和歌山と大阪を結ぶ西日本ジェイアールバス(大阪市)運行の高速バスが26日夜、渋滞を迂回(うかい)するため和歌山県内で高速道路を降りたところ、道を間違えて狭い山道に入り込み、立ち往生していたことがわかった。乗客38人は同社が手配したタクシーなどで運んだ。けが人はなかった。

 同社によると、同県白浜町を午後6時過ぎに出て、午後10時ごろ大阪駅JR高速バスターミナル到着予定の高速バス。阪和自動車道を走行中の26日午後7時50分ごろ、バスの50代の運転手から「渋滞しているので、迂回指示を」と同社の営業所に連絡があった。

 指示を受け、バスは御坊南インターチェンジ(IC)を降りて迂回路の県道に入ったが、運転手は途中で道を間違え山道へ。道幅は車が1台やっと通れるほどしかなく、道路脇は崖。同社によると、バスは車体をガードレールや岩などにこすり、ミラーを破損しながら走行を続けたという。

 結局、誤った道を約1キロ走行し、同県日高川町内で動けなくなった。

 ログイン前の続き乗客は立ち往生の現場付近で約1時間待機。同社がタクシー、別のバスを手配するなどして自宅などへ送り届けた。運転手は今回の迂回路を走った経験が無く、バスにはカーナビも設置されていなかったという。

 大阪府内の自宅へ戻るために乗っていたという女性が帰宅できたのは27日午前1時ごろ。「ミラーをぶつけても走り続けて怖かった。バスを止めるように乗客から声が上がった。崖から落ちないか不安だった」と当時の状況を話した。(下地達也)