患者さまへ

バセドウ病

症状と所見

甲状腺ホルモンはからだの多くの組織に作用しますので、過剰になると次ぎに挙げた色々な作用を示します。

  1. 多くの場合、体重の減少が見られます。 食欲はむしろ亢進しますが、それ以上にエネルギーを消費してしまうからです。
  2. 脈拍が早くなり、時には不整脈が見られます。 安静にしていても動悸を感じることがあります。 重症の場合にはむくみなど心不全症状を示します。
  3. 暑さに弱く、汗かきになり水をたくさん飲むようになります。
  4. 手指などの振るえを自覚することが多くなります。 子供では落ち着きがなくなります。
  5. 筋肉の力が落ち、階段の昇り降りがつらくなり。 疲れ易くなります。
  6. 男性では時に周期性四肢マヒとよばれる筋肉の麻痺をおこすことがあります。
  7. 消化器の症状としては下痢をしやすくなります。
  8. 精神的には落ち着きがなくなり、いらいらしたり集中力が低下します。

以上のように甲状腺機能亢進症状の症状は運動したあと、あるいは風呂からでたばかりの症状とよく似ています。
皮膚は暖かく、汗かきのために湿っています。また甲状腺の腫れや目の症状がよく見られます。
甲状腺は気管の前部、ちょうど喉ぼとけの下の部分に位置している約10g程度の組織です。バセドウ病では多くの場合、甲状腺が抗体によって刺激される結果大きく腫れてきます。
甲状腺のはれは甲状腺腫と呼ばれています。バセドウ病の目の症状はバセドウ眼症として知られています。
これには色々な形があります。上まぶたが上方に引き上げられるため驚いた時のように目が大きく見開いた状態になることがあります。更に、眼球が前方に押し出される眼球突出も時に見られます。眼球のうしろに液体が溜まったり、眼球の運動を司る眼筋が肥大されるため圧力が増加する結果、眼球が前方に押し出されるためです。これらの目の症状は眼球の後ろの組織に免疫性の炎症がおきるためと考えられています。眼球突出があると睡眠時にもまぶたが完全に閉じないために、角膜が乾燥して傷がつきやすくなります。眼筋の炎症が進むと眼球の運動が障害されるために物が2重に見える複視を生じます。眼球突出が極端になると睡眠中もまぶたが完全に閉じないために角膜にきずがついて失明にいたることもあります。最後にバセドウ眼症の説明の図があります。