各メーカーが本格的な味を競い合い、冷凍チャーハンブームが起きている。群雄割拠の冷凍チャーハン市場で、人気の高い商品はどれなのか。「日経POS情報・売れ筋商品ランキング」の8月、9月分データをもとにランキングを作成した。
1位はニチレイの「本格炒め炒飯」だ。定番のシンプルな具材ながら、何度食べても飽きさせない味がナンバーワンの理由だろう。王者の人気は根強い。
2位は味の素冷凍食品の「具だくさん五目炒飯」。7種の具材と金華ハムのダシで仕上げたコク深い味わいの五目チャーハンで、名前の通り具の多さがセールスポイントとなっている。
3位は味の素冷凍食品の「ザ・チャーハン」。今年8月末に発売されたばかりだがすでに大人気で、直近の売り上げでは1位の「本格炒め炒飯」を凌ぐほど。発売日の都合で販売期間が短いにもかかわらず、堂々の3位だ。シンプルながらも焦がしにんにくのマー油と葱油の香ばしさが食欲を刺激する。
4位はマルハニチロの「あおり炒めの焼豚炒飯」。「赤坂璃宮」オーナーシェフである譚彦彬氏との共同開発で、本格中華の味を再現したものだ。
5位はニチレイの「本格炒め炒飯 塩」。不動の1位である「本格炒め炒飯」の塩味バージョンで、あっさり味ながらも卵、チャーシュー、たけのこ、しいたけ、ねぎと具だくさんなのがうれしい。中華調味料の「XO」が味のアクセントになっている。
ランク上位の商品がどれも絶品なのはいうまでもない。惜しくもランクインはしなかったが一部熱烈なファンから支持されている変わりダネが、日清食品がこの秋発売した「冷凍 出前一丁 鉄板チャーハン」だ。インスタントラーメンとしてお馴染みの「出前一丁」の特徴である「ごまラー油」の香ばしさがチャーハンでも味わえる。
楽に調理できるからこそ、ひと手間かけるだけで違った味わい方もできる。料理研究家の島本美由紀氏に聞いた。
「チャーハンは油の影響でどうしても飽きやすい料理。なので、韓国のりをちぎって入れると香りや食感に変化が出て飽きにくくなります。だしの素や昆布茶をお湯で溶いて注いだ『ダシ茶漬け』や、中華丼の素をかけた『あんかけチャーハン』にしても美味しいです。
主食でありながらビールのおつまみにも合うアレンジとしては、凍ったままのチャーハンをボウルに入れて、生卵を混ぜ、フライパンで焼くと、もっちりしていて、それでいてカリッとした食感のあるライスチヂミになります」
たかが冷凍チャーハンと侮るなかれ。一度食べたら最後、スーパーに行くたびに買ってしまい、気付いたら冷凍庫がチャーハンで埋まっている、かも。
※週刊ポスト2015年11月6日号