「負うた子に教えられて浅瀬を渡る」ということわざがある。
物事に習熟した者であっても、時には自分より経験の浅い年下の者に、物事を教わることもある、という意味。
ネットで絵に描いたように、ことわざと同じ記事を見た。
都営バスの中で、幼児が席に座っていた。そこへ老婆が乗ってきて「お年寄りに席を譲ろうと習わなかった?」と幼児に言った。
幼児は「習わなかった」と言った。
見かねたOLが老婆に席を譲った。すると幼児は老婆に「人から親切にされたら、ありがとうを言うって習わなかったの?」と聞いた。
車内はシーンとなったそうだ。
私はこの話を読んで「なんて頭のいい子だろう」と思った。国会議員の先生たちもこの子から物事を学んだほうがいい。
また二年ほど前のネットの記事だが、おなかの大きい妊婦が電車の優先席に座っていたら老婆が乗ってきて、「臨月が近いんでしょ、座っていたらお産が重くなるよ」と言った。妊婦は「立っていると辛いんで……」と言ったら老婆は「そんなんじゃ元気な子が産めないわよ」と一喝、結局自分が座ってしまいました。傍にいた女子大生は妊婦に席を譲り、老婆に「結局自分が座りたかっただけじゃないですか」と言ったら、隣の高齢男性から「お年寄りにその言い方は何だ」と横やり。
するとサラリーマン男性から「この子の言っていることは間違ってない」と言われ車内が緊張したらしい。
普段は「他人とのかかわり」を避ける都会人の心意気を垣間見たようで痛快なエピソードだ。