ちょっと前から話題になっていた、詰め込み教育の良し悪し、アクティブラーニングとは何か、センター試験の見直しは必要か等、今後の教育について書かれています。
教育者、そして親に学生に是非読んでいただきたい本。
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新しい学力 (岩波新書) 新書 – 2016/11/19
齋藤 孝
(著)
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2020年に予定されている文科省学習指導要領の大改訂。〈新しい学力観〉に沿った教育現場の改革はすでに始まっている。教科の再編、アクティブ・ラーニングの導入、評価基準の変化など──。大きな変化の中で、本当に求められる〈真の学力〉とは何だろうか? 教師も親も学生も必読、〈人〉を育てる教育への、熱意あふれる提言の書!
- 本の長さ240ページ
- 言語日本語
- 出版社岩波書店
- 発売日2016/11/19
- 寸法10.7 x 1 x 17.3 cm
- ISBN-104004316286
- ISBN-13978-4004316282
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登録情報
- 出版社 : 岩波書店 (2016/11/19)
- 発売日 : 2016/11/19
- 言語 : 日本語
- 新書 : 240ページ
- ISBN-10 : 4004316286
- ISBN-13 : 978-4004316282
- 寸法 : 10.7 x 1 x 17.3 cm
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著者について
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1960年静岡生まれ。明治大学文学部教授。東京大学法学部卒。同大学院教育学研究科博士課程を経て現職。『身体感覚を取り戻す』(NHK出版)で新潮学芸賞受賞。『声に出して読みたい日本語』(毎日出版文化賞特別賞、2002年新語・流行語大賞ベスト10、草思社)がシリーズ260万部のベストセラーになり日本語ブームをつくった。著書に『読書力』『コミュニケーション力』『古典力』(岩波新書)『理想の国語教科書』(文藝春秋)『質問力』『現代語訳学問のすすめ』(筑摩書房)『雑談力が上がる話し方』(ダイヤモンド社)等多数。TBSテレビ「情報7days ニュースキャスター」等テレビ出演多数。NHK Eテレ「にほんごであそぼ」総合指導。 (写真提供:草思社)
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2017年10月16日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
学習指導要領を【ソフト】学校・教師を【ハード】だと考えると、
いくらソフトが良くても、ハードの能力が低かったら、ソフトの良さが活きない。
親の過剰な要求や、また生徒への暴力や卑猥な行動をする教師の多発、イジメや生徒の自殺の学校対応など。
正直、学力を伸ばすとか、問題解決能力とか、それ以前の問題を抱える教育現場が増えている。
現実的に問題解決力能力を有する子を育てる時間とコスト、
そして教師自身の能力は、果たして国や学校、教師、最後に親にあるのか。
現状、最高学府である日本の大学生の学習時間は、世界的に極めて低い。
国立教育政策研究所の2016年の調査報告「大学生の学習実態に関する調査研究」によると、
日本の大学生の7割の学習時間(週単位 授業以外の学習時間)は、
週に5時間ほど、1日1時間以下である。NHKが12年に行った調査では、1日39分です。
この学習時間の中には、もちろん読書も含まれています。
齋藤氏も指摘しているように、読書は、「新しい学力」が示す問題解決型の学力にとっても、
基礎となる知的な活動です。ベースに知識がなくては、ディスカッションは、
単なる語るだけのおしゃべりになってしまいます。少なくとも、
学習指導要領の改訂の結果として、学習時間の増加につながらないといけません。
学習時間が全てというわけではないですが、どのみち「何かを学んで生きていく」ことが、前提です。
重要な指標であることは、間違いありません。
果たして、増加するのでしょうか?
また、ソニー生命が中高生1000名に対し「中高生が思い描く将来についての意識調査」を実施した結果
「日本の10年後の将来のイメージ」の調査で、「明るい」と答えた中学生は39%、高校生は31%。
かなり衝撃的な結果です。中高生という、多感かつ感受性が強い時期に、
高校生の場合は7割が、未来に対して悲観的な見方をしています。
学習指導要領を改訂すると、これが改善されるのでしょうか?
今、日本社会は、人口減少社会(消費減少)、超高齢化社会(社会保障負担)、
労働者減少(生産年齢人口が毎年1%以上減少する)する状態になっています。
以前の経済社会システムが維持できなくなっています。政府も大学も、
あまり言いませんが、日本の世帯所得は、この20年で20%以上減少しています。
また、小学校の1クラスに数人の貧困状態の子供がいます。
まとめると、今の日本社会は、勉強する意欲がほとんどない者が溢れ、
なおかつ希望もなく、どんどん貧しくなっている人が増加しています。
学習指導要領を、かなり変更しても、おそらくは、
日本の大きな問題を解決することにはならないでしょう。
日本の教育システム自体が、もう既に死に体です。
中高生の7割が、未来に希望が持てないという国は、先進国でも、日本だけです。
既に終わっていると思った方がいいでしょう。
日本の教育システムが、もう終了なのは、誰の目にも、明らかです。
今の教育システムを、根本から見直すべきだと思います。
文部科学省は、「教育」に関する多くの部分を、民間や三者機関へ任すべきだと思います。
といっても絶対にやりませんが。
官僚や大学教授、各識者(なぜか経営者も含まれる)が作った学習指導要領など、
正直今必要とされていません。ゆとり教育で、もう十分に証明されたと思います。
大事なことは、一言でいうと、「学校に期待しない」ことです。
学校が何か教えてくれるとか、能力を伸ばしてくれるとか、
助けてくれるとか、思わないことが、一番のアクティブラーニングになります。
これから、日本社会は、ますます自己責任社会になります。
その社会とは、「今のあなたの現状は、全てあなたが、招いたもの」という社会です。そ
ういう社会にあたって、最高のアクティブラーニングは、
何かに依存することや期待することなしに、自分で人生のゴールを設定して、
自分で、自ら能力を開発していこうという意気込みです。
いくらソフトが良くても、ハードの能力が低かったら、ソフトの良さが活きない。
親の過剰な要求や、また生徒への暴力や卑猥な行動をする教師の多発、イジメや生徒の自殺の学校対応など。
正直、学力を伸ばすとか、問題解決能力とか、それ以前の問題を抱える教育現場が増えている。
現実的に問題解決力能力を有する子を育てる時間とコスト、
そして教師自身の能力は、果たして国や学校、教師、最後に親にあるのか。
現状、最高学府である日本の大学生の学習時間は、世界的に極めて低い。
国立教育政策研究所の2016年の調査報告「大学生の学習実態に関する調査研究」によると、
日本の大学生の7割の学習時間(週単位 授業以外の学習時間)は、
週に5時間ほど、1日1時間以下である。NHKが12年に行った調査では、1日39分です。
この学習時間の中には、もちろん読書も含まれています。
齋藤氏も指摘しているように、読書は、「新しい学力」が示す問題解決型の学力にとっても、
基礎となる知的な活動です。ベースに知識がなくては、ディスカッションは、
単なる語るだけのおしゃべりになってしまいます。少なくとも、
学習指導要領の改訂の結果として、学習時間の増加につながらないといけません。
学習時間が全てというわけではないですが、どのみち「何かを学んで生きていく」ことが、前提です。
重要な指標であることは、間違いありません。
果たして、増加するのでしょうか?
また、ソニー生命が中高生1000名に対し「中高生が思い描く将来についての意識調査」を実施した結果
「日本の10年後の将来のイメージ」の調査で、「明るい」と答えた中学生は39%、高校生は31%。
かなり衝撃的な結果です。中高生という、多感かつ感受性が強い時期に、
高校生の場合は7割が、未来に対して悲観的な見方をしています。
学習指導要領を改訂すると、これが改善されるのでしょうか?
今、日本社会は、人口減少社会(消費減少)、超高齢化社会(社会保障負担)、
労働者減少(生産年齢人口が毎年1%以上減少する)する状態になっています。
以前の経済社会システムが維持できなくなっています。政府も大学も、
あまり言いませんが、日本の世帯所得は、この20年で20%以上減少しています。
また、小学校の1クラスに数人の貧困状態の子供がいます。
まとめると、今の日本社会は、勉強する意欲がほとんどない者が溢れ、
なおかつ希望もなく、どんどん貧しくなっている人が増加しています。
学習指導要領を、かなり変更しても、おそらくは、
日本の大きな問題を解決することにはならないでしょう。
日本の教育システム自体が、もう既に死に体です。
中高生の7割が、未来に希望が持てないという国は、先進国でも、日本だけです。
既に終わっていると思った方がいいでしょう。
日本の教育システムが、もう終了なのは、誰の目にも、明らかです。
今の教育システムを、根本から見直すべきだと思います。
文部科学省は、「教育」に関する多くの部分を、民間や三者機関へ任すべきだと思います。
といっても絶対にやりませんが。
官僚や大学教授、各識者(なぜか経営者も含まれる)が作った学習指導要領など、
正直今必要とされていません。ゆとり教育で、もう十分に証明されたと思います。
大事なことは、一言でいうと、「学校に期待しない」ことです。
学校が何か教えてくれるとか、能力を伸ばしてくれるとか、
助けてくれるとか、思わないことが、一番のアクティブラーニングになります。
これから、日本社会は、ますます自己責任社会になります。
その社会とは、「今のあなたの現状は、全てあなたが、招いたもの」という社会です。そ
ういう社会にあたって、最高のアクティブラーニングは、
何かに依存することや期待することなしに、自分で人生のゴールを設定して、
自分で、自ら能力を開発していこうという意気込みです。
2016年12月26日に日本でレビュー済み
・「生きる力」を伸ばすのが、新しい教育だ。
・アクティブ・ラーニングの指導をできる教員がどれほどいるか。
・アクティブ・ラーニングで客観的な評価をどうやって、適正に行うのか。
・努力が報われる事が、今までの試験の良さだった。
・戦前の教育を受けた人達は、高度経済成長と問題解決を成し遂げた。
・アクティブ・ラーニングは大事だが、基本的な知識がなければ、何も達成できない。
医学や法学などの例を考えれば、明らかだ。
・問題解決力を偏重して、基本的知識をおろそかにしてはならない。
・伝統的教育の基本的知識をアクティブ・ラーニングで習得することが大事だ。
・アクティブ・ラーニングの指導をできる教員がどれほどいるか。
・アクティブ・ラーニングで客観的な評価をどうやって、適正に行うのか。
・努力が報われる事が、今までの試験の良さだった。
・戦前の教育を受けた人達は、高度経済成長と問題解決を成し遂げた。
・アクティブ・ラーニングは大事だが、基本的な知識がなければ、何も達成できない。
医学や法学などの例を考えれば、明らかだ。
・問題解決力を偏重して、基本的知識をおろそかにしてはならない。
・伝統的教育の基本的知識をアクティブ・ラーニングで習得することが大事だ。
2017年7月23日に日本でレビュー済み
2020年に予定されている学習指導要領の改訂。アクティブラーニングの実施や小学校授業への英語教育の導入など、これまでの「知識重視型教育」を見直す動きがある。背景にはグローバル化やAI普及に伴う単純労働の減少などが考えられる。今後は多くの知識を習得することよりも、「生きる力」を養うための課題解決型人材の育成に主眼を置く。
この大きな改革の流れに、著者は一石を投じている。と言っても、改革の方向性を否定するものではない。これまでの知識重視型教育を否定することに「待った」をかけている。
その理由は何か。それは、科挙制度の影響を受けたと思われる東アジア諸国がOECDの問題解決能力調査で上位を占めていることに答えがある。この結果が示すように、知識の習得は課題解決に一役買っている。膨大の情報を根気よく丹念に頭に入れていく作業は、集中力や根気を養う。決して否定されるべき教育方法ではないというわけだ。ただ、社会が複雑化し、予測困難となった今、従来の教育に加え、主体性や協調性を養う教育も行なっていくことの必要性を著者は述べている。
こうした著者の考えに、私は賛成の立場である。まずは地に足をつけて勉学に励むことが必要であり、その根幹となる姿勢を忘れ、プレゼンやディスカッションに注力することは、課題解決を行える人材の育成には繋がらないのではないか。「ゆとり教育」の失敗の再来の予感さえある。同様の失敗を避けるためにも、教育改革のビジョンを抽象的なものに終始せず、具体的な目標を子どもやその保護者、そして教育に携わる者と共有しなければならない。2020年という目標年があるとすれば、残された時間はそう多くない。
なお、著者は教育改革の課題として、①教員の質の確保、②客観的評価の難しさ、③学習の質の向上を挙げているが、この課題に対する答えは提示されていない。まだ議論の半ばなのかも知れないが、著者なりの考えは知りたかった。
この大きな改革の流れに、著者は一石を投じている。と言っても、改革の方向性を否定するものではない。これまでの知識重視型教育を否定することに「待った」をかけている。
その理由は何か。それは、科挙制度の影響を受けたと思われる東アジア諸国がOECDの問題解決能力調査で上位を占めていることに答えがある。この結果が示すように、知識の習得は課題解決に一役買っている。膨大の情報を根気よく丹念に頭に入れていく作業は、集中力や根気を養う。決して否定されるべき教育方法ではないというわけだ。ただ、社会が複雑化し、予測困難となった今、従来の教育に加え、主体性や協調性を養う教育も行なっていくことの必要性を著者は述べている。
こうした著者の考えに、私は賛成の立場である。まずは地に足をつけて勉学に励むことが必要であり、その根幹となる姿勢を忘れ、プレゼンやディスカッションに注力することは、課題解決を行える人材の育成には繋がらないのではないか。「ゆとり教育」の失敗の再来の予感さえある。同様の失敗を避けるためにも、教育改革のビジョンを抽象的なものに終始せず、具体的な目標を子どもやその保護者、そして教育に携わる者と共有しなければならない。2020年という目標年があるとすれば、残された時間はそう多くない。
なお、著者は教育改革の課題として、①教員の質の確保、②客観的評価の難しさ、③学習の質の向上を挙げているが、この課題に対する答えは提示されていない。まだ議論の半ばなのかも知れないが、著者なりの考えは知りたかった。
2016年11月29日に日本でレビュー済み
新学習指導要領のめざす「新しい学力」へのシフトを批判的に検討することを糸口に、子どもたちに「真の学力」を身につけさせるにはどうしたらよいかを考える。「日々奮闘努力している教師の方々の指針になれば、という思いで(p.210)」書いたという。
著者の主張は「『新しい学力』『問題解決型の学力』が求められるのは、現代の流れである……だが……それはあくまで諸学問を背景とした伝統的な学力と支え合ってこそ、はじめて本物の力となる」「問題解決型の学力を伸ばす教育には、教師や親の側にも熟練のスキルと教育への情熱、また生徒や子ども一人ひとりに寄り添う丁寧なケアが必要となる(p.175)」というところに尽きるだろう。温故知新というべきか、バランス論というべきか。
逆に著者が危惧するのは「問題解決型の学力やアクティブ・ラーニングが強調されるあまり……子どもたちが本当に意味のある学力を身につけ損なうという事態が起こりうること(pp.iii-iv)」であり、「アクティブ・ラーニングという手法の単なる真似事を皆でこぞってやりだし、かえって学力が低下するというのでは、あまりに馬鹿げている(p.iv)」とも言う。要は、教育界でありがちなブーム(例えば18歳選挙権の実現に伴う「主権者教育」ブームを見よ)に流されないことだろう。
著者の主張にはおおむね賛同するが、2点疑問がある。
1 文中に「真の」「本物の」という表現が多出する。だが、誰が、何をもって、なぜ(例えばある学力を)「真の」学力とするか否かは明らかでない。皮肉な言い方をすれば、著者のイメージから外れるものはすべて「真のものではない」と否定されている感がある。
2 学力のモデルとしてエジソンのそれを掲げること。果たしてエジソンのような突出した人間の学力なり、学力を身につけるための努力なりを、普通の児童生徒の学力なり努力なりのモデルとして提示することは適切なのか疑問がある。
著者の主張は「『新しい学力』『問題解決型の学力』が求められるのは、現代の流れである……だが……それはあくまで諸学問を背景とした伝統的な学力と支え合ってこそ、はじめて本物の力となる」「問題解決型の学力を伸ばす教育には、教師や親の側にも熟練のスキルと教育への情熱、また生徒や子ども一人ひとりに寄り添う丁寧なケアが必要となる(p.175)」というところに尽きるだろう。温故知新というべきか、バランス論というべきか。
逆に著者が危惧するのは「問題解決型の学力やアクティブ・ラーニングが強調されるあまり……子どもたちが本当に意味のある学力を身につけ損なうという事態が起こりうること(pp.iii-iv)」であり、「アクティブ・ラーニングという手法の単なる真似事を皆でこぞってやりだし、かえって学力が低下するというのでは、あまりに馬鹿げている(p.iv)」とも言う。要は、教育界でありがちなブーム(例えば18歳選挙権の実現に伴う「主権者教育」ブームを見よ)に流されないことだろう。
著者の主張にはおおむね賛同するが、2点疑問がある。
1 文中に「真の」「本物の」という表現が多出する。だが、誰が、何をもって、なぜ(例えばある学力を)「真の」学力とするか否かは明らかでない。皮肉な言い方をすれば、著者のイメージから外れるものはすべて「真のものではない」と否定されている感がある。
2 学力のモデルとしてエジソンのそれを掲げること。果たしてエジソンのような突出した人間の学力なり、学力を身につけるための努力なりを、普通の児童生徒の学力なり努力なりのモデルとして提示することは適切なのか疑問がある。
2017年3月18日に日本でレビュー済み
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これまでの教育制度の変遷が概括でき、参考になりました。
アクティブラーニングの意図やイメージなど、あまり知らなかったので
勉強になりました。
アクティブラーニングの意図やイメージなど、あまり知らなかったので
勉強になりました。
2016年11月25日に日本でレビュー済み
「古い学力」も必要であるし、「新しい学力」が万能だというわけでもない、という、真っ当な議論が説得的に展開されてる。
「新しい学力」については中教審や文科省が提唱し、それに呼応する形で教育界は一気にその方向に動いている観があるが、根本のところで今までのいわば「古い学力」は本当に使い物にならないのかという疑問が胸の中にくすぶっている教育関係者は少なくないのではないか。そのような方々には是非本書を読んでいただきたい。少なくとも私にとってはそのような疑問について考えるためのヒントが十分に得られる本であった。
「新しい学力」については中教審や文科省が提唱し、それに呼応する形で教育界は一気にその方向に動いている観があるが、根本のところで今までのいわば「古い学力」は本当に使い物にならないのかという疑問が胸の中にくすぶっている教育関係者は少なくないのではないか。そのような方々には是非本書を読んでいただきたい。少なくとも私にとってはそのような疑問について考えるためのヒントが十分に得られる本であった。
2016年12月13日に日本でレビュー済み
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第1章は、文科省の言い分を説明します。なんだ、文科省の代弁者か、と思いちょっとがっかりしかけます。しかし筆者が本当に言いたいことは第2章に示されます。現場の先生方の大半が考えていると思われることをはっきりと、理路整然と語ってくれます。ここを読んで、「買って良かった」と思わせてくれます。第3章以降は、筆者の知識の広さを示しながら、2章で述べたことの繰り返しとなるので、飛ばし読みで良いと思います。が筆者の大学での指導実例は参考になります。