「人間の本性」を考えるうえで前出の二例は、興味深い事例として記憶に残り続けるだろう。
この二つの事件を考えるに、2014年流行語大賞にノミネートされた「号泣県議」を思い浮かべる。使途不明の公金流用の疑いで記者会見の席で、突如として号泣・慟哭したのだ。
一度「スイッチが入る」と「どうにもとまらない」状態が持続するという点で一致する。
心理学者はこの3人を研究すれば何らかの「共通項」が多数見つかるはずだ。貴重なサンプルとして提案したい。
数年前「東大までの人・東大からの人」という本が出版された。私は題名しか知らないが私なりに解釈すると、「暗記だけでとにかく東大まで来たが、その先は暗記だけでは通用しない」という意味か。
特に「このはげーっ」の代議士は、たぶん暗記だけでこの地位までやってきたのだろう。
秘書が裏と表の道を間違えただけであのanger syndrome(憤怒症候群)。
代議士ならば演説の聴衆に向かって、遅れた理由をジョーク交じりにごまかすことなんか何でもないはず。暗記だけでやってきたので「最初が肝心」、そんなアドリブなんかできない。結果パニックになって立場の弱い者に向かって爆発させる。そんな構図が思い浮かぶ。
彼女の辞書には「臨機応変」という言葉はない。「決められた時間」通りに会場に着かなければ、折角「用意した原稿」が意味をなさない、と考えた節がある。
原稿の最初の部分を、たとえ会場への到着が遅れても「臨機応変」で替えれる、そんな器量も持ち合わせていないのだろう。