研究開発力とは 論文数で評価、米中が存在感
きょうのことば
▼研究開発力 研究開発力を国際比較する際の代表的な指標は研究論文の数だ。文部科学省科学技術・学術政策研究所の「科学技術指標2018」によると、14~16年の国別の論文数のシェアは米国が25.1%で、中国が19.9%となった。3位の英国(7.1%)や5位の日本(5.5%)を大きく引き離しており、米中の存在感が際立っている。中国は04~06年のシェアは8.0%で日本の8.6%を下回っていたが、10年間で一気に論文数を増やした。
米中は論文の質をみても、他国を圧倒する。引用数が多く、優れているとの評価を得た論文数の国別シェアをみると、14~16年は米国が37.9%で、中国の21.6%が続く。日本は4.6%と全体の11位まで落ち込んでおり、存在感が低下している。
米中は研究を担う人材も大きく増やしている。中国の16年の研究者数は169万人で、欧州連合(EU)の主要15カ国の研究者数(165万人)より多い。5年前の11年よりも40万人近く増やしており、専門人材を確保し、世界に先がけて重点分野の研究を進める意欲がうかがえる。米国も15年には138万人の研究者を抱えており、3位の日本(17年に66万人)を大きく上回っている。