『ヒルサイドテラス物語―朝倉家と代官山のまちづくり』
前田礼、2002、『ヒルサイドテラス物語―朝倉家と代官山のまちづくり』、現代企画室
江戸時代から続く朝倉家の現在にまで至る物語であると同時に、代官山と朝倉家を巡る人々、槇文彦や粟津潔、北川フラムら大勢の建築と現代アートに関わる人々がヒルサイドテラスを点ではなく広がりをもった空間として築いてきたようすが記される。1990年代の前半にご縁があって数度ヒルサイドテラスを訪ねたことがあり、また最近ご縁ができたので手にとったのが本書。読むまでは、その場所と建築物のイメージしかなかったのだが、その背後には朝倉家がキーであることがわかった。読み始める前、朝倉家は大名か旗本なのだろうと思っていたが、もっと土地に根っこの生えた一族であることがよくわかった。そして、こうしたキーマンが人を呼び地域を活性化させてきた。"都市の中の「村」、アーバンヴィレジ代官山、人のつながりとゆるやかな〈時の流れ〉が育んだ街"という本書の帯の惹句がまさに言い得て妙である。人間関係がどんどん希薄化する現代社会にあって、やはり、重要なことは人と人とのつながりであることは言うまでもないが、東京という大都会の中の「村」であるヒルサイドテラス界隈を中心とした代官山エリア、目を話すことはできない。
江戸時代から続く朝倉家の現在にまで至る物語であると同時に、代官山と朝倉家を巡る人々、槇文彦や粟津潔、北川フラムら大勢の建築と現代アートに関わる人々がヒルサイドテラスを点ではなく広がりをもった空間として築いてきたようすが記される。1990年代の前半にご縁があって数度ヒルサイドテラスを訪ねたことがあり、また最近ご縁ができたので手にとったのが本書。読むまでは、その場所と建築物のイメージしかなかったのだが、その背後には朝倉家がキーであることがわかった。読み始める前、朝倉家は大名か旗本なのだろうと思っていたが、もっと土地に根っこの生えた一族であることがよくわかった。そして、こうしたキーマンが人を呼び地域を活性化させてきた。"都市の中の「村」、アーバンヴィレジ代官山、人のつながりとゆるやかな〈時の流れ〉が育んだ街"という本書の帯の惹句がまさに言い得て妙である。人間関係がどんどん希薄化する現代社会にあって、やはり、重要なことは人と人とのつながりであることは言うまでもないが、東京という大都会の中の「村」であるヒルサイドテラス界隈を中心とした代官山エリア、目を話すことはできない。
ヒルサイドテラス物語―朝倉家と代官山のまちづくり | |
前田礼 | |
現代企画室 |