ソフトバンクとドイツテレコム、米携帯子会社統合を発表
ソフトバンクグループ傘下で米携帯4位のスプリントと同3位のTモバイルUSは29日(米国時間)、経営統合することで合意したと発表した。ソフトバンクとTモバイル親会社のドイツテレコムが新会社を設立する。互いが主導権を主張し交渉は難航したがソフトバンク側が譲歩し、新会社をドイツテレコムの連結対象にすることで決着した。当局の認可が出れば、米携帯市場は3強時代に突入する。
スプリントとTモバイルの契約者数は合わせて1億2600万人となり、1億5千万人のベライゾン・コミュニケーションズ、1億4千万人のAT&Tに迫る。
世界の携帯市場は超高速無線通信を可能にする次世代の通信規格「5G」の商用化が目前だ。設備投資がかさむうえ、各社が通信料の値下げなどで競えば消耗戦となる。
ソフトバンクはベライゾンなど2強と競うためには、3位と4位の統合が避けられないと判断し、経営の主導権を譲って統合を優先したとみられる。統合で顧客基盤を固めネットワーク投資などを急ぐ。
ソフトバンクは2013年に総額約2兆円を投じスプリントを買収した。このころからTモバイルの買収を検討したが、米連邦通信委員会(FCC)の反対で頓挫した経緯がある。今回は統合に合意したが、FCCなど規制当局の審査は1年程度かかる可能性がある。米司法省も反トラスト法(日本の独禁法に相当)に触れるかどうかを審査することになる。