放送作家・戦略的PRコンサルタント、
大企業への就職活動に失敗した僕が放送作家を目指した理由は、
楽しそうだというのはおまけの理由で、第一義はお金を稼ぐこと。
僕が今でもなお放送作家としてせっせと原稿を書く目的は、
ところが、「放送作家になること」
放送作家になることを目的にしてしまえば、
実際に、
医者になりたい。
弁護士になりたい、デザイナーになりたい。
かっこよくて聞こえのいい職業につくことを目的にしている人が、
しかし、職業は目的ではなく手段です。
その手段の先にあるものこそ目的なのです。
医者であれば「
そこを勘違いしてしまうと、
結婚にたとえてみるとわかりやすいでしょうか。
あなたにとって結婚する目的はなんでしょうか。
好きな人と一秒でも長く一緒にいること。
子どもを持って温かい家庭を築くこと。
もっと現実的に、
こうした目的はどれも、結婚した後にかなえられるものであり、
ところが、世の中には、「結婚すること」
この場合、
なんのために結婚しているのかわからない不毛な同居生活を、
ビジネスは、一人で行うことはできません。
お互いに目的を持った人たちが集まり、
だから、自分の目的はきちんと開示すべきだし、
それを曖昧にすると、みんながアンハッピーになります。
ところが、往々にして、お互いの目的をきちんと確認しないまま、
とくに、
仲がいい友人とのビジネスが失敗しやすいのは、お互い「
自分の目的と相手の目的には、
その異なる部分について、「わかってくれているはずだ」
相手の目的をかなえてあげれば、
お金を払ってくれる相手の目的にシンプルにフォーカスする。
ここを間違えなければ、ほとんどのことは解決します。
もし、相手の目的が掴みにくいと感じたらどうするか。
答えは簡単。
聞けばいいのです。
『終わらす技術 (Forest2545Shinsyo 42)』フォレスト出版
南の島のビジネスマンという、有名な寓話がある。
あるエリートビジネスマンが、南洋の島にバカンスでやってきた。
そこで、ヤシの木陰で寝転んでいる地元の漁師と出会った。
「どうして仕事もせず、昼間からのんびりと寝転んでいるんだい?」
「午前中に漁を何時間かしたらそれだけで食べていけるんで、休んでいるのさ」と漁師。
「なぜ、もっと働かないのだい?そうすればもっと稼げるのに」
「もっと稼いでどうするんだね」と漁師。
「もっと稼いで、お金をためて、もっと大きな漁船を買って、
「それから、どうするんだい」と漁師。
「そうしたら、もう働く必要はない。毎日、
「それなら、もうとっくにやってるよ」と漁師が答えたという。
「病気を治したい」という目的も、「お金を稼ぎたい」
何のために病気を治したいのか、
目的の先にあるものを考えない人は多い。
「本当に大切なものは」
「心から好きなことは」
「本当にやりたかったことは」
常に、目的の先にあるのものを考える人でありたい。