【伊香保温泉】とにかく辛い「ガラマーチャうどん」を食べて、温泉で汗を流す【水沢うどん】

細くてコシのあるうどんを冷たいつゆにくぐらせてすすれば、つるっと口の中を通り抜けて、のど越しで「うまい!」。水沢うどんといえば、そういうイメージ。でもそうじゃなきゃいけないなんて決まりはない(多分)。水沢うどんの本場、群馬・伊香保の「游喜庵」の「ガラマーチャうどん」も、れっきとした水沢うどんだ。

エリア伊香保 (群馬)

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香川の讃岐うどん、秋田の稲庭うどん、そして群馬の水沢うどん。これらは日本三大うどんと言われています(※諸説あり)。歴史あるところこそメニューはざる、かけうどんと、うどん本来の味をシンプルに楽しむのが流儀のような気がします。
今回そんな流儀はどこ吹く風、水沢うどんのカレーうどん専門店があると聞いて群馬県渋川市、伊香保温泉にやってきました!

 

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やって来たのは群馬の有名温泉地、伊香保温泉。石段街を中心に大小の旅館が軒を連ねます。
取材に来た3月はすれ違う人の半分くらいが大学生……楽しそうでうらやましい……。

 

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伊香保石段街から歩いて10分ほどのところにあるグルメスポット「食の駅」。
ここには水沢を代表する老舗「大澤屋」が運営する「游喜庵」が営業しています。

 

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看板に表記されている通り、ここはカレーうどん中心のメニューを展開しています。
ちなみに大澤屋本店ではざる、かけうどんオンリーの超正統派メニューの提供。そう考えると随分攻めた店舗なのだと感じます。

 

めちゃくちゃ辛くしたくてできた「ガラマーチャうどん」

貴重な水沢うどんのカレーうどん。今回のお目当てはこれ。 

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これは「ガラマーチャうどん(並 870円)」。辛さは☆5つ、MAXです。本格的なスパイスを使ってます感がすごい名前! のっかっているのは皮つき豚バラ肉です。
辛そうなにおいというわけでもなく、目に染みるわけでもない。辛いのは得意ではないんですが、いけそうな気がする!

 

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とろみのあるつゆと相性がよさそうな、気持ち細めの水沢うどん。原料は小麦粉、塩、そして水沢の水。水沢うどんは水沢の地で作られたものしか名乗れません。
「大澤屋」では水沢の水に麦飯(ばくはん)石をいれて寝かせます。するとミネラルが染み出し、水が柔らかくなるのだそう。こだわっています。

 

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うまい! 確かにスパイシーではある。でも辛いのが苦手な人でもいける優しい辛さ!
「ガラマーチャうどん」のつゆはカシミールカレーをベースに、「大澤屋」のうどんつゆを絶妙な配合で混ぜているのだそう。
カシミールカレーの辛味はコク、風味が薄くカレーうどんにはむかない……その辺を和風に、しかもおいしく仕上げるのが老舗の

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あとからきたああぁぁーーー!!
辛い!! 一呼吸置いてから、口がひりつく辛さがやってくる!!
うぁぁーー……でも、かめばかむほどうまい!! うどんの甘みがありがたい!!

 

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この辛さから逃れるべく、再び「最初のうま味、うどんの甘み」を求めてすすってしまう……辛味+うま味=止まらないとはこれのことか!!
ちなみにこのガラマーチャ、ヒンドゥー語の「ガラム(辛い)」と「アウルチャ(うまい)」を組み合わせた和製ヒンドゥー語。当然「ガラマーチャ」とネット検索をかけても、「游喜庵」の「ガラマーチャうどん」しかヒットしてきません。ここまで名前に忠実な食べ物、他にない!

 

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あ、汗が、止まらない!!
紙エプロンがカレーの飛び汁よりも汗から服を守ってくれている感があるな……。

 

伊香保露天風呂で汗を流す

そして、ここは温泉地、いくら汗をかいてもすぐに流すことができるのです!

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伊香保温泉にはタウンバスが走っており、名所を100円で結んでいます。
これなら汗をかいての移動でも風邪をひくことはなさそうです。

 

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「食の駅」からバスに乗って約10分、伊香保温泉の最深部にあるこちらが「伊香保露天風呂」。い~いレトロさですね。この建物の向かいにはぽこぽこと湧き出す源泉、そして伊香保、草の街づくりに大きく貢献した「ベルツ大先生」の銅像が佇んでいます。

 

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浴室は岩や木々が配された庭園風。湯船の縁の木材がいい味出してますね。
見ての通り脱衣場も露天のため、素早い「着替え術」が試される湯でもあります。

 

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ほんのりと濁った湯にはいると、気持ちは塩だれに浸かるうどん。うどんって食われる間際、こんなにいい気持ちなのか……!
なんと言っても温度が適温! のんびりと浸かっていても湯あたりすることはなさそうです。
ちなみにこの色、温泉に含まれる鉄分が空気に触れて化学反応をおこしたためと言われています。

 

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伊香保露天風呂から15分ほど歩いて石段街まで戻ってきました。見下ろす景色もまた絶景……! 都内にはない奥行が広がります。実はこの石段の下を通って各旅館へ温泉が供給されています。景観としても、温泉地としても重要な役割をもっているのです。

温泉で汗をかき、少し歩いて小腹がすいてきたところ。この階段を下り、歩いて「游喜庵」までいけば、2杯目のうどん、いける気がします。

 

2杯目で知る、うどんごとに違う辛うまさ

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石段街から敢えて歩いて15分、西日が差す頃に戻ってきました、再びの「游喜庵」です。やっぱり他のカレーうどんも気になるじゃないですか。みなさん同じように思うのか、お店の方の体感として「游喜庵」のお客さんは3~4割がリピーターなのだそう。

 

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辛さは☆3つ半、「スパイシーマサラカレーうどん(並 840円)」をチョイス。一番イメージが湧かなかったので気になりました。
ちなみにマサラとはスパイスを粉末にして混ぜたものを指すのだそうで、さらっとしたうどんつゆになっていますね。

 

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「ガラマーチャうどん」のような辛味の時間差を警戒し、口に入れてから様子を見ます。そしてカレーうどんあるあるの汁はねも警戒して白セーターは脱ぎ、汗対策のため一番薄着になっておきました。
今日ですこし成長した感がありますね。

 

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汁までいけました! ヒリつく辛さではなく、スパイスの香りがフッと駆け抜けていく……。
「ガラマーチャうどん」はつゆとうどんが一体となっていたのに対し、「スパイシーマサラカレーうどん」はつゆの辛さ、うま味と交代してうどんの甘さを楽しめる感じ! それぞれの主張を感じられますね。
2杯目を食べてリピーターが多い理由がわかりました。一杯一杯辛味、うま味が違ってるんです。

カレーうどんは9種類。あと7回楽しめる!

「游喜庵」には今回食べた2種類のほかに、あと7種類のカレーうどん、そして担々つけうどん、とり塩つけうどんを食べられます。

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一部のカレーうどんは店頭でお土産として購入可能、伊香保まで来られない方はネット販売もしています。パックのうどんと侮ることなかれ、もともと「游喜庵」のカレーうどんは通販向けに開発されたもの。こちらが本来の姿であり、「游喜庵」のカレーうどんとほぼ同じ味を楽しむことができます。

遠方の方はご自宅で、お近くの方は伊香保の空気を感じながらお店で汗をかきながらほおばってください! 汗をかいてからの温泉も最高ですよ!

 

お店情報

游喜庵

住所:群馬県渋川市伊香保町伊香保544-130(食の駅伊香保内)
電話番号:070-1062-5886
営業時間:平日11:00~17:00(LO)(夏は~18:00)、土曜日・日曜日・祝日10:30~18:00(LO)
定休日:不定休
通販サイト:http://www.osawaya.co.jp/fs/mizusawaudon/c/yukian

www.hotpepper.jp

※この記事は2017年3月の情報です。
※金額はすべて税込みです。

 

書いた人:毎川直也

毎川直也

風呂が好きで、風呂デューサーを名乗り活動中。銭湯、スーパー銭湯、温泉旅館での勤務経験を持ち、銭湯に勤めながらメディア出演をしている。酒が弱いうえに小食なため、「メシ通」には間違いなく向いていないライター。

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