『喫茶去』嫌いな人にも一杯のお茶を差し出せる余裕
よくいらっしゃいました。まずお茶でも召あがれ。
日常のあたりまえの光景ですが、お茶を差し出すことほど、私たちの心を写し出すものでありません。
あなたは嫌いな人が来ても、お茶を召上がれと言えますか。
到着したとたんにあわてて言い訳しようとする人に、ご苦労さん、まずは一杯、相手の呼吸を整えてあげることを考えますか。
よく来たね、という気持ちも、一杯のお茶が表します。
『喫茶去』とは、お茶を召上がれ、というただそれだけの言葉。
抹茶を立てても、番茶でも理屈抜きに一杯差し出すことこそ禅の心に通じます。
儀式でもなく、健康や喉の渇きのためとこだわらず、ただ「さあ、お茶をどうぞ」。
茶の湯とはただ湯をわかしてお茶を立てて呑むばかりなる本を知るべし【千利休】
『喫茶去をどうぞ……
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