2010年10月24日日曜日

"微分法の応用・積分法・積分法の応用・行列と行列式 (数学読本)"の第18章(曲線の性質, 最大・最小-微分法の応用)の18.2(関数の増減の判定およびその応用)、不等式・方程式への応用の問6, 7, 8を解いてみる。



問6

f(x)=(x-1)-log x

とおくと、

f'(x)=1-1/x

増減表は

x
1
f'(x) - 0 +
f(x) 0


x=1のときfは最小値をとる。その値は

f(1)=1-1-log 1=0

よって

(x-1)-log x>=0

x-1>=log x

(証明終)


問7

x>1よりx-1>0

f(x)=log x - (x-1)/x

g(x)=(x-1)-log x

とおくと

f'(x)=\frac{1}{x}-\frac{1}{x^{2}}=\frac{x-1}{x^{2}} > 0

g'(x)=1-1/x > 0

よりx>1ではf(x), g(x)ともに狭義単調増加関数でまた、

f(1)=0, g(1)=0

より

f(x)>0, g(x)>0

となる。ゆえに、

\frac{1}{x}<\frac{\log x}{x-1}<1\ (x>1)

(証明終)


問8

f(x)=\log (1+x)-\left(x-\frac{x^{2}}{2}\right)

g(x)=\left(x-\frac{x^{2}}{2}+\frac{x^{3}}{3}\right)-\log(1+x)

とおくと、

f'(x)=\frac{1}{1+x}-1+x=\frac{x^{2}}{1+x}>0

g'(x)=1-x+x^{2}-\frac{1}{1+x}=\frac{x^{3}}{1+x}>0

よってx>0でf(x), g(x)はともに狭義単調増加関数で、また、

f(0)=0, g(0)=0

となる。ゆえに、

x-\frac{x^{2}}{2}<\log(1+x)<x-\frac{x^{2}}{2}+\frac{x^{3}}{3}\ (x>0)

となる。

(証明終)

一般に、x>0の範囲でnが奇数のとき

\frac{d}{dx}(g_{n}(x)-\log(1+x))=\frac{x^{n}}{1+x}>0

nが偶数のとき

\frac{d}{dx}(g_{n}(x)-\log(1+x))=-\frac{x^{n}}{1+x}<0

となる。よってnが奇数のときは狭義単調増加、nが偶数のときは狭義単調減少。

また、

g_{n}(0)-\log(1+0)=0

となる。ゆえに、x>0の範囲で、nが奇数のとき

g_{n}(x)>\log(1+x)

nが偶数のとき

g_{n}(x)<\log(1+x)

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