大学の推理小説の講義での犯人当てゲーム。
真相の面白さはもちろんのこと、そこに至るまでの仮説の構築と
学生間の駆け引きが素晴らしい。
このページ数で、この密度で、ここまで隙のない完璧なパズラーは
日本の作品でもなかなかお目にかかれない。
最後のオチもキレイに決まってる。
陳浩基の『13・67』は重厚な社会派だったが、
こちらは軽めの雰囲気なので、誰でも手軽に読めるのも魅力的だ。
登場人物がコーヒー、ハンチング、ジャイアンなどなど、
本名を明かせない都合から仮名を名乗っているので、
中国人の名前に混乱する日本人読者も安心して楽しめる。
(それ以前に陳浩基が日本の文化に詳しいようなので、日本に関するネタが複数入っている)
また、ミスターペッツによる解説も楽しい。
彼らの日本のHONKAKUに対する愛が実直に伝わってくる。
中国、台湾、香港の本格ミステリ文化は
彼らと共にこれからもっともっと花開くだろう。
私としては本作のような作品をアジア圏だけでなく世界中の言語で翻訳して、
全人類をHONKAKUの世界に引きずり込んでほしい。
この作者には世界を魅了させるだけの力がある。
私は今から楽しみである。
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見えないX Kindle版
「僕」が雨宿りのために偶然潜り込んだ講義は、推理小説がテーマだった。初回の授業として、学生たちに紛れ込んだ「X」を探し出すゲームが始まる。
※『現代華文推理系列 第二集』として、四人の作家の作品を合本にした形でも販売を行っています。
・陳浩基(ちんこうき/サイモン・チェン)
1975年香港生まれ。2008年、第6回台湾推理作家協会賞の最終候補に残った「傑克魔豆殺人事件」でデビュー。2011年、長篇『世界を売った男』で第二回島田荘司推理小説賞を受賞し、日本語訳が出版される。2014年の『13・67』は台北国際ブックフェア賞を香港の作家として初めて受賞し、また英・米・仏・韓など世界各国で出版が予定されている。
※『現代華文推理系列 第二集』として、四人の作家の作品を合本にした形でも販売を行っています。
・陳浩基(ちんこうき/サイモン・チェン)
1975年香港生まれ。2008年、第6回台湾推理作家協会賞の最終候補に残った「傑克魔豆殺人事件」でデビュー。2011年、長篇『世界を売った男』で第二回島田荘司推理小説賞を受賞し、日本語訳が出版される。2014年の『13・67』は台北国際ブックフェア賞を香港の作家として初めて受賞し、また英・米・仏・韓など世界各国で出版が予定されている。
- 言語日本語
- 発売日2015/10/21
- ファイルサイズ1363 KB
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登録情報
- ASIN : B0170EVBS8
- 発売日 : 2015/10/21
- 言語 : 日本語
- ファイルサイズ : 1363 KB
- 同時に利用できる端末数 : 無制限
- Text-to-Speech(テキスト読み上げ機能) : 有効
- X-Ray : 有効にされていません
- Word Wise : 有効にされていません
- 付箋メモ : Kindle Scribeで
- 本の長さ : 66ページ
- Amazon 売れ筋ランキング: - 370,923位Kindleストア (Kindleストアの売れ筋ランキングを見る)
- - 101位アジアの小説・文芸
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2017年10月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2020年12月7日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
香港発の新本格ミステリ作家の陳浩基氏の作品。私はこれまで『世界を売った男』『13・67』と読んできました。このどちらもアッと驚く展開が面白く、また香港の異国情緒がなんともいい雰囲気で、私のお気に入り作家となりました。日本のミステリネタも随所に出てくるので、なんとも親近感が湧きます。
上記二冊を読了後、Amazonでお勧めとして挙がったのが、この『見えないX』でした。短編の読み切りで200円でしたので、早速購入し読んでみました。
簡単なあらすじはこんな感じです。
主人公が土曜日の大学で授業を終えて帰ろうとすると、雨。講堂から出られずぼんやりしていると、そこにはもう一コマこれから始まろうとする授業がある。これがなんと、「推理小説鑑賞 ― 創作と分析 教授:耿旭文」とある。冷やかしにモグると、生徒はたった数人。そこで先生が出したお題は、「先生の協力者であるXが生徒の中に紛れている。それが誰だかを当てる。当てた人にはAの評定を確約する」というもの。果たして結末は。。。
私は、本作の良いところはとにかく気軽に読める点だと思います。土曜の大学の朝の一コマなんて、きっと閑散としているんでしょう。しかも雨。そこで展開される推理合戦。生徒たちが探偵のごとく立ち回り、生徒の中に潜む「協力者X」を探し出します。短編ということもあり、小一時間あれば読み終わります。
因みに本作で日本ネタというと、倖田來未、Misono、名探偵コナンと毛利小五郎等々の言葉が顔を出します。作者は相当に日本文化に馴染んでいることが推察されます。
あと、敢えて言うほどでもないのですが、中国人の方の固有名詞はちょっとよくわかりませんでした(張菲とか呉宗憲)。ただ逆に、ご存じの方であれば一層楽しめるのだと思います。私は残念ながら存じ上げず、たとえで使われていたのですが、そこはイマイチわかりませんでした。
・・・
全般的は楽しめます。時間がすこし余ってしまったというなどに読んでみてはいかがでしょうか。ただ、腰を据えて読んでみられるのならば陳浩基氏の作品ならば今のところ「世界を売った男」がお勧めです。
上記二冊を読了後、Amazonでお勧めとして挙がったのが、この『見えないX』でした。短編の読み切りで200円でしたので、早速購入し読んでみました。
簡単なあらすじはこんな感じです。
主人公が土曜日の大学で授業を終えて帰ろうとすると、雨。講堂から出られずぼんやりしていると、そこにはもう一コマこれから始まろうとする授業がある。これがなんと、「推理小説鑑賞 ― 創作と分析 教授:耿旭文」とある。冷やかしにモグると、生徒はたった数人。そこで先生が出したお題は、「先生の協力者であるXが生徒の中に紛れている。それが誰だかを当てる。当てた人にはAの評定を確約する」というもの。果たして結末は。。。
私は、本作の良いところはとにかく気軽に読める点だと思います。土曜の大学の朝の一コマなんて、きっと閑散としているんでしょう。しかも雨。そこで展開される推理合戦。生徒たちが探偵のごとく立ち回り、生徒の中に潜む「協力者X」を探し出します。短編ということもあり、小一時間あれば読み終わります。
因みに本作で日本ネタというと、倖田來未、Misono、名探偵コナンと毛利小五郎等々の言葉が顔を出します。作者は相当に日本文化に馴染んでいることが推察されます。
あと、敢えて言うほどでもないのですが、中国人の方の固有名詞はちょっとよくわかりませんでした(張菲とか呉宗憲)。ただ逆に、ご存じの方であれば一層楽しめるのだと思います。私は残念ながら存じ上げず、たとえで使われていたのですが、そこはイマイチわかりませんでした。
・・・
全般的は楽しめます。時間がすこし余ってしまったというなどに読んでみてはいかがでしょうか。ただ、腰を据えて読んでみられるのならば陳浩基氏の作品ならば今のところ「世界を売った男」がお勧めです。
2018年1月3日に日本でレビュー済み
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『
13・67 (文春e-book)
』に感心したので、こちらのパズル短編も読んでみたらまたまた感心した。
作者のミステリー知識の深さを感じながら、読者はフェアなロジックの展開をゲームとして楽しむことができる。
台湾のミステリー作家、ミスターペッツが評しているように、「本格ミステリを振り返る本格ミステリ」というべき非常に野心的な短編となっている。
名探偵コナンや金田一少年などの名前も作品の中に出てくるけれど、日本の新本格ミステリーの潮流がこういうふうに香港や台湾で新たな発展をしているのを見るのはとても嬉しいものです。
作者のミステリー知識の深さを感じながら、読者はフェアなロジックの展開をゲームとして楽しむことができる。
台湾のミステリー作家、ミスターペッツが評しているように、「本格ミステリを振り返る本格ミステリ」というべき非常に野心的な短編となっている。
名探偵コナンや金田一少年などの名前も作品の中に出てくるけれど、日本の新本格ミステリーの潮流がこういうふうに香港や台湾で新たな発展をしているのを見るのはとても嬉しいものです。
2019年3月13日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
華文ミステリーの良いところは、現地の独特の雰囲気が感じられるところですね。気に入りました