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藝術講座8 121113
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[05:07] comet Morigi: 「商業対芸術」とか言い放っまま来ないような人には、呆れてきたところ。

[05:08] comet Morigi: 今日は、前回と題目がほとんど同じで、。少しは前に進めたい気持ちと、

[05:09] comet Morigi: 参加者から、かき回されるのも、収穫のうちということで、かき回される分も対応したい気持ちと、

[05:09] comet Morigi: のなかで、「芸術が分からない人」で、三回も費やしてます。

[05:10] comet Morigi: 私は、「こういうことを話して、理解させよう」とは、思ってませんで。

[05:11] comet Morigi: 自分が尊敬していた・好きだった先生のタイプは、

[05:11] comet Morigi: その時々に抱えている学界前線の問題を、そのまま学生に打ち明けながら、学生の目の前で悩んでいるような人で。

[05:12] comet Morigi: 私がここで、結論のようなものが出たときは、

[05:12] comet Morigi: それは、話そうと思って話したんじゃなくて、今ここで私自身も分かったばかりのことなんです。

[05:13] comet Morigi: 「芸術が分からない人」は、キャッチコピーとして、自分では気に入ってて、

[05:13] comet Morigi: なんか、波風が立つでしょ。

美術に関わる主体性のために

[05:16] comet Morigi: (今日は、予定では、団体展と学芸員の対立の例を、少し言い足したり、。普遍性について、この講座としての扱いを補足説明したり。のつもりです。)

[05:17] comet Morigi: 私は、最近、山田五郎の展覧会解説が面白くて。

[05:18] comet Morigi: 最初は、「何、通り一遍なことしか言ってないんだろ」と思ってたんだけど、視聴者層の想定「これぐらいの美術史を補足すれば、ちょうど良いだろう」という見当が、良く取れてる。

[05:19] comet Morigi: さらに面白いのが、奥から学芸員が出てきて、すごく丁寧に、来館した出演者に向けて、解説する。

[05:20] comet Morigi: 「お前、なんで、普段から来館者に、そこまで丁寧に説明しないの?」って、聞きたくなっちゃう。

[05:20] Yui Sorbet: 山田さんがベースを噛み砕いて教えたから、学芸員が補足すべき場所を見いだせて、口を挟めるんですかね

[05:20] comet Morigi: 独立行政法人化とかで、学芸員もノルマが厳しくて、

[05:21] comet Morigi: 山田五郎のテレビに出れば、教育委員会や市議会にも、立場が強く成れる、と読んでるんでしょうね。

[05:21] Yui Sorbet: 生臭い><

[05:21] comet Morigi: 山田の設定は、「絵を未だ買わない人たち」

[05:22] comet Morigi: だから、ミュージアムショップの紹介に力を入れてる。

[05:22] comet Morigi: 一般的に、美術史学者・学芸員の客層って、観光客が多いと思います。

[05:23] comet Morigi: 定職に就けるまでは、旅行添乗員してた人も。

[05:24] comet Morigi: 先生になってからも、美術研修旅行の解説者を務めるから、それも添乗員に近い仕事ですよね。

[05:25] comet Morigi: この話してるのは、こちらの芸術講座の設定を、お話するためで。

[05:26] comet Morigi: 「芸術とは何か」を、まとめるとき、まとめる目的があって。

[05:27] comet Morigi: 私は、美術史の話を始めるとき、美術館を見て育ったか見なかったか、マネの前後、そこから始めたでしょ。そのようにまとめる目的が有るから。

[05:27] comet Morigi: 私は、ここに集まった方は、

[05:28] comet Morigi: 科学哲学研究所の講座に来た人であって、観光客やゲームプレイヤーではない、と考えています。

[05:29] comet Morigi: 人が美術に対して主体的に関わるために、何を話したら良いか。それを基準に話題を考えています。

[05:29] comet Morigi: 例えるなら、

[05:30] comet Morigi: 選挙で投票するときのような気持ちで、美術に関われれば、良いと思っています。

[05:31] comet Morigi: 投票するのに、専門知識がどうとか、造詣が浅いとか、問題にしませんよね。

[05:31] Almond Andel: 一票、持ってるわけですね。好き。嫌い。一票にすぎませんけど。

[05:32] comet Morigi: 私たちは、納税者なので、納税分はパトロンです。

[05:33] unoce: 美術館の入館者ということでもパトロンです

[05:32] comet Morigi: 美術史学者や学芸員は、あくまで、パトロンのアシスタント・アドバイザーで、最後に決めるのは、パトロン自身です。

[05:32] Yui Sorbet: ((あたしゃ美術の判断基準は、主観、歴史、権威の三種類あると思ってるけど、主観のみで判断するべきということなんでしょうか))

[05:33] comet Morigi: Yuiさん。私が好きな言葉は、「裁判官の心証を得る」

[05:33] comet Morigi: 心証って、気分のことです。主観のことです。

[05:34] comet Morigi: 「この証拠によって、裁判官は、死刑が妥当との心証を確とした。」

[05:34] comet Morigi: つまり、「裁判官は、死刑にしちまえ、という気分になった」

[05:35] comet Morigi: だってさ、証拠だって、疑い出せばキリ無いですよ。

[05:35] comet Morigi: 証拠を信じるのも、気分の内。

[05:36] comet Morigi: だから「科学が客観的で、芸術が主観的」なんて比較、私は信じません。

[05:36] comet Morigi: 「冥王星は惑星か」多数決で決めます。

[05:36] comet Morigi: 「宇宙の膨張速度は、加速しているか」これも、多数決で決めます。

[05:37] comet Morigi: 芸術と科学は、同程度に主観的・客観的です。

[05:38] unoce: 冥王星と宇宙の膨張速度の件はちょっとちがいますよ。冥王星は惑星の定義の問題。膨張は観測事実です

[05:38] comet Morigi: 観測事実を認めるかどうか、最後は多数決。

[05:39] Yan Lauria: 権威主義で相手を押さえ込むことも横行してるしな

[05:39] comet Morigi: 芸術は、可能な限り普遍的に答えることを、期待されていて、

[05:39] comet Morigi: セクハラ裁判とか、ストーカー裁判とか、

[05:40] comet Morigi: 主観でしかないものでも、判決を出さなきゃならない。

[05:40] Almond Andel: 時間=歴史も、大きな決定要因だと思いますね

[05:40] Almond Andel: 試験紙、というか

[05:43] comet Morigi: 「芸術」を、あまり限定せずに、講座を進めてきたので、「枠を決めて話そう」「定義をはっきりさせよう」と言う意味の発言を、何度か頂いてきてて。

[05:44] comet Morigi: 枠を決めなかった。広げておいたのは、それによって、皆さんの側に在る芸術像を聞き出したかったからです。

[05:43] Mog: 芸術は好き嫌いと言う部分が強いから、数学や科学と同じくらいの共通性の強度はない気がするなあ。

世界中の人が美味しいと思う料理はある程度、ありそうだけど。好みで嫌いというのも出てくる。大多数の人が美味しいと認めているというのは頭ではわかりそうだけどw

[05:44] comet Morigi: 裁判と同じ程度には、客観的・普遍的・主観的。

[05:46] Almond Andel: ベクトルは違うと思いますが、そう、思います。主観的であることによって、普遍性を得、客観性を内包する。

[05:46] Almond Andel: そういう感じかな

美しさと芸術の間

[05:45] comet Morigi: これ、美しい?

  ゴヤ「我が子を食らうサトゥルヌス」1819-1823

[05:46] Yui Sorbet: 美しいかと問われれば否ですが、メッセージを感じるかなら是ですねー

[05:46] Almond Andel: おもしろい

[05:47] comet Morigi: 芸術は、きれいか否かでは、価値を測りませんねぇ。

[05:47] デジタル親父: いやだね

[05:47] marube Oh: 美しいかというと、美しくはないですね。。

[05:47] Mog: 芸術を感じてしまうけど、美しいとは言いたくないねw

[05:47] marube Oh: 私は好きではないです。

[05:47] Yui Sorbet: ゲルニカとか叫びとかもそうですよね

[05:47] marube Oh: ただ、おなじく作者のメッセージは感じます。

[05:48] marube Oh: 描きたい、という強い気持ち。。

[05:48] Yan Lauria: 絵はメッセージを持つかどうかはまた考えるところで

[05:47] regicat: 心を動かすものではあると思います

[05:47] comet Morigi: 地獄草子絵巻とか、醜怪な美術品は、多い。

[05:48] Almond Andel: うん。モチーフ的には、よくあるような気がします。地獄とか阿修羅とか

[05:48] unoce: あまり好きではないです

[05:49] Yui Sorbet: よく美は転じて醜に、醜は転じて美となるといいますが、心を揺り動かされるという点にだけ着目すればイコールなのでしょうね

[05:49] marube Oh: 歴史的な、宗教的な意味が有る絵ではなかったでしょうか

[05:49] Yan Lauria: 私は「メッセージを持たない絵はない」派なんだけど

[05:52] Mog: メッセージが良いものなのか悪いものなのかが議論になるだろうし、ホットなところなのかも。

[05:49] comet Morigi: 美学は、美についての学で、直接に芸術ということは無いでしょうね。

[05:49] comet Morigi: 「芸術と何か」についての学は、芸術学と言うんだけど、美術史との区別は、曖昧。

[05:54] Yui Sorbet: 美醜の問題と絡めて言えば、私的には美しい=感情が動から静へ向かう物、醜い=感情が静から動へ向かうもので、その要素を持ちうるメッセージ媒体はすべからく美術ではないかと思いますが、現代美術なんかは逸脱するものもあるなぁ。

[06:00] Mog: (醜さを使うという点では、村上隆は意識的に醜さを利用していると思います。現代美術であれば)

高橋由一のヴァーチャリティ

[05:50] comet Morigi: 普遍性の話をしたくて、あっちこっち飛んでますが。

[05:51] comet Morigi: この講座で、何を扱うか、もう一度念を押しておこうと思って。

[05:51] comet Morigi: 芸術の枠を絞らずに話してきたのは、あなたから見える芸術を聞きたいからです。私から芸術を見せるのではなく。

[05:53] comet Morigi: そして、私たちから見える芸術を探ることで、「今ここに在るべき芸術」を、明示できれば良い。

[05:53] comet Morigi: その芸術は、

[05:53] comet Morigi: 「美術とは何か」

[05:53] comet Morigi: 「SLとは何か」

[05:54] comet Morigi: 「日本とは何か」(私たちが今、グローバルなSLの日本語圏で話しているから)

[05:54] comet Morigi: この三元連立方程式を解けば、

[05:55] comet Morigi: 「今ここSL、日本語圏の科学哲学研究所から導き出される、在るべき芸術」が、見えるはず(理想的には)。

[05:56] comet Morigi: ここで、ひと通り話してみて、重要だと感じたのは、高橋由一です。

[05:56] comet Morigi: 美術とは何か、

[05:56] comet Morigi: ヴァーチャルとは何か

[05:56] comet Morigi: 日本とは何か、

[05:56] comet Morigi: 三つの問に、彼の時代なりに精一杯答えようとしているから。

[05:57] Yan Lauria: 高橋由一とヴァーチャル?

[05:59] comet Morigi: 高橋のヴァーチャルは、透視遠近法のこと。>Yanさん

[05:57] comet Morigi: 対して、ボストン美術館コレクション(フェノロサ)は、ヴァーチャルとは何か、日本人にとっての近代とは何か、との問に向き合ってない点で、私は希望をあまり感じてないです。

[05:58] comet Morigi: フェノロサが日本画 Japanese Painting を支持したことから、そのまま団体展制度につながっていると思います。

[06:00] Yan Lauria: (理解しようと、こういう年表も作ったし^^;)

[06:00] Yan Lauria: http://chikyu-to-umi.com/seikatsu/art.htm

[06:01] Almond Andel: 高橋由一、ボストン展は、過去に藝術講座で取り上げているので、是非ごらんになってください。

村上隆「カイカイキキ達磨」

[06:02] comet Morigi: 村上隆は、フェノロサが買い集めた曾我蕭白に、よく呼応している作品で。

[06:03] comet Morigi: このままだと、日本は、アメリカの美術館に借用保険料を払って、村上回顧展が開く可能性が高い。

[06:04] comet Morigi: 今まで、日本人は、フランスの多額の借用保険料を払って、多くの展覧会を開いてきたでしょ。

[06:05] comet Morigi: 浮世絵や屏風だけでなく、こんどは、村上や奈良の作品にまで、日本から保険料払って外国から借り集めることになる。

[06:06] comet Morigi: そういうことも言いたくて、ボストン美術館展は、見ておいて欲しかったんです。

[06:07] comet Morigi: もっとも、アメリカ人が先物買いをしたのは、日本美術だけではなく、

[06:07] comet Morigi: 印象派も、フランス人に率先して買い漁っていた。

[06:08] comet Morigi: でないと、アメリカの美術館に、印象派作品がゴロゴロしていることの説明が付かない。

[06:09] comet Morigi: あれは、印象派絵画が、何十万・何百万円で買えた時代に、フランス人より先に買ってたから。

[06:10] comet Morigi: 印象派を先んじて買い漁った時点で、

[06:10] comet Morigi: 第二次大戦後のアメリカ美術の世界制覇、ポロックの勝利は、確定していたようなものです。

[06:08] Yan Lauria: (年表に村上隆を追加)

[06:08] Almond Andel: 草間弥生も入れてほしい

[06:09] Mog: 草間さんのは美なのか醜なのかが微妙で自分的には面白いですw

[06:10] Yan Lauria: (追加しました)

[06:11] comet Morigi: 今日は、「芸術は、芸術を問うことだ」だけ、話してないですね。

[06:12] comet Morigi: 「芸術が分かる人」の基準は、値上がりする作品を先に買える人、とか、そんな話ですが。

[06:12] Yui Sorbet: なんてーか、そこだけきくと

[06:12] Yui Sorbet: 証券とかFXに似てる(;´Д`)

[06:13] comet Morigi: 経済学ではなく、美術史に拠るのが、ちがいですね。