ギリシャ国民投票、反対派上回る チプラス首相が勝利宣言
欧州に交渉呼びかけ
【アテネ=竹内康雄】欧州連合(EU)が求める財政緊縮策の受け入れについて賛否を問うギリシャ国民投票が5日、投開票された。開票率87%の段階で、反対が61%と賛成の39%を上回っている。チプラス首相は同日夜、国民向けにテレビ演説し、「ギリシャは明日(6日)から交渉のテーブルに戻る」と述べ、EUや国際通貨基金(IMF)などの債権団との協議にのぞむ考えを示した。
チプラス首相は「我々は今日、民主主義の勝利を祝う」と述べ、勝利宣言をした。首相は有権者に反対票を投じるよう呼びかけてきたこともあり、「ギリシャは正しい答えをした」と述べた。その上で「勝者も敗者もいない。国民は団結してほしい」と語りかけた。
ギリシャ経済は6月29日に導入された預金引き出し制限など資本規制の影響で混乱に陥っている。銀行の手元資金も数日中に底を尽きるとの見方が強い。首相は「欧州中央銀行(ECB)がギリシャの状況を理解するよう望む」と述べ、早急な資金支援を求めた。