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2017年現在、全国各地には約3万軒を超えるラーメン専門店が存在し、より多くのお客さんの舌を満足させようと日夜しのぎを削っている。

店が3万軒以上もあれば、提供されるラーメンのバリエーションも豊かだ。

そこで今回は、皆様方に「世の中にはこんなラーメンもあるんだよ」ということを知っていただくため、店主の独創的な発想を存分に堪能することができるラーメン店を紹介させていただくことにしたい。

タイプとしては、大きく分けて２つ。

一つ目は、提供するラーメンが独創的であるもの。二つ目は、店舗の営業スタイルが独創的であるものだ。　

読者の皆様方の中には、ラーメン店に限らず、面白い店にご興味がある方がいらっしゃるかも知れない。いや、きっとご興味がある人がいらっしゃると信じている。

この記事が、そのような方々にとって少しでも価値あるものとなれば、うれしい限りだ。

記事配信：じゃらんニュース

１．【東京・王子神谷駅】レア素材の宝庫！『麺屋坂本01』の1杯は、牛脂・セロリ・山椒を大胆抜擢

「地元から愛されるラーメンをコツコツと作っていきたいですね。できる限り安価で」と語る坂本店主。王子神谷の庶民的な町並みに溶け込むようにたたずむ『麺屋坂本０１』は、本年4月18日にオープンしたばかりの新店。

店主は、アパレル業界の出身。ラーメン好きが高じ、転職を決意。勇躍、ラーメンづくりの世界に飛び込んだ。

同店が入る前の店舗だったお好み焼き屋の看板をそのまま残した外観は、まるで民家。『麺屋坂本０１』の屋号が書かれた小さな表札と行列のみが、同店のありかを示すランドマークとなる。

基本メニューは「中華そば」。鶏と豚の骨と肉をじっくりと煮込んだ出汁に、セロリ・タマネギなどの香味野菜を溶け込ませたスープは、仕上げに牛脂を注ぎ込み、桁違いに分厚い香りとうま味の構築に成功。

通常、ラーメンでは担々麺以外で用いられることが珍しい「山椒」をデフォルトで投入。タマネギ、牛脂との三位一体で立体的な和味の構築を狙う。

２．【千葉・京成船橋駅】「鶏白湯」ならぬ「牛白湯」で勝負を挑む、船橋の新鋭『牛そばまるは』

店舗のロケーションは、京成船橋駅から徒歩5分程度。

本年4月21日に産声を上げた『牛そばまるは』は、船橋エリアとその周辺を中心に店舗を展開している『らーめん処まるは』のニューブランドだ。

近年、日本全国で大ブームを引き起こしている鶏白湯でなく、牛白湯スープを用いた1杯を提供。
国産の牛骨を、ハラミ・タン・ロースをはじめとする和牛の肉とともにじっくりと炊き上げたスープは鮮やかな乳白色を呈し、着丼した瞬間から食べ手の視覚を鷲づかみにする。

この1杯に搭載される具は、ほんのり桜色に染まった和牛ローストビーフ、ビビッドなイエロー色がまぶしいレモンなど。一般的に提供されるラーメンとは一線を画した華やかなビジュアルに、誰もが心躍ることだろう。

スープを含むと、和牛の雄々しいうま味と牛脂の豊かな甘みが縦横無尽に交叉。大阪で出逢った「ソルランタン」から着想を得たというこの牛そば。既に、女性客を中心に来客が殺到しているようだ。

３．【東京・牛込神楽坂駅】和のエッセンスを駆使した『澄まし麺ふくぼく』の「かけラーメン」は、必食！

「路地を入れば名店に当たる」という印象を抱いてしまうほど、ハイレベルな飲食店がしのぎを削り合う神楽坂界隈。本年４月７日に営業を開始した『澄まし麺ふくぼく』は、高級日本酒バー『蒼穹』が、営業時間を昼間に限ってラーメンを提供する話題店だ。

「年配の方でも安心して毎日食べたくなるラーメンを作ること」をコンセプトとして掲げ、本業である日本料理のエッセンスを駆使した１杯を提供。多くに手を広げず、汁そばである「澄まし麺」と汁なしである「醤油かけ麺」の２種類へと麺メニューを絞り込む。

一般的に、手掛けるメニューの数が少ないことは、良店であることの有力な判断材料となり得る。

人気メニューは、高品質な昆布・鰹節で出汁を創作し、塩のみで味付けを施す「澄まし麺」。具が別皿に盛り付けられる「かけラーメン」仕様の１杯は、魚介の繊細な風味が口の中で四季のように移ろう。麺とスープのみで完結する小宇宙だ。

４．【埼玉・TX八潮駅】『HandicraftWorks鶴おか』で、シェラスコとラーメンの出逢いが生んだ奇跡を堪能！

埼玉県を代表する人気店のひとつとして、揺るぎのない人気を誇っていた『NOODLESTOCK鶴おか』。

本年3月15日、同店は惜しまれながら閉店したが、翌4月22日、屋号を『HandicraftWorks鶴おか』へと変え、リニューアルオープン。

新店舗の場所はＴＸ八潮駅から徒歩20分程度。

八潮市は埼玉県の中でもラーメン店が際立って少ない。有力店舗の登場が待ち望まれていたところであり、『鶴おか』が同地を新天地としたことは、単なる「新店舗の移転」以上の意味がある。様々なエリアの方が上質なラーメンを楽しめる環境が整備されていくことは、ラーメン文化の活性化に大きく貢献するからだ。

同店の人気メニューは「クラシックビーフパレット」。

岩塩を振った肉を炭火でじっくりと焼いたブラジル料理「シェラスコ」を麺メニューへと落とし込んだ1杯は、甘酸っぱいパイナップルと肉のコラボレーションが、ラーメン界では間違いなく前代未聞。

このコラボを体験するためだけでも、同店に足を運ぶ価値は十二分にある。

５．【東京・ＴＸ浅草駅】前代未聞！『拉麺ビュッフェBUTA』のラーメンは、なんと食べ放題

これまでにご紹介した店舗が、提供するラーメン味にひと工夫凝らした店だとすれば、こちらは導入しているシステムがずば抜けて特異な店の代表格。

本年３月18日にオープンした『拉麺ビュッフェBUTA』は、ズバリ、ラーメン、トッピングを含め、店内において提供される飲食物が30分間食べ放題となる話題店だ。

料金は前払い制で1,058円。
これが1杯のラーメンに支払う額だとすれば決して安いものではないが、食べ放題だと考えれば、コストパフォーマンスは極めて高いと言わざるを得ないだろう。

提供しているラーメンは久留米豚骨系。新橋に本店を構え、本格派の久留米ラーメンを提供する『くるめや』が手掛ける店舗であることもあって、味は及第点を余裕でクリア。

ラーメン好きとしては、替え玉（麺のお代わり）のみならず、スープを含めたラーメン全体を自由にお代わりできるサービスがうれし過ぎるところだろう。思い存分お代わりを楽しみ、胃袋を満たしてもらいたい。

６．【東京・日暮里駅】現役パティシエが洋菓子店の裏で紡ぎ出す、『裏サブロン』のつけ麺

引き続きご紹介するのは、下町情緒にあふれる日暮里の街並みに溶け込む『裏サブロン』。こちらのお店。実は、全く異なる業種を営む店主が、ラーメン好きが高じ、つけ麺屋を営んでいることで有名。

しかも、店主は、ありがちな別業種からの転身組ではない。地元でも有名な洋菓子店『サブロン』の現役パティシエであり、本職であるパティシエの顔を持ちながら、同時並行的にラーメンを提供しているのだから驚きだ。

『裏サブロン』の入口は、屋号が示すとおり、洋菓子店『サブロン』の裏手。洋菓子店の裏手に簡易な飲食スペースを設け、訪問客は、裏口から入店し4席しかないカウンター席に着席。つけ麺の登場を待つシステムだ。

提供されるつけ麺は、店主が敬愛してやまない『東池袋大勝軒』の故・山岸氏へのオマージュを込めた渾身の力作。甘・辛・酸の三味が渾然一体となったスープに、小麦のプロが作り込む上質な自家製麺のコラボは、感動で思わず鳥肌が立ってしまうほど。

７．【神奈川・伊勢佐木長者町駅】10年に及ぶ研鑽の結果、ホロホロ鳥を採用した『中華蕎麦時雨』

本年は特に、神奈川県で優良店が相次いで誕生している。大和市にオープンした『ラーメン郷』しかり、相模原市にオープンした『元祖一条流がんこ総本家分店』しかり。

本年４月７日に伊勢佐木長者町において産声を上げた、こちらの『中華蕎麦時雨』も、万人が太鼓判を押す良店のひとつだ。

店主は、都内屈指の実力店である『多賀野』など、複数の店舗でラーメンづくりのノウハウを徹底的に学ぶとともに、10年もの歳月をかけて渾身の1杯を創り上げた「超」が付くラーメンマニア。

基本メニューは「中華蕎麦」。

ラーメンに用いる素材としては極めて珍しい「ホロホロ鳥」に、比内地鶏・節系素材・乾物をブレンドして創られた出汁は、厳選された4種類の醤油を掛け合わせた熟成醤油ダレと、口の中で水魚の交わりを演ずる研鑽の結晶。

麺は、もちろん自家製。国産小麦「春よ恋」を主役に抜てきした細ストレート麺は、寸分の過不足もなくスープを持ち上げ、口元へと運び込む。

８．【埼玉・大宮駅】味噌ラーメン＆とんかつ。『とんかつ熊さん大宮店』で夢のコラボを堪能

「額からじわりと汗がにじむほど熱々の味噌ラーメンと、サクッとした衣の食感が官能的なとんかつ。この２つが同時に楽しめるラーメンが存在するとしたら、万難を排してでも足を運ぶのに・・・」。

そんな想像を巡らせたことがあるラーメン好きは、決して少なくないだろう。

が、それは、決して想像の範ちゅうにとどまることはない。昨年7月、埼玉県・大宮の地にオープンした『とんかつ熊さん』は、そんな夢のようなコラボを現実のものとしてくれる、「二兎を追う者は二兎を得る」的な店舗だ。

数多くのメニューを揃えるが、初訪問時に絶対に注文すべきなのは「スタミナ味噌ラーメン」。

油断すると舌を火傷してしまいそうになるほど熱いスープは、適度なコクとうま味があり、鋭い辛みを放つ一味の介添えも相まって噴き出す汗を止めることができない。このスープにドカンと鎮座するとんかつも、屋号に「とんかつ」の4文字を掲げているだけのことはあり、揚げたての超本格派だ。

９．【埼玉・さいたま新都心駅】二郎インスパイア×つけ麺×カレー＝『つけ麺どでん』のカレーつけ麺

ひと啜りするだけでスタミナがつきそうな超濃厚スープと、噛み切るのに強靭なアゴ力を必要とする超極太麺のコラボレーション。

そんなコラボが手軽な価格で堪能できる二郎インスパイア系ラーメンは、人気に火が点いてから10年以上の歳月が経過した今でもなお、ラーメン好きからの高い支持を獲得し続けている売れっ子ジャンル。

その「二郎インスパイア系」をつけ麺仕様、かつ、カレーバージョンで味わうことができる夢のようなメニューが、『つけ麺どでん』の「カレーつけ麺」だ。

着丼した瞬間から高らかに宙を舞うカレーの芳香に、思わず、腹の虫が鳴ってしまいそうになる。カレーは、家庭の味を彷彿とさせる、うま味がビビッドなタイプ。そんなカレーのうま味を、豊かな甘みを湛えた豚骨ベースのスープが力強く後押しする。

麺は、二郎インスパイア系の中でも特に逞しい、大蛇のような極太仕様。茹で加減は超硬め。箸で持ち上げることすら困難なほどのボリューム感を誇る。

10．【神奈川・上大井駅】「担々麺」という名の完全オリジナルメニューを黙々と提供する『中華四川』

一般的な神奈川県のイメージからは程遠い牧歌的な風景が広がる、小田原市の郊外。最寄り駅であるJR御殿場線上大井駅から徒歩15分程度の場所に控えるのが、今回の特集のトリを飾る『中華四川』だ。

同店の看板メニューは、「特製タンタン麺」。

担々麺と聞けば、「なぜ、そんなノーマルなメニューを『変化球ラーメン特集』に掲載するのか」と、疑問に思われるかも知れないが、こちらの「タンタン麺」は、名称こそ担々麺であるが、ビジュアル、味ともに一般的に知られている担々麺とは全くの別物。

挽き肉が大量に含まれたスープは、片栗粉によって強靭なトロミが付与されたゼリーのような状態。箸が立つほどの粘度の高さを誇っている。そのスープの中には、自店で挽いた挽き肉が大量に含まれ、ニンニクの仄かな香味も相まって、レンゲを持つ手を止めることができない。

訪問客のほとんどが替え玉を注文してしまう、禁断の味わいだ。

※この記事は2017年5月15日時点での情報です。　　

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