ホンダが守る「エンジン屋」最後の砦 少量でも2輪向け国内生産にこだわるワケ

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乗用車と軽自動車を合わせ、2012年(暦年)の国内新車販売台数シェア15.6%と国内2位のホンダは、世界最大手のバイク(2輪車)メーカーでもある。2輪車と4輪車を同時に展開する自動車メーカーは、世界でもホンダとスズキ、独BMWぐらいで希有な存在だ。

ホンダにとってビジネスの原点であり、競争力の源泉でもある技術がエンジンである。かつて自動車レースの最高峰「フォーミュラ1(F1)」で世界を席巻。市販車レベルに落とし込んでも、ホンダのエンジンは高出力や低燃費、回転の滑らかさ、レスポンスの良さなどに定評がある。ホンダのエンジニアも絶対の自信を持つ分野だ。

その「エンジン屋」が、最後の砦を守っている。

ホンダは、排気量400ccと中型バイク向けの新型エンジンを新たに開発した。これを搭載した中型バイク「CBシリーズ」の新モデルを6~7月以降、日本国内で順次発売する。

タイ生産のエンジンと基本設計は同じ

この新型エンジンは、2012年11月に、タイで生産を開始したグローバルモデル「CB500」(排気量500cc)用と基本設計は同じ。排気量400ccで運転免許上の区切りがある日本市場向けに、排気量を小さく設計し直した。

ポイントは、組み立ての場所と部品調達の手法にある。

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