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超個人的nhk大河ドラマレビュー

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大河レビュー歴(一応)4年、史実とドラマが入り組んだ複雑な物語を解説します。日本を代表するコンテンツ、大河ドラマを一緒に楽しみましょう♫(西郷どんレビューからタイトルを変更しまし… もっと読む
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西郷どん個人的総評③大河TLの不協和

西郷どん個人的総評③大河TLの不協和

まだまだ書くよ、西郷どん個人的総評。
今回は西郷どんの最大の問題であった「理解されない」問題について。

何故ここまで西郷どんが、(私の周辺ですけど)特にTwitter民に理解されないドラマであったのか。

一言で言うと歴クラと呼ばれる大河の支持層とされている人々と、趣味・嗜好・認知、全てが合わなかったからじゃないかと思います。

Pの櫻井さんが歴史に詳しくないことはご自分で言ってましたが(謙遜も

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西郷どん個人的総評②脚本と演出と物語の構造

西郷どん個人的総評②脚本と演出と物語の構造

まだまだ書き足りないので書いていくよ! 今回はドラマのフレームについて書いていきます。

西郷どんの物語の構造は非常にシンプル。斉彬の「侍が刀を腰に差して踏ん反り返っている時代は終わるんだ」という言葉を西郷(と大久保)が実現したという円環のドラマになります。

初回の最後の場面は、西郷終焉の地である城山。

糸さんの「うちの旦那さぁはこげな人じゃなか」→ではどういう人であったのか、という謎かけは、

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今だから語れる西郷どん④もう一つの人々の望みの器・一橋慶喜、怒涛の合法的ステップアップ!篤姫

今だから語れる西郷どん④もう一つの人々の望みの器・一橋慶喜、怒涛の合法的ステップアップ!篤姫

だいぶ間が空いてしまいましてすみません。今年も変わらず西郷どんが大好きなので、このレビューはできる限り続けていきます。相当駆け足になりそうですけどお付き合いいただけたら幸いです🤗

今回は、6-10回の後半、篤姫とヒー様について語ります。語らせていただきます。この二人も非常に面白くてですね、ヒー様はその血統の良さで人々に望みを託され、一方の篤姫は血筋ではなく気っ風の良さから人々の望みを引き受ける

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西郷吉之助@西郷どんの魅力 共感力について

西郷吉之助@西郷どんの魅力 共感力について

「主人公の魅力が全然わからなかった」と言う声が意外と多かったので、「共感力」と言うスキルについて噛み砕いて解説してみますね。これから評価されるヒューマンスキルですし、多くの人がこれを持っていると思いますので、参考になれば幸いです。

多様化時代に重視されるヒューマンスキル共感力を分解すると以下のようになります。

①想像力

相手の立場に立って物事を考えることができる。
相手の真の望みを想像できる

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今だから語れる西郷どん①

今だから語れる西郷どん①

これまで、西郷どんについては、共感性がとか、歴史が好きじゃない人向けとか、色々語りましたが、だいぶ間違ってたなあ。

40回をすぎて、やっと西郷どんについてわかってきたというか、解釈がまとまってきました。

西郷どんが焦点を宛てているのは、①感情 ②お金 ③軍事力(腕力) の3つ。

これらがいったい何かと言うと、人に決断をさせ、物事に決着をつけるもの、人間や社会を動かし得る「パワー」ですね。

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今だから語れる西郷どん③6-10回をまとめてレビュー⑴ 「愛について」

今だから語れる西郷どん③6-10回をまとめてレビュー⑴ 「愛について」

今更ながら当シリーズ1-5回をお読みいただき、誠にありがとうございます。はやく現在に追いつかねば。頑張って書こう。

さて、6-10回は社交界…じゃなくて薩摩藩庁…でもなく、薩摩藩という社会に大きくデビューした吉之助が、初手柄を立てて大久保家の窮状を救い、両親の死や結婚を経て、社会的に1人前になり、さらに江戸デビューをも飾ります。

それにしてとロシアンルーレットと相撲は今見ても最高に面白いですね

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別れと決別によって愛が成就する。

別れと決別によって愛が成就する。

これまでも何度かあちこちに書いていますけれど、私は1年で1回、50回約1年という長い時間と歴史という豪奢な舞台にのみ降りてくる、なにがしかの「神」を、1年に1回だけ見届けられればそれでいいと思って大河ドラマを見ています。

こういってはなんですが、私の評価ハードルは大変低いです。はい。

そんなハードルの低さにもかかわらず、一昨年・昨年と大変素晴らしいドラマを見せていただいき、心からありがとうnh

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今だから語れる西郷どん②1-5回をまとめてレビュー「つまり吉之助は運命の人と出会う」

今だから語れる西郷どん②1-5回をまとめてレビュー「つまり吉之助は運命の人と出会う」

ざっくり第一回から、お金、軍事力、感情をキーにして西郷どんを見直してみます。

全部をガッツリ見直す時間はないけので、勢い重視で。
公式HP、それからまとどん、あとは自分がこれまで書き散らかした文章などを見返してストーリーを思い出し、気になるところだけピンで見直します。

今回は、

第一回 薩摩のやっせんぼ
第二回 立派なお侍
第三回 子供は国の宝
第四回 新しき藩主
第五回 相撲じゃ!相撲じゃ

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第四回「新しき藩主」薩摩における藩主とは。

すでに四回で周回遅れで申し訳ない…リアル本業の繁忙が続いています(だいたい3月半ばまで年度末繁忙です)。でも地道に続けていきます。

第四回はお由羅騒動の後半。
みんなの理想の兄貴・赤山弓削の切腹で涙を絞り、薩摩の国主を決めるロシアンルーレットという狂気の展開が最高でした。

批判もあるかもしれないけど、私はこういう超展開の剛腕がドラマとしてとても好きです。翻案に翻案を重ね、色々と振り切って、自分

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第三回「子どもは国の宝」 超高齢化社会に刺さるサブタイ。

2回目の終わりから約2年後、吉之助二十歳前後のエピソードです。

前半は西郷家の借金、後半はお由羅騒動と経済問題なので、サブタイトルがちょっと浮いてますね(これも西郷どんの残念なところの一つ)。後ですね、大河名物「釣り予告」がまだまだなんで、頑張って欲しい。

ではではレビューしてみましょう!半次郎少年は薩摩の宝…じゃなくて「子どもは国の宝」。少子高齢化社会に刺さりすぎる。

土下座で百両第二回で

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第二回「立派なお侍」 軍事大国・薩摩。

弘化3年。主人公18才。今回から本役になりますが、驚いたのが主演の鈴木さんの若さでした。実年齢34才だけど、ちゃんと初々しいんですよ、これが。

真田丸での序盤、16才の源次郎少年が演技で少年に見えていたのとまたちょっと違う初々しさ。九州の強めの自然光での撮影が多いせいかなあ、眩しかったです。とにかく直虎からロケが増えた!のは素晴らしいことだ。うん。

さて2回目は大河では定番、主人公の若気の至り

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第一回「薩摩のやっせんぼ」 運命の人が主君だった祭り!

はじめに大河ドラマって非常に重層的・複合的なコンテンツでして、歴史の中でも外交史や政治史、風俗史、地理、さらに文化人類学的な知識、過去大河へのオマージュと現代日本の問題などが盛り込まれています。

つまり楽しむのにちょっと訓練が必要だったりする。

もちろん、自分が見えるストーリーや好きな役者さんを追いかける見方でもいいんですが、楽しみ方を知ってしまうとどんどん深掘りできて一層楽しいコンテンツにな

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