『離れていても、つながっている』

 

よくこんな悩みをいただきます。

 

「自分自身が出張が多く、メンバーとの対面でのコミュニケーションが

 なかなかとれないのだけど、どうしたらいいのだろう?」

 

「私は、いくつかの部隊を見ているが、拠点が東京と大阪で分かれていて、

 実際、自分がいるのは東京で、大阪の部隊とのコミュニケーションがなかなかとれずに

 困っています。なにかいい方法はありませんかね?」

 

上記のような物理的に対面でコミュニケーションをとりにくい状況の中で

チーム運営をしなくてはならないこと、実際に増えてきているのではないでしょうか。

 

そして、きっと今後も、勤務形態なども、もっと自由度があがってくるご時世でしょうから、

ここの部分は、対策や対応力が問われてくるでしょう。

 

***

 

こんなとき、ある経営者の方を思い出します。

 

ベンチャー企業の経営者の方で、

当時、30人くらいのメンバーを抱えていたときに出逢いました。

 

社長は、仕事を創っていく立場でもあるので、

月のほとんどは出張や外出、そして毎晩接待会食でした。

 

創業メンバーの数人は、その事情などはわかっているものの、

新しく入ったメンバーたちは、その事情は、なかなか理解できません。

 

なので、誤解が生じ始めていました。

 

「社長って、外でなにしてんの?」

「会食とかでいいもん食ってんじゃないの?」

「ゴルフとかも毎週だろ?…いい気なもんだよね」

「いつもたまにかえってきたら、突然、意味不明なアイディアを

 マシンガンのように放言して、指示命令が飛ぶんだよな。たまらないよ。」

 

まさに、

「コミュニケーションが疎になると、妄想、と、暴走が起きる」と

私がこれまでも提言してきましたが、まさにそれ!

 

参考:「妄想、そして、暴走

 

一方、社長の悩みは、

 

「最近、社員の動きが鈍くなってきたんです。

 なにかにつけて、ワケや意味を聞きたがる。

 

 こっちは、いろんな人とあって、その人とアイディアを

 ぶつけ合いながら、丁寧に積み上げてきて、

 うわ、これならやれる!

 やっと、会社に帰ってこれたから、みんなに、

 すげーーの思いついたよ!!っていいたいのに…

 

 なんか社員のテンション低いし、

 なんか僕に対して無言の抵抗していて、

 むかつくんですよね。

 

 数年前の創業メンバーとは、こんなときは、

 高校の学園祭のノリみたいに、いこ!いこ!!いける!!だったのに…

 

 あれからたった数年、たった30人でこれですから。めんどくさい。

 最近、なんか別の会社立ち上げようかな、なんて思ったりしますよ。

 俺なんか、邪魔なんだろ?って。」

 

 

あはは、

社長!あなたも、すでに、暴走モードです(笑)

 

***

 

そのとき、私は、ある事例をご紹介しました。

サイバーエージェントでのユニークなマネジメントの方法

 

ブログマネジメント

 

について。

 

社長や経営陣が、日常の出来事や、自分の思いや哲学を、ブログで発信していて、

それを、社外の一般人もみるし、当然、管轄の部下メンバーたちもそれをみて、

トップや経営陣の日々の思いに接している、、というもの。

 

***

 

このアイディアをお伝えすると、

社長は真っ先に、取り組みを開始しはじめました。

 

まず、社員にスマートフォンをもたせ、

そして、メンバー30人全員にTwitterに登録せせて、

ウェブ上でつながりました。

 

 

Twitterは設定によって、

限定メンバーだけが会話できる「場」を用意することができ、

外部にはそこでの会話が漏れないようにすることができます。

(※Twitterのあと、日本にも普及しはじめたFacebookに真っ先にのりかえ、

  現在では、社内SNSを導入している、とのことです)

 

 

社長は、これまでの社外での活動を、

Twitter(のちにFacebookなど)に、ことあるごとに投稿するようにしました。

 

 「今日は、お客様の●●様と会食しました」

 「得意先の◎◎様からこういう指摘を受けました…」

 「実は、〇〇さんと新商品に関するディスカッションをして、

   特ダネを得ました。〇〇取締役、みなにシェアお願いします」

 

など、メンバーに対して頻繁に発信するようにしました。

 

それによって社員たちの社長に対する態度がガラっと変わったといいます。

 

いままで明かされなかった背景情報が共有され、

社長の思考のプロセスが共有されたことによって、

 

社長のアイディアや指示は

「突然の意味不明なアイディアや指示」ではなく、

「来たるべくしてきたアイディアや指示」になったのです。

 

社長は本当にうれしそうでした。

「社長!〇〇さんの特ダネ、すごいっすね!」と

目をキラキラさせて声をかけてくるメンバーもではじめたのです。

 

当然、メンバーの動きは早い。

意図が分かっているので、行動のブレも少なくなったそうです。

 

離れていても、つながっている。

まさに、そんな一体感を感じます…。

 

もちろん、いまでは社長だけが投稿するのではなく、

それぞれのメンバーの発信にも使われています。

 

「今日は寒いね」

という軽いつぶやきもあり。

 

「重要案件のプレゼン終了。

 次の営業先まで、ちょっと、ひとやすみ」

 

などの投稿に対して、

他のメンバーからは

「お疲れ!」「もうひと頑張り!」の一声。

 

 

あるメンバーが

「今、お客さんから、褒めていただいた」と書き込めば、

何人ものメンバーから、

「いいね!」の承認が返ってくるようになっていました。

 

休日のシェアなど仕事では見られない

「その人らしさ」を感じることで、相手に対して親近感が湧いてきます。

 

その関係性は次第に業務面でも発揮されていきました。

 

「こういうとき、みんなだったらどうしている?」

 

のコメントひとつで、

他のメンバーからアイディアが、集まってくるようになったのです。

 

このお話しは

2008年くらいのお話しだったと思います。

 

きっと、いまならば、

もっと、もっと、最先端でユニークなものもあるのでしょうね。

 

皆さんのところでは、

どうやって乗り越えていますか??

 

離れていても、つながっている。

今日もきっと・・・I・W・D!

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