新型インフルエンザ・ウォッチング日記~渡航医学のブログ~

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opinion@zav.att.ne.jp(関西福祉大学 勝田吉彰研究室)

エボラの現状、憂鬱度アップ(戦乱地、医療従事者続々)

2018-08-20 10:53:09 | エボラ出血熱・EVD・エボラ・エボラウイルス感染症

今回、コンゴ北キブからはじまった2018年2度目のエボラアウトブレイク。
現地は戦乱地にてマトモな対策とれないから炎上するぞとは、当初から指摘されてきたところではありますが、医療従事者の感染が相次いでいて、憂鬱度アップ。

  • 直近3例は北キブMangina管区。今のところ5つの保健管区に限られている(Mangina in Mabalako health zone, and one health zone in neighboring Ituri province.)。
  • 医療従事者の感染が10例(9例確定、1例可能性例)。エボラ治療センターではなく、その前の段階のクリニックでの感染。Manginaセンターでは医療従事者を入れ替える処置。
  • 憂慮されるのは多数の避難民の存在と、頻繁な移動量。一次、すわウガンダに拡大か!と浮足立ったこともあるが、これらは検査の結果否定された。
  • 8月8日からワクチン接種開始VSV-EBOV 。最近確認された13例を中心とする5つのリングを重点的に、これまで500例に接種済。

ワクチン、治療薬、エボラに対抗する武器も試用できるようになってきましたが、敵もさるものという感じですね。医療従事者が続々感染し、対してエボラ治療センターのスタッフを入れ替えると、「熾烈な闘い」という言葉がぴったりな現状です。

なお、記事中に症例数の数字は盛り込まれていますが、刻刻と変化しすぐに古くなります。最新数字は、コンゴ保健省やWHOSalama氏のツイッター御覧ください。

サラマ氏Tw
https://twitter.com/PeteSalama
コンゴ保健省Tw

CIDRAP
http://www.cidrap.umn.edu/news-perspective/2018/08/health-worker-among-5-new-cases-drc-ebola-outbreak

Health worker among 5 new cases in DRC Ebola outbreak

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WHO
http://www.who.int/csr/don/17-august-2018-ebola-drc/en/
Science
http://www.sciencemag.org/news/2018/08/congo-s-new-ebola-outbreak-hitting-health-care-workers-hard
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Doctors Without Borders built and is running an Ebola treatment unit in Mangina, the epicenter of the current outbreak in the Democratic Republic of the Congo.

Karin Huster/Doctors Without Borders

Congo’s new Ebola outbreak is hitting health care workers hard


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