小田急電鉄(株)が11月1日、東京都内で星野晃司取締役社長による記者会見を行い、来年3月からの新ダイヤなどを発表した。構想から約50年、登戸駅から新宿駅までの複々線化を完成させることで通勤時間帯の混雑緩和や時間短縮を図り、沿線の魅力向上を進める。
上下線の線路を2本ずつにする複々線化は、各駅停車と急行電車を別々の線路に振り分けることで、これまでラッシュ時などに発生していた通過待ちやノロノロ運転を解消することが目的。1964年に都市計画の決定、89年から工事に着手し、現在は世田谷代田駅から東北沢駅までの1・6Kmで工事が進められている。この区間が完成することで登戸―代々木上原間11・7Kmが複々線となる。
今回発表された新ダイヤは、改定ではなく白紙の状態から組まれたもの。100人以上の報道陣が集まった記者会見の席で星野社長は「遅い、混んでいると言われてきた小田急線のイメージを一新させる。詰まり解消で時間の短縮も図ることもできた」と語った。
選ばれる鉄道めざし
複々線化を生かした新ダイヤでは、平日朝のラッシュ時(下北沢着午前7〜9時)の列車が現行27本から36本に増発。車両数が96両増えることで、現在の混雑率192%(やや圧迫感がある)が「新聞や雑誌を楽な姿勢で読むことが出来る」150%程度まで緩和される見込みだという。
また急行よりも停車駅の少ない小田原線「快速急行」は新たに登戸駅が停車駅となるが、通勤時間帯で現在の3本から28本に増発。多摩線は朝限定で新たに「通勤急行」を新設し、小田急多摩センター駅からの始発便も増やすことで着席性も向上させる。列車種別の新設や変更によって、ラッシュ時の新百合ヶ丘駅―新宿駅は現在の38分から28分に、小田急多摩センター駅―新宿駅は54分から40分に短縮される。
同社は「来春の新生活に合わせた新ダイヤのスタートは、利便性が拡大することによる暮らしの向上を認知して頂く意味合いもある。今後も選ばれる鉄道をめざし、ニーズに応えていきたい」と話している。
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