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変わりゆく豊平の街並み

2018年08月28日 21時26分27秒 | つれづれ日録
 アートに関係ない話題ですみません。

 いまでこそ200万人近い人口を抱える大都市の札幌ですが、戦前までは、建物が並んでいたのは中央部の、「条丁目」で住所を表記する地区に限られ、その周辺には原野や農地が広がっていました。

 ほとんど唯一の例外が、豊平地区です。
 昭和初期の地図を見ると、市街地を示す模様が、豊平橋を超えて国道沿いに続いている様子がわかります。
 国道には、路面電車が、定山渓鉄道の基幹駅である豊平駅の前まで走っていました。




 そんな豊平の国道沿いに並ぶお店のひとつが「丸京 小さな百貨店」でした。

 ちなみに筆者は一度も店内に入ったことはありません。したがって、特に思い入れはありません。

 見たところ、開店から40年以上はたっていそうな洋品店でした。

 となりは、クリーニング店です。
 かつては3階建てでしたが、建築の教科書に載りそうな見事な「減築」を数年前に行い、いまは2階建てになっています。

 なお、いまはコインパーキングになっている左隣の土地には以前、「オホーツク」という居酒屋がありました。
 シャッターには、赤い丸い玉を両ほほにぶらさげたような風変わりな(かわいらしく描こうとしているのだろうが、あまりかわいくない)男の子が大勢で漁に取り組んでいる絵が描かれていました。
 「オホーツク」は一時、シャッターのデザインを変えずに「小さな大工」という店に業態を変えましたが、数年で「オホーツク」に戻りました。




 丸京はこの数年、営業日でもシャッターを半分しか開けていないようなことが目立ちましたが、ついに今年に入り、取り壊しとなりました。




 クリーニング店の外壁が札幌軟石だということがわかります。




 ところで、国道より1本北東側を走る豊平2条通りから「ギャラリー犬養」に入る細い道の右側に、古いアパートがたっています。

 1階は車庫で、大きなシャッターがあり、2階は住宅になっているようです。




 2階の住宅への入り口のところをふと見上げると
「丸京寮」
と書かれているのがわかり、驚かされます。

 古い洋品店は昔は、従業員の寮を別にたてるほど、多くの人を雇っていたのか!




 ギャラリー犬養の近くから見た、丸京寮の裏側です。




 ギャラリー犬養に通じる細い道です。右側の建物が丸京寮です。

 左側は駐車場です。
 「小さな百貨店」という札がついています。丸京に来た客のための駐車スペースでしょうか。




 美術ファンにはおなじみの風景です。右側が丸京寮、左側が「小さな百貨店」の札がある駐車場です。
 このあいだの道を行くと、ギャラリー犬養があります。

 こうしてみると、丸京寮の窓が開いていて、人が住んでいるようです。



 丸京には公式サイトがなく、札幌市豊平商店街振興組合のサイト(http://www.toyohira36.com/)の地図に名が見えます。
 また「さっぽろわくわく商店街」のサイトにはお店のページ(http://www.011.or.jp/shop/detail.php?id=327)があり、つぎのように書かれています。

メーカー品を多数取り扱っております。
お好きなデザインがあってもサイズが合わないとお困りの方
お取り寄せし気に入った場合のみ、購入していただけます。



 豊平は早くから開けていた街ですが、都心部の大きな店舗ではなく、また、郊外のショッピングセンターのような駐車場も有していないため、くしの歯が抜けるように年々お店が減っています。
 この近くでは、ペットショップが取り壊され、薬局がシャッターをおろしたままです。店ではありませんが、大きめの病院も閉院しました。
 1970年代半ばころは、家具店の多い一角でしたが、いまは中古事務用家具を扱う店が1店舗あるのみです。

 走り去る車の量だけが多くなるのは、少しさびしさを感じます。



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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (浅野)
2018-08-29 17:56:16
無くなったペットショップ、中学の時の先生の実家でした。先生も大分前に定年になったはずだし、どんどんみんな歳をとって、変わっていきますね。
浅野さんこんにちは (ねむいヤナイ@北海道美術ネット別館)
2018-08-29 21:46:13
そうなんですか~

看板などはわりと新しい感じだったので、ちょっと意外です。

豊平、早く撮り歩きしたいですが、なかなか時間がなくて。

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