◎ ガスのパイプが繋がっているところであればごこでも、「水素発生装置」が設置できます! しかも、今までの一基2億を1億円へできるとのこと。難しい水素の運搬をせずにすみますね〜
つまり、どこでも設置できるということになりますね〜 さらに小型化の開発が進めば、今のガソリンスタンドの設置費用(5000万から1億)と並びますね〜 車の継続距離で競争していることが、全く気にせずにすみますね〜
大いに希望が出てきますね〜 日本だけでなく、世界中のガスサービスのあるところで設置可能でしょうね〜 大いに期待です!
解剖 先端研究所 大阪ガス、水素製造装置を半額に 都市ガスから効率量産 :日本経済新聞 http://www.nikkei.com/article/DGKKZO08520220Y6A011C1LDC000/
淀川の河口に近い大阪ガスの酉島(とりしま)事業所(大阪市)。「究極のエコカー」とされる燃料電池車(FCV)向け水素燃料の製造装置の開発で世界に知られる研究拠点だ。開発陣を率いるエンジニアリング部プロセス技術チームの池田耕一郎課長は「都市ガスから水素を効率的に取り出す触媒などの技術で先行してきた。今後は製造装置の価格を半分程度に下げインフラ整備を後押ししたい」と意気込む。
燃料電池車に的
世界の自動車大手がFCVの開発に本格的に取り組み始めた1990年代から、大ガスの水素分野の研究は注目されていた。セ氏700度という高温下で都市ガスと水蒸気を混合、独自の触媒を使い水素を抽出する技術があったからだ。
水素を液体燃料で輸送するにはセ氏マイナス253度という極低温にする必要がありコストが膨らむ。都市ガスから水素を作れる装置があれば、張り巡らされたガス管網という既存インフラを活用、多くの場所に水素ステーションを低コストで建設できるようになる。
大ガスの酉島事業所では現在、水素製造装置「ハイサーブ」の次世代機の開発が進む。現行機種「ハイサーブ300」の水素生産量は従来比3倍となる1時間当たり300立方メートルで、通常のFCVで6台分を満タンにできる。水素の回収率が85%(従来は74%)と世界で先行する水準だ。
初号機の実用化から15年。池田課長は「これまでの道は困難だったが、中途半端な製品は出せない」と現場を鼓舞し開発を進めてきた。
装置価格も従来の半分の約2億円に下げた。実用化レベルに達しており、一部の水素ステーションでは使われている。
ただ、池田課長や同僚の外山雄二氏ら開発チームは満足していない。現在の目標は製造装置の価格をさらに半分の1億円程度に下げることだ。それができれば、水素燃料の価格をガソリン価格並みに下げる可能性が見えてくる。池田課長は「国内で整備される水素ステーションで5割以上のシェアを狙う」と語る。
中小企業と連携
酉島では装置価格を下げる地道な「カイゼン活動」が続く。関西の中小企業など外部の技術も総結集し一つ一つの部品レベルから見直している。
ハイサーブ300でも大阪市の中小企業と連携、中核の熱交換器の設計を大幅に見直し装置の小型・低コスト化につながった。熱交換器は装置内で発生する高温の排ガスから熱を回収して再利用する。新型熱交換器の搭載などで都市ガスから水素を取り出す効率は約1割も向上した。今後も外部の知恵を活用し改良すれば、2020年代前半に向け装置を1億円に下げるメドが見えてくる。
大ガスは70年代、現在主流の液化天然ガス(LNG)が普及するまで石炭や石油から都市ガスを製造していた。石炭などからのガスを家庭で使えるよう精製する触媒などの開発に注力した。その後も長く研究を続けた結果、酉島の技術は「水素」が主役とされる21世紀のエネルギー革命で主役の一つになる可能性が出ている。
大ガスの本荘武宏社長は「(我々の技術で)水素社会の実現に貢献したい」と強調する。世界の巨大企業が水素分野で激烈な開発競争を繰り広げる。大ガスが酉島で開発する次世代機をどこまで進化させられるか。それができれば、水素タンクなど幅広い技術で強みを持つ企業が集まる関西の産業界の競争力向上にもつながりそうだ。
(山本夏樹)
燃料電池車の命綱 水素ステーション悩ます採算性 :日本経済新聞 http://www.nikkei.com/article/DGXMZO98260180Q6A310C1000000/
移動式の水素ステーション(横浜市)
次世代エネルギーと位置付けられる水素のインフラ整備が着々と進んでいる。トヨタ自動車に続いてホンダも3月10日に燃料電池車(FCV)を発売したのを受け、石油元売り大手やガス会社などがFCVに水素を充填するステーションの設置を加速させている。関連23社が参加する業界団体も4月に一般社団法人となる見通しだ。2016年は水素の実証実験をする時期から普及期へと脱皮する年にできるか。
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■供給方式の違いで3種類
3月末までに全国に81カ所――。水素ステーションはすでに27カ所を開所したJXエネルギーや岩谷産業などのエネルギー企業が大都市圏を中心に設置を進めている。16年に入ってからも開業が続いている。
数が増えるにつれて、様々なタイプの水素ステーションが登場している。まずは現地で水素を製造する「オンサイト」とほかの場所から運ぶ「オフサイト」、「移動式」という3種類の供給方式がある。
オンサイト方式は敷地内に圧縮機や蓄圧機などのほか、水素製造装置を設置している。天然ガスなどの燃料からその場で水素を製造しFCVに充填する仕組みだ。JXエネルギーや東京ガス、大阪ガスなどがオンサイト方式のステーションをすでに展開している。
オフサイト方式はあらかじめ大規模設備で製造した水素をステーションまで運搬し、FCVに充填する。運搬の手間はかかるが、水素製造設備は要らないため立ち上げ期間はオンサイトに比べて短く済む。
移動式は大型トラックの荷台部に水素充填装置を積んでいる。トラックを1カ所にとどめず複数箇所を訪れることができるため効率的で、設置費用も安価という。特に水素インフラの普及段階では効率的な手段とされる。現在は導入段階であることが影響して、「全国の水素ステーションのうちオフサイトと移動式が8割程度を占める」(水素供給・利用技術研究組合)状況となっている。
■15年度内に100カ所の目標には届かず
FCVは徐々に普及し始めている。トヨタが14年に発売したFCV「ミライ」は、国内では現在約500台が走っているという。ホンダもFCV「クラリティフューエルセル」を発売しており、充填する拠点が増えることが求められている。
もっとも、水素ステーションは当初見通しよりも開設が遅れているのが現状だ。政府が掲げていた15年度中に100カ所の目標には届かない。
3月に東京都内で開かれた展示会でも、水素インフラ関連のブーズには人だかりができていた
水素ステーションではガソリン車やディーゼル車に燃料を補給するのと同様、3~5分程度かけて車に水素を充填する。これまでと方法や時間に大きな差がない上、コンビニエンスストア併設のステーションができるなど、消費者の使い勝手の面では普及の障害となる要素はない。
ただ、水素ステーションは一般に建設費用として4億~5億円程度かかるとされる。国により半額程度の補助金が出るとはいえ、年間の維持費は5000万円ほどかかるといわれており採算性が見込めなければ一気に投資に踏み出せない事情がある。
■ステーション周辺にFCV700台が採算ラインか
水素ステーションの周辺に700台ほどのFCV利用者がいると採算性が保てるとの見方もある。水素インフラの定着にはステーションとFCVが一帯で普及する必要があることが改めて浮き彫りになっている。
23社が参加する業界団体である水素供給・利用技術研究組合は4月に一般社団法人化する。これまでは水素インフラの構築に向けた実証や研究開発が中心だったが、導入期から普及期へと変わったと判断。水素ステーションの安定的な運営などを促進するという。
20年の東京五輪で「水素社会」をアピールするためには、普及期と位置付けられる16年に水素ステーションでの採算性の確保や運営の効率化を推し進める取り組みが求められる。
(企業報道部 志賀優一)
(参照)
4. 水素技術の開発/事業を通じた社会への貢献/大阪ガスグループのCSR/大阪ガスについて/大阪ガス
Q:大阪ガスグループが進めている「水素技術の開発」とはどのようなことですか?
2009年に家庭用燃料電池が市場導入され、2015年に燃料電池自動車が市場投入されるなど、水素を利用した製品が増え、水素を効率的に製造する技術開発が盛んに行われています。これは水素の利活用が拡大した水素社会において、大幅な低炭素化や省エネルギー、エネルギーセキュリティ向上が実現する可能性があるからです。
大阪ガスグループでは、約20年前から燃料電池や天然ガスから水素を製造する触媒の開発に取り組み、現在は水素社会の実現に向けて天然ガスから水素を製造する小型の水素製造装置「HYSERVE」の開発、水素ステーションの建設、集合住宅用燃料電池の開発などに取り組んでいます。
水素製造装置の開発と水素ステーションの整備
大阪ガスは、近年、究極のエコカーとして普及が期待される燃料電池自動車に、燃料ガスを供給する商用水素ステーション向けオンサイト水素製造装置のニーズが高まっていることを受け、水素製造能力300m³N/h のコンパクトタイプ水素製造装置「HYSERVE-300」を開発しました。
また、LPG仕様モデルの「HYSERVE-300P」も開発し、2015年1月から販売を開始ました。「HYSERVEシリーズ」は、オンサイト水素製造装置として、都市ガス・LPG仕様ともに、小型から大型まで様々なお客さまの需要にお応えできるラインナップが揃いました。
こうした水素製造装置の開発とともに、水素ステーションの普及に向け2001年度から水素ステーションの実証研究を続けています。2015年4月には大阪府茨木市に「HYSERVE-300」を設置した北大阪水素ステーションを、2016年3月には京都市内に移動式の上鳥羽水素ステーションをそれぞれ開所し、都市ガスを原料に製造した水素を燃料電池自動車に供給しています。
これからも水素供給インフラの整備や水素製造装置の開発・販売を通じて、低炭素社会の実現に貢献していきます。
「HYSERVEシリーズ」について詳しくはこちらをご覧ください