SIM1枚で3キャリアを切り替え。さくらインターネットのIoT向けSIMがサービス強化
さくらインターネットは11月28日、同社が提供しているIoT/M2M向けSIMサービス「さくらのセキュアモバイルコネクト」がマルチキャリア対応を開始したと発表しました。

同サービスは、フルMVNOであるさくらインターネットが2018年2月に開始した、IoT/M2Mに特化したデータ通信専用SIMサービス。これまでソフトバンク回線でのみサービスを提供していましたが、ドコモ、au回線も利用可能となりました。

注目すべきポイントは、一般的な格安SIM(MVNO)のサービスとは違い、キャリア変更時にSIMを交換する必要がなく、1枚のSIMで3キャリアの回線に対応する点です。

価格はSIM本体が2160円、基本使用料はSIM1枚当たり12円/月。データ通信費はauとSoftBank回線が6円/MB、ドコモが40円/MB。これらとは別に、500MBまでのデータ通信費を含んだ月額4320円のモバイルゲートウェイ使用料がかかります。

基本使用料12円と聞くと興味を持つ人も多そうですが、残念ながら法人向けのサービスなので一般の人は利用不可。そもそもスマートフォンで使うものではなく、監視カメラや自動販売機など、大量の機器で少量のデータ通信を行うことを想定したサービスです。

例えば100台の機器で、毎月5MBの通信をすると考えると、基本使用料は1200円(12円 x 100台)。モバイルゲートウェイ料金には500MBまでのデータ通信費も含まれるので追加では発生せず、トータルでは5520円/月。SIM1枚当たりでは55.2円/月で利用できます。

このように、今回のサービスは個人利用とはかなり離れた性格を持ちますが、「同一SIMで3キャリアの切り替えが可能」というフルMVNOのメリットを活かしたものとなっている点は大いに注目できます。

参考記事:
IIJの「フルMVNO」を徹底解説。ユーザーのメリットとは:週刊モバイル通信 石野純也 (2018年3月)