緯が説明され、ダッカ日航機ハイジャック事件を「国家がテロに屈したのである」と評しているのが印象的である。
そして本作では、制圧目的のSATに対し、「制圧ではなく、確保(犯人を生きたまま捕らえる)を最終目標」とする警察庁特殊急襲捜査班(NPS)が設立。NPSに所属する主人公・神御蔵一號(かみくら・いちご)巡査は、時にSATと協力したり反目したりしながら、凶悪事件犯人の確保に努める。
このNPS設立には様々な思惑が交錯しており、それもまた物語上のキーポイントとなっていく。

本作は2014年にTBS系列で実写ドラマ化し、昨年には同じキャストで実写映画化もされた。向井理、綾野剛、吹石一恵などの豪華キャストが顔を揃えた作品なので、原作ともどもそちらもチェックしてみよう。



<文・加山竜司>
『このマンガがすごい!』本誌や当サイトでの漫画家インタビュー(オトコ編)を担当しています。
Twitter:@1976Kayama

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