「CVTでエンジンブレーキを多用してもいい?」

2010.05.01 クルマ生活Q&A 松本 英雄 トランスミッション

「CVTでエンジンブレーキを多用してもいい?」

私は昔からエンジンブレーキを多用する癖があるのですが、CVT車でもエンジンブレーキを多用してもいいのでしょうか? また、渋滞などでニュートラルに入れることも多いのですが、耐久性などに影響があるのでしょうか?

お答えします。結論から言うと、CVT車でのエンジンブレーキの多用はおすすめできません。エンジンブレーキの多用はCVTに負担をかけ、やがて滑らかに変速できなくなる恐れがあります。ゆっくり加速していっても、トルコンAT車のシフトショックのようにギクシャクする症状を感じるようだったら、すでにCVTが傷んでしまっています。

そもそもエンジンブレーキの使用は、フットブレーキが貧弱だった時代に推奨されたものです。フットブレーキの性能が向上した現代のクルマでは、エンジンブレーキを多用する理由はありません。むしろエンジンブレーキを使わないほうが駆動系への負担が少なく、燃費も向上するのです。

なお、渋滞などでニュートラルに入れることに関しては、とくに問題はありません。

松本 英雄

松本 英雄

自動車テクノロジーライター。1992年~97年に当時のチームいすゞ(いすゞ自動車のワークスラリーチーム)テクニカル部門のアドバイザーとして、パリ・ダカール参加用車両の開発、製作にたずさわる。著書に『カー機能障害は治る』『通のツール箱』『クルマが長持ちする7つの習慣』(二玄社)がある。