素人向けにできるだけわかりやすくをめざして書かれている感じが伝わってくる。
プログラムを評価し、強くするといったことに少しでも携わっていれば、
もう少し理解できるのかもしれないけれど、そこの経験がないのでなかなか
イメージがわきにくいと感じた。
例えば、フィードバックを繰り返すことによって「評価」が強化される。
より良い結果に結びついているかを「評価」し、そしてプログラムを微調整し、
強くしていく。
わかったようで何かもやっとする。今一つイメージできなかった。
しかしながら、強くなる理由はなんとなくしかわからなくとも、人工知能は指数的
勢いで進化し、多くの場面で今後、人々を驚かせる事態が発生することを実感させられる
には十分な内容だった。
また、知能の本質は「画像」といった切り口の話はおもしろかった。
人間の脳に模したディープラーニングはこの画像処理が得意であり、言い換えれば、
人間もこの画像処理が得意なことも改めて認識させられる話でもあった。
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人工知能はどのようにして 「名人」を超えたのか?―――最強の将棋AIポナンザの開発者が教える機械学習・深層学習・強化学習の本質 Kindle版
★「情熱大陸」(TBS系列)にて大反響!
★ 朝日新聞書評にて野矢茂樹氏(東京大学教授・哲学)が絶賛!
★ その他、各種メディアにて賞賛の声多数
2017年4月1日――人工知能「ポナンザ」が現役の将棋名人に公式戦で初めて勝利した日を、その生みの親である著者は次のように振り返ります。
「この日は、コンピュータ将棋の世界にとって記念すべきものになりましたが、同時に改めて、人間と人工知能の違いを認識させられた日ともなりました。
本書で紹介してきた人工知能(ポナンザ)の特徴と、世界に意味を見つけ物語を紡いで考えていく人間の思考法の限界が明確に表れたのです。」
本書の魅力は、このフレーズに象徴される「人工知能と人間の本質的な違い」
そして「知能と知性の未来」を、
◇プログラマからの卒業
◇科学からの卒業
◇天才からの卒業
◇人間からの卒業
という4つの章で見事に段階的に説明している点にあります。
そしてもう1つの読みどころは、著者が研究の最前線で遭遇した驚くべき事象や、
囲碁・将棋のプロ棋士たちの人工知能への反応を鮮やかに記述していること。
◇黒魔術化する人工知能
◇黒魔術の1つ、「怠惰な並列化」とは
◇ディープラーニングは 知能の大統一理論になれるか?
◇サイコロにも知能がある!?
◇囲碁は画像だった!
◇知能の本質も画像なのか?
◇科学が宗教になる瞬間を見た
◇研究者は「人工知能の性能が上がった理由」を説明できない
◇人類はこれから、プロ棋士と同じ経験をする
などなど、目からウロコの解説の連続で、既存のどんな人工知能の解説書よりも面白くてわかりやすい、必読の1冊となっています。
★ 朝日新聞書評にて野矢茂樹氏(東京大学教授・哲学)が絶賛!
★ その他、各種メディアにて賞賛の声多数
2017年4月1日――人工知能「ポナンザ」が現役の将棋名人に公式戦で初めて勝利した日を、その生みの親である著者は次のように振り返ります。
「この日は、コンピュータ将棋の世界にとって記念すべきものになりましたが、同時に改めて、人間と人工知能の違いを認識させられた日ともなりました。
本書で紹介してきた人工知能(ポナンザ)の特徴と、世界に意味を見つけ物語を紡いで考えていく人間の思考法の限界が明確に表れたのです。」
本書の魅力は、このフレーズに象徴される「人工知能と人間の本質的な違い」
そして「知能と知性の未来」を、
◇プログラマからの卒業
◇科学からの卒業
◇天才からの卒業
◇人間からの卒業
という4つの章で見事に段階的に説明している点にあります。
そしてもう1つの読みどころは、著者が研究の最前線で遭遇した驚くべき事象や、
囲碁・将棋のプロ棋士たちの人工知能への反応を鮮やかに記述していること。
◇黒魔術化する人工知能
◇黒魔術の1つ、「怠惰な並列化」とは
◇ディープラーニングは 知能の大統一理論になれるか?
◇サイコロにも知能がある!?
◇囲碁は画像だった!
◇知能の本質も画像なのか?
◇科学が宗教になる瞬間を見た
◇研究者は「人工知能の性能が上がった理由」を説明できない
◇人類はこれから、プロ棋士と同じ経験をする
などなど、目からウロコの解説の連続で、既存のどんな人工知能の解説書よりも面白くてわかりやすい、必読の1冊となっています。
- 言語日本語
- 出版社ダイヤモンド社
- 発売日2017/5/10
- ファイルサイズ28784 KB
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- 販売: Amazon Services International LLC
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商品の説明
著者について
1985年生まれ。プロ棋士に初めて勝利した現在最強の将棋プログラム「ポナンザ」作者。
主要なコンピュータ将棋大会を4連覇中。
愛知学院大学特任准教授、東京大学先端科学技術研究センター客員研究員、HEROZ(株)リードエンジニア。
本書が初の著書となる。
主要なコンピュータ将棋大会を4連覇中。
愛知学院大学特任准教授、東京大学先端科学技術研究センター客員研究員、HEROZ(株)リードエンジニア。
本書が初の著書となる。
登録情報
- ASIN : B072LD494B
- 出版社 : ダイヤモンド社; 第1版 (2017/5/10)
- 発売日 : 2017/5/10
- 言語 : 日本語
- ファイルサイズ : 28784 KB
- Text-to-Speech(テキスト読み上げ機能) : 有効
- X-Ray : 有効
- Word Wise : 有効にされていません
- 付箋メモ : Kindle Scribeで
- 本の長さ : 319ページ
- Amazon 売れ筋ランキング: - 202,389位Kindleストア (Kindleストアの売れ筋ランキングを見る)
- - 818位コンピュータサイエンス (Kindleストア)
- - 869位人工知能
- - 8,465位工学 (Kindleストア)
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2017年12月20日に日本でレビュー済み
レポート
Amazonで購入
4人のお客様がこれが役に立ったと考えています
役に立った
2018年6月14日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
今後のAI時代の到来を予見させる内容でした。
AIとどう向き合い
AIをどうとらえて
AIをどう実生活に
実装していくか
読み物として読むと面白い。
AIとどう向き合い
AIをどうとらえて
AIをどう実生活に
実装していくか
読み物として読むと面白い。
2017年12月25日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
「二位じゃ駄目なんですか」(この質問自体は悪くない)発言で注目された事業仕分けの会議があったのが2009年だった。あれから約十年、コンピュータ科学に対してボーッとしていたなと感じている。
パソコンを初めて手元に置いたのが著者が生まれた1985年の少し前だった。動機は、それ以前に流行った「インベーダーゲーム」がコンピュータのプログラムというもので動いているということを知り、自分で確かめてみたくなったからだ。
カセットテープに保存されているプログラムをパソコンに読み込ませ動かしてみる。インベーダーゲームは確かに動いたが、それだけでは理解できない。パソコンのハードやソフトの本を何冊か読み、基本原理が理解できたのでそれで満足してしまった。プログラムを書いたりゲームをしたりすることには夢中にならなかった。
多少夢中になったのパソコンの自作である。確かwindows95が発売されるちょっと前の時期である。パソコンの部品が規格化されたので自分で部品をあれこれ調達して組み立てる。部品同士の相性があるので組み合わせを変えて試行錯誤をし、それを楽しんでいた。値段の落ち着いた一世代前の部品で組立て、パソコン評価プログラム「スーパーπ」を走らせて性能向上を喜んでいたのである。
少し長い前置きになってしまった。
私のコンピュータの理解は、この延長線上にあり、コンピュータ科学の進歩とは、コンピュータの性能向上つまり計算速度の向上ということであった。
このコンピュータに対する理解が過日読んだ『量子コンピュータが人工知能を加速する』で変わった。遅まきながらハードの面でブレイクスルー(障壁突破、難題解決?)が起きているのだと理解した。そして本書を読み、ソフトの面でもブレイクスルーが起きているのだと。
『人工知能はどのようにして「名人」を越えたのか?―最強の将棋AIポナンザの開発者が教える機械学習・深層学習・強化学習の本質』(2017)。
まず、こうした本を日本語で読めることが有難い。この重要性は何度も強調したい。日本語で読めるということは子どもでも読めるということだ。その点でも題名がよい。変なカタカナ語が使われていないからだ。漢字が読めなくても意味が分からなくても目で漢字からおおよその意味を推測できる。カタカナ語は知らなければお手上げであり、知ってる英語の発音からとんでもない推測をしてしまうこともある。
次にポナンザの開発者自身が書いた本であるから、とても刺激的で説得力もある。素人の私でもAI(Artificial Intelligence 人工知能)とは何かをなんとなく分かった気にさせてくれた。満足感は大きい。
本書では、AIを説明する材料として将棋や囲碁を取り上げている。「ポナンザ」や「アルファ碁」が強いということはニュースで知っていた。私自身は将棋のことをよく知らないので今までコンピュータが勝てなかったということに驚きを感じていた。1985年当時でも将棋ソフトがあったからである。本書を読んで今までなぜ勝てなかったのか、そして近年なぜ強くなったのかという、その秘密が分かったような気がした。
人工知能の冬の時代があったと著者は言い、私もそう理解していた。ブルーバックスの第1作目は『人工頭脳時代―頭脳労働の革命が始まっている 』(1963年)である。
「人工知能研究が下火になっていくなか、残った数少ない人工知能研究者たちは自分たちの研究を人工知能と標榜しなくなります。」(p.36)
人工知能と標榜すると研究費がつかなくなったり白い目で見られたりするので自分たちのことを「機械学習」や「サポートベクターマシン(SVM)」の専門家だと名乗っていたそうである。
機械学習という言葉は日本語なのでイメージしやすい。コンピュータ自身が学習してその機能を向上させていくということだ。
ポナンザでは「1億項目を越える値の調整」(p.40)を行っていて、こうしたパラメータの調整は「コンピュータによって自動」(p.58)で行われ、コンピュータでも初期の頃は試行錯誤の繰り返しで数ヶ月かかったという。
またこの調整の裏付けには「偏微分」の手法が使われるそうだ。
ディープラーニングという言葉をよく聞くようになった。概念的には、機械学習の中の一手法であり、他に、ロジスティック回帰、SVM、ランダムフォレストという手法があるらしい(p.89)。
ポナンザは、「ロジスティック回帰という手法を中心に構成され」(p.89)ていて、後にディープラーニングを取り入れた(p.201)。
本書を読んで印象に残ったのは次の4点である。
①機械学習を導入したコンピュータに知性を感じるようになった(p.66)。
②論理と数学が支配する世界で、機械学習による進歩の理由(なぜこの数値が有効なのかなど)を真の意味でよく理解していない(理由や理屈を説明できない)状況が生じる(黒魔術化)ようになった(p.80)。
③コンピュータ(ポナンザ)の「強化学習」を説明するのに、剣道や華道で使われる「守破離」という言葉を使っていること(p.121)。
④ディープラーニングと知能の本質は「画像」なのか?ということ(p.105)。
上記の①から④の視点は、人工知能の研究が「人間とは何か」「知性とは何か」を改めて考え直すことにつながることが分かる。筆者自身も「知の本質」(p.167)や「人工知能の倫理観」(p.189)に言及している。
今回の人工知能は本物である。筆者自身も「はじめに」の冒頭で次のように述べている。「未来から振り返れば、2008年頃からの10年間は、人工知能の歴史において最も重要な時期だったと言われることになるかもしれません。」
これに付け加えるならば「2018年からの次の十年間も人工知能にとって大躍進の時期になるだろう」と。それを暗示する出来事が筆者自身の上にも起きている。「最強の将棋AIポナンザ」(副題)が2017年の「世界コンピュータ将棋選手権」で「elmo」に負けるという番狂わせがあった。また「将棋電王トーナメント」では、「平成将棋合戦ぽんぽこ」が優勝している。
本書の執筆時には、おそらくポナンザに絶対的な自信を持っていたことだろう。人間に負ける可能性は想定していたかもしれない(p.181)。しかし将棋アマチュア5段(p.13)で人工知能研究家としての著者は、同じ土俵の将棋AIには負けないという自負があったと思う。著者自身が述べている(p.112)ように人工知能の成長が指数関数的なわけを身をもって体験したことになる。
2009年のスパコン事業仕分けの会議で、ある委員が「世界一位のスパコンを作ったとしても宇宙や生命の起源がわかるわけでもない」といったスパコンに対してやや否定的な意見を述べていた。しかし、この間の人工知能の進歩を考えれば、科学や数学の究極の問題を解く鍵もコンピュータが握っていることがわかる。
著者の「ポナンザ開発」と「本書の出版」は日本の人工知能研究において大いなる貢献である。この本を読んでAIに関心を持った子どもも、きっといるに違いない。
人工知能の凄さと空恐ろしさを予見できるお薦めの一冊である。
パソコンを初めて手元に置いたのが著者が生まれた1985年の少し前だった。動機は、それ以前に流行った「インベーダーゲーム」がコンピュータのプログラムというもので動いているということを知り、自分で確かめてみたくなったからだ。
カセットテープに保存されているプログラムをパソコンに読み込ませ動かしてみる。インベーダーゲームは確かに動いたが、それだけでは理解できない。パソコンのハードやソフトの本を何冊か読み、基本原理が理解できたのでそれで満足してしまった。プログラムを書いたりゲームをしたりすることには夢中にならなかった。
多少夢中になったのパソコンの自作である。確かwindows95が発売されるちょっと前の時期である。パソコンの部品が規格化されたので自分で部品をあれこれ調達して組み立てる。部品同士の相性があるので組み合わせを変えて試行錯誤をし、それを楽しんでいた。値段の落ち着いた一世代前の部品で組立て、パソコン評価プログラム「スーパーπ」を走らせて性能向上を喜んでいたのである。
少し長い前置きになってしまった。
私のコンピュータの理解は、この延長線上にあり、コンピュータ科学の進歩とは、コンピュータの性能向上つまり計算速度の向上ということであった。
このコンピュータに対する理解が過日読んだ『量子コンピュータが人工知能を加速する』で変わった。遅まきながらハードの面でブレイクスルー(障壁突破、難題解決?)が起きているのだと理解した。そして本書を読み、ソフトの面でもブレイクスルーが起きているのだと。
『人工知能はどのようにして「名人」を越えたのか?―最強の将棋AIポナンザの開発者が教える機械学習・深層学習・強化学習の本質』(2017)。
まず、こうした本を日本語で読めることが有難い。この重要性は何度も強調したい。日本語で読めるということは子どもでも読めるということだ。その点でも題名がよい。変なカタカナ語が使われていないからだ。漢字が読めなくても意味が分からなくても目で漢字からおおよその意味を推測できる。カタカナ語は知らなければお手上げであり、知ってる英語の発音からとんでもない推測をしてしまうこともある。
次にポナンザの開発者自身が書いた本であるから、とても刺激的で説得力もある。素人の私でもAI(Artificial Intelligence 人工知能)とは何かをなんとなく分かった気にさせてくれた。満足感は大きい。
本書では、AIを説明する材料として将棋や囲碁を取り上げている。「ポナンザ」や「アルファ碁」が強いということはニュースで知っていた。私自身は将棋のことをよく知らないので今までコンピュータが勝てなかったということに驚きを感じていた。1985年当時でも将棋ソフトがあったからである。本書を読んで今までなぜ勝てなかったのか、そして近年なぜ強くなったのかという、その秘密が分かったような気がした。
人工知能の冬の時代があったと著者は言い、私もそう理解していた。ブルーバックスの第1作目は『人工頭脳時代―頭脳労働の革命が始まっている 』(1963年)である。
「人工知能研究が下火になっていくなか、残った数少ない人工知能研究者たちは自分たちの研究を人工知能と標榜しなくなります。」(p.36)
人工知能と標榜すると研究費がつかなくなったり白い目で見られたりするので自分たちのことを「機械学習」や「サポートベクターマシン(SVM)」の専門家だと名乗っていたそうである。
機械学習という言葉は日本語なのでイメージしやすい。コンピュータ自身が学習してその機能を向上させていくということだ。
ポナンザでは「1億項目を越える値の調整」(p.40)を行っていて、こうしたパラメータの調整は「コンピュータによって自動」(p.58)で行われ、コンピュータでも初期の頃は試行錯誤の繰り返しで数ヶ月かかったという。
またこの調整の裏付けには「偏微分」の手法が使われるそうだ。
ディープラーニングという言葉をよく聞くようになった。概念的には、機械学習の中の一手法であり、他に、ロジスティック回帰、SVM、ランダムフォレストという手法があるらしい(p.89)。
ポナンザは、「ロジスティック回帰という手法を中心に構成され」(p.89)ていて、後にディープラーニングを取り入れた(p.201)。
本書を読んで印象に残ったのは次の4点である。
①機械学習を導入したコンピュータに知性を感じるようになった(p.66)。
②論理と数学が支配する世界で、機械学習による進歩の理由(なぜこの数値が有効なのかなど)を真の意味でよく理解していない(理由や理屈を説明できない)状況が生じる(黒魔術化)ようになった(p.80)。
③コンピュータ(ポナンザ)の「強化学習」を説明するのに、剣道や華道で使われる「守破離」という言葉を使っていること(p.121)。
④ディープラーニングと知能の本質は「画像」なのか?ということ(p.105)。
上記の①から④の視点は、人工知能の研究が「人間とは何か」「知性とは何か」を改めて考え直すことにつながることが分かる。筆者自身も「知の本質」(p.167)や「人工知能の倫理観」(p.189)に言及している。
今回の人工知能は本物である。筆者自身も「はじめに」の冒頭で次のように述べている。「未来から振り返れば、2008年頃からの10年間は、人工知能の歴史において最も重要な時期だったと言われることになるかもしれません。」
これに付け加えるならば「2018年からの次の十年間も人工知能にとって大躍進の時期になるだろう」と。それを暗示する出来事が筆者自身の上にも起きている。「最強の将棋AIポナンザ」(副題)が2017年の「世界コンピュータ将棋選手権」で「elmo」に負けるという番狂わせがあった。また「将棋電王トーナメント」では、「平成将棋合戦ぽんぽこ」が優勝している。
本書の執筆時には、おそらくポナンザに絶対的な自信を持っていたことだろう。人間に負ける可能性は想定していたかもしれない(p.181)。しかし将棋アマチュア5段(p.13)で人工知能研究家としての著者は、同じ土俵の将棋AIには負けないという自負があったと思う。著者自身が述べている(p.112)ように人工知能の成長が指数関数的なわけを身をもって体験したことになる。
2009年のスパコン事業仕分けの会議で、ある委員が「世界一位のスパコンを作ったとしても宇宙や生命の起源がわかるわけでもない」といったスパコンに対してやや否定的な意見を述べていた。しかし、この間の人工知能の進歩を考えれば、科学や数学の究極の問題を解く鍵もコンピュータが握っていることがわかる。
著者の「ポナンザ開発」と「本書の出版」は日本の人工知能研究において大いなる貢献である。この本を読んでAIに関心を持った子どもも、きっといるに違いない。
人工知能の凄さと空恐ろしさを予見できるお薦めの一冊である。
2019年5月3日に日本でレビュー済み
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参考になった部分
・将棋の局面の数は10^226
・オセロは10^60
・チェスは10^120
・囲碁は10^360
・1997年IBMのディープブルーはチェスチャンピオンに勝った
・2016年googleのアルファ碁が囲碁チャンピオンに勝った
・2017年ポナンザが名人に勝った
東大将棋部で留年した山本君が、暇つぶしに将棋対戦ソフトを作ったら世界一強くなったという著者の話から、AIについて分かりやすく書いてあります。
近年話題になりつつあるAIですがその成長は凄まじく、既にポナンザはelmoに負け、elmoはAlphaZeroに負けました。
この圧倒的成長はどこまでいくのか楽しみです。
将来タイムマシン、どこでもドアも実現するのでしょうか。
・将棋の局面の数は10^226
・オセロは10^60
・チェスは10^120
・囲碁は10^360
・1997年IBMのディープブルーはチェスチャンピオンに勝った
・2016年googleのアルファ碁が囲碁チャンピオンに勝った
・2017年ポナンザが名人に勝った
東大将棋部で留年した山本君が、暇つぶしに将棋対戦ソフトを作ったら世界一強くなったという著者の話から、AIについて分かりやすく書いてあります。
近年話題になりつつあるAIですがその成長は凄まじく、既にポナンザはelmoに負け、elmoはAlphaZeroに負けました。
この圧倒的成長はどこまでいくのか楽しみです。
将来タイムマシン、どこでもドアも実現するのでしょうか。
2017年10月19日に日本でレビュー済み
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尊敬している方からのオススメなので間違いないだろうと思って購入。まだ読んでいる途中です。
2017年5月14日に日本でレビュー済み
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著者は、囲碁ソフトZENのチームにも関わっている。アルファ碁はディープラーニングの結果、指数的に成長し強くなった。
ディ-プラーニング(深層学習)とは、脳の視覚野の神経回路を模したニューラルネットワークを多層化したものを利用する。
そして、著者は将棋で初めて実用レベルのディープラーニングに成功した。
5月4・5日の世界コンピュータ選手権ではそれを装填した無敵ポナンザは、従来型の新鋭elmoに二度破れた。
恐らく、準備不足で今後、アルファ碁のように急速に強くなっていくだろう。
それは、最も良い手を教えることのみにより、恐るべきことに何時の間にか将棋のルールを会得したのであった。
その前段階として機械学習がある。これは、ルールとか推測を除きプログラマーの手を離れて評価も機械が行う。
機械学習には、教師(プロ)あり学習及び強化学習がある。後者により人間の定跡にはない新戦法が出現してきている。
ディ-プラーニングの技術が斬新である。
ドロップアウト(ニューロンを離脱させる)というわざわざ学習困難にして、特徴を取り出し逆にその実力を発揮させるという有力な方法が発見されたのである。
そして、言語処理を画像として行うという画期的手法も登場してきた。人間は、二次元の画像に出来るものしか認識できないのかもしれない。
情報科学とりわけ人工知能の分野では、経験的には有効であるが、どうやって生まれたのか、なぜ効果があるのか分らないことが多い。
人間は、人工知能とは異なり場面を「物語」として理解する。
恐らく、人工知能が生み出す新定跡も「物語」として活用していくだろう。
自由なディープな世界から生み出されたものは、世界がもっと奥深いことを教える。
人工知能は、強化学習及びディープラーニングの組み合わせにより天才を超える。
アルファ碁は既に、「次の指してを予想するディープラーニング」と「盤面を直接的に評価するディープラーニング」が協力的に動作するよう設計されている。ディ-プラーニングが知性を獲得する技術の発展は目覚ましい。
自然言語処理が残されているが、時間の問題であろう。
少なくとも、今世紀の終り迄には、人工知能が人間を卒業し「超知能」が誕生する。
読み応え十分であった。囲碁・将棋のソフト現場での体験であり、ディープラーニングが各分野に於いて指数的に進展し、世界の景色を一変させるか可能性は強いと思う。人類は、これからプロ棋士と同様の体験をするのである。
ディ-プラーニング(深層学習)とは、脳の視覚野の神経回路を模したニューラルネットワークを多層化したものを利用する。
そして、著者は将棋で初めて実用レベルのディープラーニングに成功した。
5月4・5日の世界コンピュータ選手権ではそれを装填した無敵ポナンザは、従来型の新鋭elmoに二度破れた。
恐らく、準備不足で今後、アルファ碁のように急速に強くなっていくだろう。
それは、最も良い手を教えることのみにより、恐るべきことに何時の間にか将棋のルールを会得したのであった。
その前段階として機械学習がある。これは、ルールとか推測を除きプログラマーの手を離れて評価も機械が行う。
機械学習には、教師(プロ)あり学習及び強化学習がある。後者により人間の定跡にはない新戦法が出現してきている。
ディ-プラーニングの技術が斬新である。
ドロップアウト(ニューロンを離脱させる)というわざわざ学習困難にして、特徴を取り出し逆にその実力を発揮させるという有力な方法が発見されたのである。
そして、言語処理を画像として行うという画期的手法も登場してきた。人間は、二次元の画像に出来るものしか認識できないのかもしれない。
情報科学とりわけ人工知能の分野では、経験的には有効であるが、どうやって生まれたのか、なぜ効果があるのか分らないことが多い。
人間は、人工知能とは異なり場面を「物語」として理解する。
恐らく、人工知能が生み出す新定跡も「物語」として活用していくだろう。
自由なディープな世界から生み出されたものは、世界がもっと奥深いことを教える。
人工知能は、強化学習及びディープラーニングの組み合わせにより天才を超える。
アルファ碁は既に、「次の指してを予想するディープラーニング」と「盤面を直接的に評価するディープラーニング」が協力的に動作するよう設計されている。ディ-プラーニングが知性を獲得する技術の発展は目覚ましい。
自然言語処理が残されているが、時間の問題であろう。
少なくとも、今世紀の終り迄には、人工知能が人間を卒業し「超知能」が誕生する。
読み応え十分であった。囲碁・将棋のソフト現場での体験であり、ディープラーニングが各分野に於いて指数的に進展し、世界の景色を一変させるか可能性は強いと思う。人類は、これからプロ棋士と同様の体験をするのである。
2017年5月28日に日本でレビュー済み
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今年、佐藤天彦名人と電王戦を戦い、2戦とも完勝した「ponanza」。
見たことのない戦法、あまりの強さに驚かされました。
世界コンピュータ将棋選手権も2連覇をし、プロ棋士に対しても7連勝を続けている最強ソフトです。
山本一成氏が、アルファ碁の話も絡めて、開発の秘密を初めて語りました。
これが実に面白い。
ソフトそのものが、1兆を超す将棋の局面を自動探索し、評価し、学習、進化し続けた結果、名人をも凌駕する怪物ソフトが生まれました。
これでも、将棋という広大な宇宙の ごく一部分を解明しただけのようです。
今年の世界選手権で、ponanzaはelmoに2連敗を喫し、準優勝となりました。
elmoを倒すのは、クッキーモンスターしか無いかな。
見たことのない戦法、あまりの強さに驚かされました。
世界コンピュータ将棋選手権も2連覇をし、プロ棋士に対しても7連勝を続けている最強ソフトです。
山本一成氏が、アルファ碁の話も絡めて、開発の秘密を初めて語りました。
これが実に面白い。
ソフトそのものが、1兆を超す将棋の局面を自動探索し、評価し、学習、進化し続けた結果、名人をも凌駕する怪物ソフトが生まれました。
これでも、将棋という広大な宇宙の ごく一部分を解明しただけのようです。
今年の世界選手権で、ponanzaはelmoに2連敗を喫し、準優勝となりました。
elmoを倒すのは、クッキーモンスターしか無いかな。
2020年3月12日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
コンピューター将棋の第一人者がそれを作る過程で経験したことのうち、一般の人と共有しておきたい体験や考えをまとめたものであり、かなりまとまっていて良い本だと思います。
将棋にもAIにも造詣が深くない人でも読めるようにかなり細かい難しい議論を省略して大雑把に雰囲気がわかるような書かれています。とはいえそれらに関係の深い人が読んでもより楽しめる本だと思います。
将棋にもAIにも造詣が深くない人でも読めるようにかなり細かい難しい議論を省略して大雑把に雰囲気がわかるような書かれています。とはいえそれらに関係の深い人が読んでもより楽しめる本だと思います。