現代児童文学

国内外の現代児童文学史や現代児童文学論についての考察や論文及び作品論や創作や参考文献を、できれば毎日記載します。

エーリヒ・ケストナー「ケストナーがケストナーについて」子どもと子どもの本のために所収

2023-08-15 16:01:32 | 参考文献

 スイスのチューリヒのペンクラブで行った、自己紹介のテーブルスピーチです。
 皮肉や諧謔がふんだんにちりばめられていますし、私は第二次世界大戦前後のドイツの状況に疎いので、なかなか正しく理解するのは難しいですが、以下のようなキーワードをピックアップすることができます。
「長く除外されていた(注:12年間のナチスによる執筆禁止をさします)ので、コンディションについては正確に判断が下せません」
「風刺詩集」
「子どもの本」
「ファビアン(注:反モラル小説の傑作と言われる彼の一般文学の代表作)」
「ユーモア娯楽小説(注:「雪の中の三人男」など)」
「新聞のための文化政策論説」
「キャバレーのためのシャンソンや寸劇」
「演劇」
「教師」
「道徳家」
「合理主義者」
「ドイツ啓蒙主義」
「詩人や思想家の「深刻さ」を嫌い」
「感情の率直」
「思索の明澄」
「語と文の簡潔」
「良識」
「いつも変わらぬ、日当りのよいユーモア」
「第三帝国で執筆を禁止されていたにもかかわらず、自発的にドイツにとどまっていたこと」
 こうしたケストナーの多面性について、これからも継続的(断続的といった方が正しいですが)に考察していきたいと思っています。
 これは、四十年以上前に大学を卒業する時に隠居したらしようと思っていたことの一つなので、嬉しくてたまりません。

子どもと子どもの本のために (同時代ライブラリー (305))
クリエーター情報なし
岩波書店

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