サハリン残留日本人…このワードはニュース等で耳にした事はあるが、これまで何となくスルーしていた。悲惨な戦争はあちこちにその爪跡を残しているが、前作『サハリン残留』では先ず数々の写真に引き込まれ、私なりの興味を持った。本作は著者が文・写真の両方を手がけており、長い年月の取材に裏打ちされたまさに力作である。とは言え、重い歴史を引きずることなく、軽妙な会話のやり取りと温かみを感じる多くの写真から、著者がいかに現地の人々に溶け込み信頼を得ていたかを容易に窺い知ることができる。ちなみに本作では全てカラー写真となり、草木の緑にホッとしたり、その場の空気の匂いまで伝わって来るようであった。
戦後、敗戦国である日本人女性の多くが現地に残り韓国人やロシア人との結婚を余儀なくされ、なかなか帰国出来なかった等の史実も知り得ることができた。当時の各国の思惑に翻弄された彼女たちの人生…戦争は二度と起こしてはならぬ感も一層強くなった。読後、遠く離れた厳寒の地で生きて来た人達に、同じ日本人として少しではあるが心寄り添えたような気がした。

無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
サハリンを忘れない 日本人残留者たちの見果てぬ故郷、永い記憶 単行本 – 2018/2/23
後藤悠樹
(著, 写真)
新聞各紙で話題!
毎日新聞(2018.3.21)、読売新聞(2018.3.17)、北海道新聞(2018.3.13)、中日新聞(2018.4.16)、朝日新聞北海道版(2018.4.28)、日本経済新聞(2018.6.12)にて著者・後藤悠樹さんインタビューが掲載されました!
後藤悠樹さんがサハリン州立美術館で写真展を開催! その様子がNHK全国ニュース(2018年10月)&BSNHK 国際報道2018(2018年11月)にて放送されました。
憲法メディアフォーラムで『サハリンを忘れない 』が紹介されました! 紹介者は谷岡理香さん(東海大学教授)です。
戦後70年あまり、ロシア・サハリン(樺太)では、多くの日本人が現在も暮らし続けている。
過酷な境遇を生き抜きいた彼らの顔、表情、そして、日々の営み──
ひとりの若手写真家が、現地で10年以上取材を続けて撮影し書き上げた、渾身のドキュメント。
※本書は、2018年2月にDU BOOKSより定価(本体2500円+税)にて刊行されました。
なぜ多くの日本人が、戦後も祖国に帰れなかったのか?
今もサハリンに生きる何人もの日本人・日系人のもとに著者が何度も足しげく通い、
家族のように一緒に泣いたり笑ったり、実の孫のようにかわいがられながら関係を深め、
話を丹念に聞きカメラに収めた、彼女たちの波乱に満ちた苦しい過去、そして穏やかで平和な今の暮らし。
「もうあと10年もすれば、私たちはまたひとつの世代を見送ることになるだろう。
その時にはこの写真の持つ意味もはっきりと理解できるのかもしれない」
──著者あとがきより
解説:玄 武岩(北海道大学大学院メディア・コミュニケーション研究院 准教授)
ロシア語版解説 パイチャゼ スヴェトラナ(北海道大学大学院メディア・コミュニケーション研究院 助教)
毎日新聞(2018.3.21)、読売新聞(2018.3.17)、北海道新聞(2018.3.13)、中日新聞(2018.4.16)、朝日新聞北海道版(2018.4.28)、日本経済新聞(2018.6.12)にて著者・後藤悠樹さんインタビューが掲載されました!
後藤悠樹さんがサハリン州立美術館で写真展を開催! その様子がNHK全国ニュース(2018年10月)&BSNHK 国際報道2018(2018年11月)にて放送されました。
憲法メディアフォーラムで『サハリンを忘れない 』が紹介されました! 紹介者は谷岡理香さん(東海大学教授)です。
戦後70年あまり、ロシア・サハリン(樺太)では、多くの日本人が現在も暮らし続けている。
過酷な境遇を生き抜きいた彼らの顔、表情、そして、日々の営み──
ひとりの若手写真家が、現地で10年以上取材を続けて撮影し書き上げた、渾身のドキュメント。
※本書は、2018年2月にDU BOOKSより定価(本体2500円+税)にて刊行されました。
なぜ多くの日本人が、戦後も祖国に帰れなかったのか?
今もサハリンに生きる何人もの日本人・日系人のもとに著者が何度も足しげく通い、
家族のように一緒に泣いたり笑ったり、実の孫のようにかわいがられながら関係を深め、
話を丹念に聞きカメラに収めた、彼女たちの波乱に満ちた苦しい過去、そして穏やかで平和な今の暮らし。
「もうあと10年もすれば、私たちはまたひとつの世代を見送ることになるだろう。
その時にはこの写真の持つ意味もはっきりと理解できるのかもしれない」
──著者あとがきより
解説:玄 武岩(北海道大学大学院メディア・コミュニケーション研究院 准教授)
ロシア語版解説 パイチャゼ スヴェトラナ(北海道大学大学院メディア・コミュニケーション研究院 助教)
- 本の長さ288ページ
- 言語日本語
- 出版社DU BOOKS
- 発売日2018/2/23
- 寸法14.9 x 1.7 x 21.1 cm
- ISBN-10486647047X
- ISBN-13978-4866470474
この商品を買った人はこんな商品も買っています
ページ 1 以下のうち 1 最初から観るページ 1 以下のうち 1
商品の説明
著者について
後藤悠樹(ごとうはるき)
1985年生まれ。日本写真芸術専門学校卒業。NPO法人日本サハリン協会会員。
広告写真家のアシスタント、アパレルカメラマンを経て、現在写真館勤務。
2006年よりライフワークとしてサハリン(樺太)の撮影を始め、定期的に長期滞在を繰り返す。
サハリンでは、1945年以前生まれの邦人家庭を中心に取材を続け、被写体に寄り添うようなスタイルで作品の発表をする。
2014年には北海道大学の研究者との共同プロジェクトを発足し、2016年には、その成果物として「サハリン残留 日韓ロ100年にわたる家族の物語」(高文研)を刊行(写真を担当)。
近年の写真展には「春が来るまえに」(新さっぽろギャラリー、2014年)、「降りしきる雪、その一片が人を満たすまで あれから三年 ─ MOMEHT ─」(Juna21ニコンサロン、2013-2014年)などがある。
2016年よりユーラシア大陸最東端、チュコト半島での撮影プロジェクトを開始。
1985年生まれ。日本写真芸術専門学校卒業。NPO法人日本サハリン協会会員。
広告写真家のアシスタント、アパレルカメラマンを経て、現在写真館勤務。
2006年よりライフワークとしてサハリン(樺太)の撮影を始め、定期的に長期滞在を繰り返す。
サハリンでは、1945年以前生まれの邦人家庭を中心に取材を続け、被写体に寄り添うようなスタイルで作品の発表をする。
2014年には北海道大学の研究者との共同プロジェクトを発足し、2016年には、その成果物として「サハリン残留 日韓ロ100年にわたる家族の物語」(高文研)を刊行(写真を担当)。
近年の写真展には「春が来るまえに」(新さっぽろギャラリー、2014年)、「降りしきる雪、その一片が人を満たすまで あれから三年 ─ MOMEHT ─」(Juna21ニコンサロン、2013-2014年)などがある。
2016年よりユーラシア大陸最東端、チュコト半島での撮影プロジェクトを開始。
登録情報
- 出版社 : DU BOOKS (2018/2/23)
- 発売日 : 2018/2/23
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 288ページ
- ISBN-10 : 486647047X
- ISBN-13 : 978-4866470474
- 寸法 : 14.9 x 1.7 x 21.1 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 279,912位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 45,215位ノンフィクション (本)
- カスタマーレビュー:
カスタマーレビュー
星5つ中5つ
5つのうち5つ
7グローバルレーティング
評価はどのように計算されますか?
全体的な星の評価と星ごとの割合の内訳を計算するために、単純な平均は使用されません。その代わり、レビューの日時がどれだけ新しいかや、レビューアーがAmazonで商品を購入したかどうかなどが考慮されます。また、レビューを分析して信頼性が検証されます。
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2018年3月14日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2018年3月24日に日本でレビュー済み
戦後70年以上経っているのに,いまだに戦争にひきづられている人々がいるのだ!
我々は日本で ノホホンと暮らせているが 戦争は絶対にやってはいけない!
今吉永小百合さん主演で「北の桜守」は評判です。
戦後 ロシアに占領されたサハリン(樺太)から命からがら引き揚げてきた主人公の物語です。
しかし現実として! 日本に帰りたくとも帰れない残留日本人の悲惨な生活があったのです。
奇しくも若い写真家が 「サハリンを忘れない」ノンフィクションの本を出版したということは
偶然ではない何かを感じますね~
映画で感動された方にもぜひお薦めしたい一冊です。
本を開くと まあ驚き!
何んと優しい ほっとする画面が一杯!
普段の日常的な会話も随所に入り 軽やかです。
後藤悠樹さんの温かいお人柄が 全面通して 溢れているのですよ!
新聞各社にも大きく掲載されいますし 個展もやっていますね。
やんわり優しい響きで 「戦争はダメだよ」と訴えかけてきます。
お若いのに10年以上サハリンに通って取材しているのも驚いてしまいますね。
お若い方から年配の方まで 感動する1冊として是非 手に取ってほしいと
しみじみ思いました。
我々は日本で ノホホンと暮らせているが 戦争は絶対にやってはいけない!
今吉永小百合さん主演で「北の桜守」は評判です。
戦後 ロシアに占領されたサハリン(樺太)から命からがら引き揚げてきた主人公の物語です。
しかし現実として! 日本に帰りたくとも帰れない残留日本人の悲惨な生活があったのです。
奇しくも若い写真家が 「サハリンを忘れない」ノンフィクションの本を出版したということは
偶然ではない何かを感じますね~
映画で感動された方にもぜひお薦めしたい一冊です。
本を開くと まあ驚き!
何んと優しい ほっとする画面が一杯!
普段の日常的な会話も随所に入り 軽やかです。
後藤悠樹さんの温かいお人柄が 全面通して 溢れているのですよ!
新聞各社にも大きく掲載されいますし 個展もやっていますね。
やんわり優しい響きで 「戦争はダメだよ」と訴えかけてきます。
お若いのに10年以上サハリンに通って取材しているのも驚いてしまいますね。
お若い方から年配の方まで 感動する1冊として是非 手に取ってほしいと
しみじみ思いました。
2018年11月24日に日本でレビュー済み
かつて樺太と呼ばれたサハリン、は1905年から45年まで日本の領土であった。
第二次大戦の終戦後、残留した日本人は千数百名おり、彼らは旧ソ連の共産主義社会の中で、また2万3千人いたという残留韓国人社会の中で生き抜き、存命の方もわずかながらいる。
本書は、そんな方々を訪ね、これまでの人生について聞き取りつつ、派生しての様々なやり取りを記した本。
著者は写真家なのだが、記述力にも優れており、何より上記のように壮絶(にして、他にあまり類を見ない)主題なので、グイグイ引き込まれて読んでしまった。
一つ一つの話は、語り手(の残留日本人)のカラッとした語り口や、また著者の力量もありストレートに読み手に届くのだが、想像を絶する貧困や、国に帰れず厳しい環境で生き抜いた話は胸を打つ。
読んでいると物語と錯覚し、ふと「ああ、これは実話なんだ」と気づくということの繰り返しだった。
個人的には、日本からやってきた著者を淡々ともてなす「吉本さん」の章と、盲目の「よし子さん」の章が特に心に残った。
第二次大戦の終戦後、残留した日本人は千数百名おり、彼らは旧ソ連の共産主義社会の中で、また2万3千人いたという残留韓国人社会の中で生き抜き、存命の方もわずかながらいる。
本書は、そんな方々を訪ね、これまでの人生について聞き取りつつ、派生しての様々なやり取りを記した本。
著者は写真家なのだが、記述力にも優れており、何より上記のように壮絶(にして、他にあまり類を見ない)主題なので、グイグイ引き込まれて読んでしまった。
一つ一つの話は、語り手(の残留日本人)のカラッとした語り口や、また著者の力量もありストレートに読み手に届くのだが、想像を絶する貧困や、国に帰れず厳しい環境で生き抜いた話は胸を打つ。
読んでいると物語と錯覚し、ふと「ああ、これは実話なんだ」と気づくということの繰り返しだった。
個人的には、日本からやってきた著者を淡々ともてなす「吉本さん」の章と、盲目の「よし子さん」の章が特に心に残った。