現代日本人文芸

現代に生きる日本人の文芸です。小説、エッセイ、俳句、短歌、川柳、現代詩、日本の伝統文芸を愛し新しい日本の文芸を創作

現代日本人文芸:二宮正治小説:小池百合子をひとりで歩かせてはならない:第99回:フィクション

2017-01-30 08:21:29 | 日記

「小池百合子都知事に勝たせたい」

「区長選の事」

「それそれ」

 Nは絞るようにこう言った。

「小池さんががんばったら地方の自民党が変わるんだ」

 Nがまた口を開く。

「地方ってそんなひどいの」

「ひどいなんてもんじゃあない。おれのふる里の広島なんてゴロツキも真っ青みたいな地方議員がいるんだ。議員も議員なら取り巻きも取り巻きだ。広島のために働いれいるんじゃない。自分の仲間のために働いているんだ。これでは地方は良くならないし、日本も良くならない」

 Nは仲間を見た。

「小池百合子都知事のがんばりは最終的に自民党の国会議員を楽にする」

「それ分かるよ。地方には警察に目をつけられている議員が何人もいるもんねえ」

「そういう事」

 Nは千代田区長選の勝利を信じている。


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