第29話 戦争の仕組み。その誤解と独裁者たちのだましのテクニック。集団名称における確証バイアス型の演繹的錯覚思考構造。 #戦争 #平和 #心理学 #哲学 #とは #定期

戦争の仕組み。その誤解と独裁者たちのだましのテクニック。集団名称における確証バイアス型の演繹的錯覚思考構造。


Aという国とBという国があって、A国の人が自分の家族がB国の人に殺されたからと、B国の別の誰かを殺そうとする。

殺されようとした人は当然、

「あなたの家族が私と同じB国の人に殺されたかもしれないが、それは私とは関係ない赤の他人が殺したことで、私とは関係ない。同じB国の人だからと言って、無関係な私を殺さないでくれ」

と言う。

だが殺してしまう。


すると今度は、その家族が、A国の人に自分の家族が殺されたから、と言って、今度はまた無関係な同じA国の赤の他人を殺す。


こうして、国家民族と言う名称区分が同じだけの赤の他人同士が殺し合いを続けるのでいつまでたっても戦争が終わらない。


冷静に考えれば、国家民族と言う名称区分範囲は、あくまでも人々を区別しやすいように地理的、またある程度の時間区分で区切って、まとめて呼ぶことで解りやすく分けているだけの事だ。


ところがこれを、途中で、歴史や民族性がある、という確証バイアスを加味して、赤の他人同士が殺し合う構造を作りたがる人々がいる。


A国とB国の2つの国が、相手の国から自分の国を守るために戦争をしている、と考えるのではなく、2つの国の独裁者同士が、自分自身の特権とぜいたくな生活を維持する為に、自分以外の周りの人々、自分以外の社会的下層の人々を、お互いの国で殺し合いをさせ続けることで、その間ぜいたくな生活ができるという構図を作ろうとしている。

なぜなら戦争状態を維持し続ける間は、戦争技術者が必要なため、独裁者は自己集団内で比較優位を保つためである。

その為に、独裁者たちは、国家民族の名誉のために戦争をしなければならない、と他人を殺し合いの関係に巻き込み続けようとするのである。

その為に、国家民族の自尊心を主張する、すると、自分自身を肯定する理由として、自分が何もしなくても国家民族に属していると言うだけでナルシズムに浸れると考える人たちが、これに賛同し殺し合いを始めるのである。


要は、戦争を呼びかけ、他人と殺し合いをさせようとする独裁者たちにこういえばいいのである。

「なぜ私が別の国、民族の見たこともあったこともない他人と、同じ国の赤の他人が殺し合いをしていたからと言って、私が殺し合いをしなければならないのか、それで得をするのは、殺し合いを呼びかけている独裁者たちだけではないか」


こう言って殺し合いに賛同することを人々が拒否すれば、独裁者たちは孤立し、集団同士の殺し合いは発生しなくなる。


そうすると独裁者たちは困るので

「それは国家民族を侮辱することだ、許さないぞ」

と言って、強制収容所などを作ってとらえたり処刑したりして、無理やり人々を暴力に駆り立てようとするのだ。


国家民族に誇りがあり、自尊心がある、という考えは、赤の他人を集団名称として、


国家民族と言う名称区分範囲を、一人の人に例えてみれば、その仮の人は確かにプライドを持つかもしれない。


という例え話である。


ところが、これを、実際に赤の他人の自分もそうなんだ、と誤解する人々がいて、そういう人々が、その誤解の為ならば、他の国の人々と殺し合いをし続けなければならない、と思い込んでしまうのである。


それは集団代名詞を擬人化して1つの存在として仮定した後、その1つの存在の構成体の1つとして自己認識することで、他人の誇りと価値のあるものを自分も共有する権利があると思い込んでいる思考の誤作動なのだ。他人の所有物や業績は例え同一の国家民族の者であっても他人の者にはならないのに名称上共通集団内にいるので共有できるはずだと誤解するのである。


自己肯定欲求を達成するために本来使う事の出来ない他人の能力や業績を、自分も同じ集団名称内に存在しているからと言う理由で、自己肯定理由に使えると錯覚するのである。

同じ国家民族の他人の業績は自分のものではない、それを誤解し、数多くの他人の業績を束にして1度、歴史や国家民族性と言う集団名称に変えて、自己との共通性にすり替えて認識するという錯覚を持つのである。


すると、独裁者たちの欲求を満たすための行動を独裁者たちの為にやってくれと言って拒絶されるより、国家民族の為になると、独裁者のエゴを集団名称の為とすり替えて主張し、断れなくする、もしくは集団名称と自己像を同一視する思考誤作動体がそのエゴと欲求を自らの自尊心の構築のためになると勘違いして行ってくれるからである。

独裁者の為なら嫌だという個人要請の拒絶を回避するテクニックとしての論述として、国家の為なら国家の中の自分は素晴らしい国家の為になることで自分もより素晴らしくなる、というナルシズムに引っ掛けて騙してやらせようとするのだ。殺人行為などもこうして正当化させようとする、そういう思考回路を他人に植え付けようとするのだ。そして他人を操ろうとするのである。ヒトラーたちも行った論述である。


そういう人々が増加する方が、独裁者たちは得をするので、そう呼びかけ続けているのだ。


国家民族には自尊心があり、誇りがあるので、赤の他人の同じ国民民族にも関係があるのだ、という理屈は、独裁者たちが何千年も続けてきた、他人を殺し合いの関係に巻き込み、犯罪をやり続けるために自分たちを正当化し続けるための、大嘘なのだ。


全ての人々がこの事に気づけば、世界中の戦争は発生しなくなる。

それが全世界を永遠に平和にする。


この文章を世界中の人々が読めば、そうなるだろう。

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