★新たな主役が誕生か? 世界中が注目する伝統の一戦“エル・クラシコ”

Getty Images
▽昨シーズンのリーガ・エスパニョーラを制し、チャンピオンズリーグも制した王者レアル・マドリード。しかし、今シーズンは既に2度黒星を喫しており、4位に甘んじている。一方で、覇権奪還を目指すバルセロナはここまで無敗で首位を快走。永遠のライバルに差を付ける好調ぶりを見せている。

▽12月23日、永遠のライバルであるレアル・マドリードとバルセロナが、サンチャゴ・ベルナベウで激突。今シーズン最初の“エル・クラシコ”が開催される。世界中が注目する最高峰の一戦。両チームにとっては、38分の1ではなく、特別な一戦となる。

◆今年も争ったバロンドーラー
Getty Images
▽世界でも最高のチーム同士の対戦となる“エル・クラシコ”だが、それぞれのチームには最高の選手たちが揃っている。そんな選手たちの中でも、クリスティアーノ・ロナウドとリオネル・メッシは常にライバル関係にあり、2人の話題は事欠かない。

▽先日発表された2017年のバロンドールは、レアル・マドリードのクリスティアーノ・ロナウドが2年連続で受賞した。通算5回目。バロンドール受賞回数でメッシに並んだ。

▽両者が世界のトップを争い始めたのは、2007年だった。この年のバロンドールを受賞したのは当時ミランに所属していたブラジル代表FWカカ。そして、2位は当時マンチェスター・ユナイテッドに所属していたクリスティアーノ・ロナウド、3位がメッシだった。バロンドールの最終候補に初めて名を連ねた両者。そして、翌年から長きにわたるライバル関係がスタートする。

▽2008年、クリスティアーノ・ロナウドが、初めてバロンドールを受賞。メッシは2位に終わった。しかし2009年、今度はメッシがバロンドールを初受賞。レアル・マドリードへと移籍したクリスティアーノ・ロナウドは2位に終わる。

▽2010年はメッシが連続で受賞。2011年、2012年もメッシが受賞した。しかし、2013年にクリスティアーノ・ロナウドが返り咲くと、2014年もクリスティアーノ・ロナウドが受賞。2015年は再びメッシが受賞するも、2016年、そして前述の通り、2017年もクリスティアーノ・ロナウドが受賞した。

▽過去10年間、バロンドールを受賞したのはクリスティアーノ・ロナウドかメッシのみ。さらに、2010年以外は、受賞しなかった選手が2位となっている。そんな両者が対戦するのが“エル・クラシコ”だ。

◆“BBC”、“MSN”に代わる新主役誕生の予感
▽クリスティアーノ・ロナウドとメッシに注目が集まるのは当然のこととも言える。それはこれまでの実績が物語っており、互いに結果を出し続けているからだ。

▽昨シーズンまでは、ガレス・ベイル、カリム・ベンゼマ、クリスティアーノ・ロナウドが形成する“BBC”とメッシ、ルイス・スアレス、ネイマールが形成した“MSN”に注目が集まったが、“BBC”はベイルの負傷により崩壊、“MSN”はネイマールがパリ・サンジェルマンへと移籍したために解体となった。
Getty Images
▽しかし、世界最高の選手が集まる両チームだからこそ、新たな主役の誕生も期待できる。ホームで戦うレアル・マドリードの注目はMFイスコだろう。

▽2013年にマラガからレアル・マドリードへと加入したイスコは、その才能が高く評価され移籍当初から活躍を見せていた。しかし、システム変更や度重なる監督交代により、レギュラー扱いはされず。他のビッグクラブへの移籍の噂が絶えなかったが、貴重なバックアッパーとしてプレーし続けた。

▽ジネディーヌ・ジダン監督就任後もレギュラー扱いではなかったが、与えられたチャンスでことごとく結果を残し、ようやくブレイク。チームの攻撃の核となる存在となり、今シーズンは“BBC”崩壊もあって、システムを[4-4-2]に変更。トップ下でレギュラーポジションを確保している。強力な前線にアクセントを付けられるイスコの存在は、バルセロナとしては取扱注意だ。
Getty Images
▽対するバルセロナは、イスコの様な新進気鋭の選手は少ない。しかし、主役候補として考えられるのは、大ベテランであるアンドレス・イニエスタだ。

▽昨シーズンはケガの影響、パフォーマンスの低下により出場機会が減っていた。しかし、エルネスト・バルベルデ監督が就任してからは、[4-4-2]の左サイドで起用。インテリオールのポジションからサイドに出たことで、イニエスタが司令塔として再び輝きを取り戻している。

▽今シーズンのリーガ・エスパニョーラでは12試合に出場。欠場したのは3試合であり、先発は11試合。バルベルデ監督にとっては、欠かせない選手の1人ということの表れだ。

▽フル出場したのは第9節のマラガ戦のみであり、途中交代の多さは目立つ。ルイス・エンリケ監督時代にはフル出場するイメージが強かったイニエスタ。しかし、これもバルベルデ監督の信頼の表れだろう。33歳になったイニエスタをコンスタントに試合で起用するための措置とも考えていい。パフォーマンスは高いだけに、バルセロナの攻撃を支える貴重な存在だ。

◆バイタルエリアを制圧するセレソン対決
Getty Images
▽守備面では、やはり互いのバイタルエリアのケアがカギを握るだろう。レアル・マドリードではMFカゼミロ、バルセロナではMFパウリーニョに注目が集まる。

▽カゼミロは、ジダン監督体制になってからアンカーとしてのポジションを徐々に確立。昨シーズンもレギュラーとしての活躍を見せ、今シーズンはここまでリーガ・エスパニョーラで12試合に出場している。ボールを奪う能力だけでなく、機を見た攻撃参加やルカ・モドリッチ、トニ・クロースへの繋ぎ、強烈なミドルシュートなど、多くの面で高い能力を発揮している。バルセロナの攻撃を封じ込めることができるかに注目だ。

▽バルセロナのパウリーニョは、今シーズン中国スーパーリーグの広州恒大から加入。セルヒオ・ブスケッツと共にダブルボランチを形成しているが、期待以上のパフォーマンスを見せている。

▽フィジカルに秀でているパウリーニョは、カゼミロ同様に守備面で大きな貢献を見せている。しかし、守備だけでなく攻撃でも力を発揮。バランスをとるブスケッツとのコンビも良く、バルセロナが好調を維持する要因の1つとなっている。

▽カゼミロとパウリーニョは、ともにブラジル代表でもプレーしており、ワールドカップに向けてはポジションを争うライバルでもある。“エル・クラシコ”でチームを白星に導くべく、中盤のカギを握る両選手にも注目だ。

◆シーズンの行方を占う一戦
Getty Images
▽今シーズンも注目度の高い“エル・クラシコ”。毎シーズンのごとく、シーズンの行く末を占う試合になるが、今シーズンは特にカギを握ることとなる。

▽第15節終了時点で両チームの勝ち点差は「8」。バルセロナが勝利するとなれば、「11」に広がってしまう。今シーズンは、バレンシアが復活を遂げて好調を維持しており、アトレティコ・マドリードも無敗で3位に付けている。レアル・マドリードにとっては、落とせないどころか、ホームでしっかりと勝利を収めたい一戦となる。

▽ウィンターブレイク前のラストゲーム。果たして白星を手にするのはどちらなのか。世界中が注目する伝統の一戦、“エル・クラシコ”は、23日(土)夜8時30分より、WOWOWライブで生中継される。


 関連番組情報 
NEWS RANKING
Daily
Weekly
Monthly