冷戦後の軍事戦略理論の全貌を、簡潔かつコンパクトに概観できる手引書で、
戦略研究や戦争研究の世界的権威が大絶賛しています。
ワイリーの「戦略論の原点」と同じ系譜の内容だが、
「戦略論の原点」が実践を前提とするメモ、備忘録に近いのに対し、
読み物としてはこちらの方が内容豊富で面白い。
著者のスローンさんは元カナダ陸軍士官。現在カナダの大学で教授を
務めており、軍事・安全保障を教えています。
訳者によれば戦略研究の世界では世界的に有名な人だそうですが、
著書や論文が邦訳されるのは今回が初めてということです。
本著最大の特徴は、陸海空、軍事テクノロジーの進化と統合、ゲリラ、
サイバー、核、宇宙、テロという軍事戦略の全分野を取り上げ、
その歴史と現状を簡潔に整理して提示している点にあります。
なかでもオススメは「統合理論」です。
RMAの進化とともに、軍種を横断した統合作戦が主流になっていますが、
本著は、一般人でもわかる形で統合戦理論の背景を解説しており、非常に
興味深いです。
冒頭3章は陸海空軍理論です。
基礎中の基礎ですから、誰もが把握しておかねばならぬところで、
再チェックし、熟読玩味する必要があります。
とはいえやはり多くの読者の目を引くのは
それ以降の「RMAと統合」「ゲリラ戦」「サイバー戦」「核戦力」
「スペースパワー」という、現在の軍事を考え語る上で目に付くところでしょう。
これらの冷戦崩壊以後の歴史を簡潔かつコンパクトに概観できる点で、
他に類書はありません。
ただ、入門書とはいえ、ど素人が読みこなせる内容ではありません。
元将校さんや戦略・戦争・国際事情研究者、大学の専門課程の学生さん、
代議士、メディア関係者、戦略・軍事史オタクの方におススメできる
内容です。
国際事情の現状・将来分析の必要に迫られている人や
そういったことが好きな人には超おススメの軍事戦略手引き書といえます。

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現代の軍事戦略入門: 陸海空からサイバー、核、宇宙まで 単行本 – 2015/3/16
●マハン、コルベット、ジョミニ、リデルハート、ローレンス、毛沢東、ドゥーエ、ミッチェルなどの「古典」的人物から、トフラー夫妻、オーエンス、シャリカシュヴィリ、セブロウスキー、クレピネヴィッチ、スケールズ、クレフェルト、リンド、ランベス、ハメスなどの現代の専門家まで幅広く取り上げ、コンパクトに紹介
●テクノロジーの進化により軍種を横断した理論が求められている現状をふまえ、
独立した章を設けて「統合理論」を解説
戦略・戦争研究の大御所がこぞって絶賛した話題の書の待望の日本語版
★ベンジャミン・ランベス(戦略予算評価センター)
入門書として本書以上に役立つものを知らないし、これほどバランスのとれた徹底した概論本はない。
★ジェフリー・ティル(ロンドン大学キングス・カレッジ)
読者にインスピレーションを与え、大きな助けになることは確実。
★コリン・グレイ(レディング大学)
歴史に敬意を払いながら今日の現実にも根を張り、しかも将来についても説得力をもった優れた研究。
★アンドリュー・クレピネヴィッチ(戦略予算評価センター)
「今日の軍事戦略思想家で優れた人物は誰であり、彼らの主張はどのようなものか」という最も重要な問題に取り組んだ結果、プロの政策家や軍事アドバイザーたちの必携書となった。
●テクノロジーの進化により軍種を横断した理論が求められている現状をふまえ、
独立した章を設けて「統合理論」を解説
戦略・戦争研究の大御所がこぞって絶賛した話題の書の待望の日本語版
★ベンジャミン・ランベス(戦略予算評価センター)
入門書として本書以上に役立つものを知らないし、これほどバランスのとれた徹底した概論本はない。
★ジェフリー・ティル(ロンドン大学キングス・カレッジ)
読者にインスピレーションを与え、大きな助けになることは確実。
★コリン・グレイ(レディング大学)
歴史に敬意を払いながら今日の現実にも根を張り、しかも将来についても説得力をもった優れた研究。
★アンドリュー・クレピネヴィッチ(戦略予算評価センター)
「今日の軍事戦略思想家で優れた人物は誰であり、彼らの主張はどのようなものか」という最も重要な問題に取り組んだ結果、プロの政策家や軍事アドバイザーたちの必携書となった。
- 本の長さ371ページ
- 言語日本語
- 出版社芙蓉書房出版
- 発売日2015/3/16
- ISBN-104829506458
- ISBN-13978-4829506455
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商品の説明
著者について
エリノア・スローン
1965年生まれ。カナダの首都オタワのカールトン大学国際関係学科教授。専門はカナダとアメリカの安全保障・国防政策。カナダの王立士官学校を卒業し、同国軍の士官を務める。カールトン大学の国際政治学院で修士号(MA)を取得した後にアメリカのマサチューセッツ州にあるタフツ大学のフレッチャー法律外交大学院で博士号(PhD)を取得。オタワにあるカナダ軍司令部で分析官として働いた後に現職。本書の他にも軍事戦略に関する本をすでに3冊出版している。
1965年生まれ。カナダの首都オタワのカールトン大学国際関係学科教授。専門はカナダとアメリカの安全保障・国防政策。カナダの王立士官学校を卒業し、同国軍の士官を務める。カールトン大学の国際政治学院で修士号(MA)を取得した後にアメリカのマサチューセッツ州にあるタフツ大学のフレッチャー法律外交大学院で博士号(PhD)を取得。オタワにあるカナダ軍司令部で分析官として働いた後に現職。本書の他にも軍事戦略に関する本をすでに3冊出版している。
登録情報
- 出版社 : 芙蓉書房出版 (2015/3/16)
- 発売日 : 2015/3/16
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 371ページ
- ISBN-10 : 4829506458
- ISBN-13 : 978-4829506455
- Amazon 売れ筋ランキング: - 827,555位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2015年4月30日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
本書の位置づけとしては『戦略論の原点』からの続きとして読む本、
『戦略原論』でカバーしきれていない現代戦略の内容を補強する為の本になる。
もちろん初めて戦略について学びたい方でも十分に理解できる優れた入門書です。
サイバー戦や宇宙戦、統合戦、ゲリラ(及びCOIN戦)に特化した内容。核戦略は
現代の(抑止戦略)のみなのでボーデンやウォルステッターは取り扱っていない。
文体は読みやすく、余計な蛇足等を加えずに重要なポイントをパッと
提示しているので とても分かり易い。現代の軍事戦略だけあって他の追随を
許さない米軍の軍事戦略がメインになりますが、反乱/対反乱作戦などの内容も
充実しており、昨今の米軍やテロリズムに関する時事を理解するには最適な一冊。
本書を読み終えた後は、防衛白書や防衛研究所の論文、英語ができるなら
SIPRIやCSBAなど海外研究機関の論文を読むと一段と理解が深まると思います。
『戦略原論』でカバーしきれていない現代戦略の内容を補強する為の本になる。
もちろん初めて戦略について学びたい方でも十分に理解できる優れた入門書です。
サイバー戦や宇宙戦、統合戦、ゲリラ(及びCOIN戦)に特化した内容。核戦略は
現代の(抑止戦略)のみなのでボーデンやウォルステッターは取り扱っていない。
文体は読みやすく、余計な蛇足等を加えずに重要なポイントをパッと
提示しているので とても分かり易い。現代の軍事戦略だけあって他の追随を
許さない米軍の軍事戦略がメインになりますが、反乱/対反乱作戦などの内容も
充実しており、昨今の米軍やテロリズムに関する時事を理解するには最適な一冊。
本書を読み終えた後は、防衛白書や防衛研究所の論文、英語ができるなら
SIPRIやCSBAなど海外研究機関の論文を読むと一段と理解が深まると思います。
2015年6月14日に日本でレビュー済み
本の題名通り、現代の軍事戦略をジャンル別に分けて、時系列を踏まえて。簡潔ですが網羅的に解説してあります。読み物というより、総論を読んでいる感じです。
大昔、孫子、クラウセヴィッツ、マハンと苦労して読んだ記憶がありますが、それほど戦略論自体が進化している訳でもなさそうです。
サイバー戦、スペース戦の稿は興味深かったです。サイバー戦で中国が力を入れているのは、第一次イラク戦争を見て正規戦ではアメリカ軍に絶対勝てない、逆にネットワークが弱点だと判断したからだとあり、なるほどなと感じました。
一番興味が湧いたのはゲリラ戦で、アメリカ軍でさえ非対称な戦いになると全然弱い(というか、勝てない)のは、「民衆は水でゲリラは魚であり、この魚は水の外では生きていけない」と毛沢東の言葉を引用し、民衆の中に埋没する柔構造の敵を特定できないからだする説が多いようです。
しかし、イラクやアフガンをみていると、他国に戦闘部隊を送れば、早晩、民衆のナショナリズムを刺激して、民衆の殆どが敵になってしまうからだと思うのですが….。
大昔、孫子、クラウセヴィッツ、マハンと苦労して読んだ記憶がありますが、それほど戦略論自体が進化している訳でもなさそうです。
サイバー戦、スペース戦の稿は興味深かったです。サイバー戦で中国が力を入れているのは、第一次イラク戦争を見て正規戦ではアメリカ軍に絶対勝てない、逆にネットワークが弱点だと判断したからだとあり、なるほどなと感じました。
一番興味が湧いたのはゲリラ戦で、アメリカ軍でさえ非対称な戦いになると全然弱い(というか、勝てない)のは、「民衆は水でゲリラは魚であり、この魚は水の外では生きていけない」と毛沢東の言葉を引用し、民衆の中に埋没する柔構造の敵を特定できないからだする説が多いようです。
しかし、イラクやアフガンをみていると、他国に戦闘部隊を送れば、早晩、民衆のナショナリズムを刺激して、民衆の殆どが敵になってしまうからだと思うのですが….。
2016年1月13日に日本でレビュー済み
本書はマハンなどのような軍事戦略理論を書いた書物ではなく、それらを土台に現代の軍事作戦に至る道筋を、うまくまとめている。