VW、EVの「ゴルフ」今夏に日本投入 国内販売巻き返し
独フォルクスワーゲン(VW)の日本法人は17日、小型車「ゴルフ」の電気自動車(EV)である「eゴルフ」を6~7月をめどに日本で発売すると発表した。VWが日本市場に投入する初のEVとなる。排ガス不正問題の影響などで2016年のVWの国内販売は大きく落ち込んだ。17年は新型車の積極投入や中型車「パサート」のディーゼルモデルの追加導入などで巻き返しを図る。
日本で発売するeゴルフは16年の米ロサンゼルスモーターショーで発表した新型車になる。従来比で容量を約7割増やした新型リチウムイオンバッテリーを採用し、1回の充電で最大300キロメートル走行が可能という。
eゴルフを含め、17年にはゴルフや小型車「up!」などで少なくとも5つの新型モデルを投入する。17日には8年ぶりに全面改良した多目的スポーツ車(SUV)「ティグアン」の新型車を発売した。インターネット接続機能を標準装備するなどしたティグアンの価格は360万円から。
15年9月に発覚した排ガス不正問題により、該当するディーゼルモデルの取り扱いがなかった日本でもVWのブランドイメージは悪化。16年の国内販売台数は15年比13.8%減の約4万7000台に落ち込んだ。輸入車のブランド別では独メルセデス・ベンツ、独BMWに次ぐ3位となり、22年ぶりに上位2位から陥落している。
VWは16年5月から全国で試乗会を開催するなど信頼回復に向けた取り組みを進めている。日本法人のティル・シェア社長は17日に開いた新車発表会で「ブランドの信頼は取り戻せている。17年は新型車の投入計画もあり、昨年実績を上回りたい」と述べた。