ドンヨリとした天候状態の中、川越スカラ座での再々上映初日に。
東武東上線・川越駅で同行の友人と待ち合わせて、バスで最寄りの大手町で下車。
予約をしていたものの、自由席ですので、いくらかでも早めに...でしたが、バスがチョイ遅れ気味になったため、現着は10時15分ころに。
すでに行列となっており、
開演10分前に受け付け開始となりました。
初日は監督・塚本晋也さんの舞台挨拶、
もちろんこれも大きな目的です(^_^)
座席は一番前の列、カミテ側に。テーブル付き二列目が理想的なのですが、すでに埋まってまして...でもここは最前列でもスクリーンまで程良い距離があるので、問題ないのです。
友人は初めてですが、古い学校の体育館みたいと言ってました。なるほど〜(^_^;
ってなことで、開演時間10時半となり、予告なしですぐに本編スタートです。
映画の舞台は、太平洋戦争時のレイテ島。兵站なぞとっくのとうに崩壊し、取り残された日本兵の傷病と饑餓、そして圧倒的な敵の攻撃...それら劣悪な状況が繰り返し描かれます。
そんな中でも取り引きのうまい奴や、自分は弾に当たらない奴など、個性の強い人物も登場し、主人公・田村(演じるのは塚本さん自身)は時に同行し、翻弄され、別れがあるというストーリー。
大岡昇平の有名な原作で、過去にも市川崑による同名の監督作品があり、知ってはいたものの、塚本版を含め何か近寄りがたいものを感じて読んだり観たりはありませんでした。
実際に観た上での感想ですが、かなり酷い描写の連続で、鑑賞後感は強いエグ味と最悪な気持ちになっちゃうかな...と覚悟していたのですが、想像していたほど嫌な感じはありませんでした。
確かにジャングルでの描写は死屍累々で、時に自決や殺し合いが血なまぐさく映し出されていくのですが、悪趣味な感じがないというのかな...塚本さんなりに物凄く練りに練り、グロテスクの一線をギリギリ超えないようにしようという意思が感じ取れたんですね。
塚本さんは原作に高校生の頃に出会い、自ら映画化したいと夢見、30代のころから何度も企画するも予算面や内容で受け入れてもらえず、50代で大きな決意の元、これまでの経験と試行錯誤やボランティアの協力などを得て、ようやく実現したらしいです。
舞台挨拶でも語られていましたが、今の時代、戦争映画はとても作りづらくなっているんですよね。地味とされる上に、イデオロギーに触れやすい題材は忌避される傾向にありますし。
なので、塚本さんはなるべく思想信条を入れ込むことなく、戦場での善悪を超越した実態のみを表出することに努めたようです(私なりにかなりな意訳)。
そういう意図からなのか、田村は徹底して意志薄弱で、お人好しな人物で、酷い状況に晒されれば晒されるほどオロオロとし、深刻というよりは滑稽な感じに見えてくる感じがしました。笑いが伴うほどまでではないのですが、それはおそらく誰もが持つ己の情けない部分が炙られて、自分もあんな場におかれたら、田村と同じ振る舞いをするんだろうなと共感できるからなのかなと。
塚本さんも田村を自分に置き換える...そんな思いを胸に脚色・演出したのではないかと...。
人肉を「猿の肉」として喰らう極限状態に、同じ日本人が70数年前に実際におかれたわけです。
その事実は、いかに負のものであろうと、次世代に語り継いでいかなくてはならないと思った次第です。
舞台挨拶の後、サイン会がありました。
私は塚本さんの作品は初鑑賞ですが俳優としては非常に親しみがあり、サインを書いて頂く際に「シン・ゴジラ」の間准教授がとても良かったですと、お伝えしました(^_^)
東武東上線・川越駅で同行の友人と待ち合わせて、バスで最寄りの大手町で下車。
予約をしていたものの、自由席ですので、いくらかでも早めに...でしたが、バスがチョイ遅れ気味になったため、現着は10時15分ころに。
すでに行列となっており、
開演10分前に受け付け開始となりました。
初日は監督・塚本晋也さんの舞台挨拶、
もちろんこれも大きな目的です(^_^)
座席は一番前の列、カミテ側に。テーブル付き二列目が理想的なのですが、すでに埋まってまして...でもここは最前列でもスクリーンまで程良い距離があるので、問題ないのです。
友人は初めてですが、古い学校の体育館みたいと言ってました。なるほど〜(^_^;
ってなことで、開演時間10時半となり、予告なしですぐに本編スタートです。
映画の舞台は、太平洋戦争時のレイテ島。兵站なぞとっくのとうに崩壊し、取り残された日本兵の傷病と饑餓、そして圧倒的な敵の攻撃...それら劣悪な状況が繰り返し描かれます。
そんな中でも取り引きのうまい奴や、自分は弾に当たらない奴など、個性の強い人物も登場し、主人公・田村(演じるのは塚本さん自身)は時に同行し、翻弄され、別れがあるというストーリー。
大岡昇平の有名な原作で、過去にも市川崑による同名の監督作品があり、知ってはいたものの、塚本版を含め何か近寄りがたいものを感じて読んだり観たりはありませんでした。
実際に観た上での感想ですが、かなり酷い描写の連続で、鑑賞後感は強いエグ味と最悪な気持ちになっちゃうかな...と覚悟していたのですが、想像していたほど嫌な感じはありませんでした。
確かにジャングルでの描写は死屍累々で、時に自決や殺し合いが血なまぐさく映し出されていくのですが、悪趣味な感じがないというのかな...塚本さんなりに物凄く練りに練り、グロテスクの一線をギリギリ超えないようにしようという意思が感じ取れたんですね。
塚本さんは原作に高校生の頃に出会い、自ら映画化したいと夢見、30代のころから何度も企画するも予算面や内容で受け入れてもらえず、50代で大きな決意の元、これまでの経験と試行錯誤やボランティアの協力などを得て、ようやく実現したらしいです。
舞台挨拶でも語られていましたが、今の時代、戦争映画はとても作りづらくなっているんですよね。地味とされる上に、イデオロギーに触れやすい題材は忌避される傾向にありますし。
なので、塚本さんはなるべく思想信条を入れ込むことなく、戦場での善悪を超越した実態のみを表出することに努めたようです(私なりにかなりな意訳)。
そういう意図からなのか、田村は徹底して意志薄弱で、お人好しな人物で、酷い状況に晒されれば晒されるほどオロオロとし、深刻というよりは滑稽な感じに見えてくる感じがしました。笑いが伴うほどまでではないのですが、それはおそらく誰もが持つ己の情けない部分が炙られて、自分もあんな場におかれたら、田村と同じ振る舞いをするんだろうなと共感できるからなのかなと。
塚本さんも田村を自分に置き換える...そんな思いを胸に脚色・演出したのではないかと...。
人肉を「猿の肉」として喰らう極限状態に、同じ日本人が70数年前に実際におかれたわけです。
その事実は、いかに負のものであろうと、次世代に語り継いでいかなくてはならないと思った次第です。
舞台挨拶の後、サイン会がありました。
私は塚本さんの作品は初鑑賞ですが俳優としては非常に親しみがあり、サインを書いて頂く際に「シン・ゴジラ」の間准教授がとても良かったですと、お伝えしました(^_^)