ある宇和島市議会議員のトレーニング

阪神大震災支援で動きの悪い体に気づいてトレーニングを始め、いつのまにかトライアスリートになってしまった私。

【ある闘病記】難波先生より

2018-07-10 23:06:28 | 難波紘二先生
【ある闘病記】
 後進(同窓ではない)の血液病理学者である私大教授をしている男が、二、三年前に大腸の切除術を受けた後、
肝臓に再発して目下闘病中だ。
 家族で伊香保温泉に滞在して、先日のE-テレ「悪魔の医師か赤ひげか」を観てくれたそうだ。
 本音で嬉しく思う。

 大腸がんはそれほど生命予後が悪いがんではない。
 米国留学中にお会いした、米NCIの初代病理部長 ハロルド・スチュワート先生は、米国の病理学史に名前が残っているほどの人だった。
 単眼顕微鏡の時代から、スケッチしながら顕微鏡標本を覗いていたほどの人で、絶えず首を傾けいたので職業病としての「斜頸」があった。
 
 留学中のこと、アメリカには憲法違反である「定年制」はないので、次の病理部長ルイ・トーマスにバトンを渡した後、
しばらくは病理部長室を訪れ、いろんな話をしてくれたことがある。

 古参の技師たちからも敬愛されていて、引退後のスチュワート先生の話を聞いた。
(意外と彼らは情報通である。絶えず移動する医師たちとそこが異なる。)

 それによると、NCIの別の上位の行政職に就任し後、大腸がんが発見されて、手術を受けた。
その後、2,3年して肝転移が発見されたが、それも肝臓の部分切除で対処した。
 初発から10年くらいして、脳転移が発見されたそうだが、最終的な死因がなんだったかは知らない。

 当時は本格的な化学療法がまだなく、肝臓を全摘して健康な肝臓を部分移植するというようなウルトラC級の治療法もなかった。
 今日では、最適な治療法を組み合わせれば、転移のある大腸がんでも、10年生存はまれでないと思う。

 有意な人材だけに、頑張ってほしいと祈るばかりだ。


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