KDDIの4―6月期は32%営業減益、通信料収入減などで

KDDI、4―6月期は通信料収入減で32%営業減益
7月25日、KDDIは、2012年4―6月期の連結営業利益が前年同期比32.8%減の942億円になったと発表した。都内の本社で2008年11月撮影(2012年 ロイター)
[東京 25日 ロイター] KDDI<9433.T>は25日、2012年4―6月期の連結営業利益が前年同期比32.8%減の942億円になったと発表した。スマートフォン(高機能携帯電話、スマホ)向け割引サービスの拡大で通信料収入が減少したほか、顧客の囲い込みを狙った新サービスで先行投資が膨らんだ。
4―6月期は営業減益となったが、13年3月期通期の営業利益予想は前期比4.7%増の5000億円で据え置いた。会見した田中孝司社長は、契約数など「足元のデータはポジティブに振れている」と説明。7月以降は契約増加による通信料収入の下げ止まりや家庭向け光回線の増収効果が見込めるほか、前年同期に約510億円かかった800メガヘルツ帯の周波数再編コストがなくなるため、通期予想の達成に向け「自信の揺らぎはまったくない」と述べた。
4―6月期実績の通期予想に対する進ちょく率は18.8%。前年同期の通期実績に対する割合は29.3%だった。トムソン・ロイター・エスティメーツによると、アナリスト14人が過去90日間に出した通期営業利益の予測平均値は5041億円で、会社側予想の5000億円と同水準になっている。
KDDIは5月に、光回線や提携ケーブルテレビ会社の固定通信サービスの契約者を対象にスマホの通信料を月額1480円割り引く新料金体系を導入した。この影響で営業利益が172億円減少したほか、毎月390円でアプリが取り放題となる新サービスに伴う先行投資が160億円のマイナス要因となった。
4―6月期の売上高は前年同期とほぼ横ばいの8616億円。割引サービスの浸透により、1契約当たりの月間通話料収入は同9.2%減の4240円となった。当期利益は同28.7%減の513億円だった。
スマホの販売実績は前年同期比2.6倍の174万台で、通期計画800万台は変更していない。4―6月の新規契約から解約を差し引いた純増数は、携帯電話3社の中で2位。通信会社を変更しても同じ電話番号が使える「番号持ち運び制度(MNP)」の利用件数では1位を維持している。
(ロイターニュース 白木真紀;編集 大林優香)

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