メルケル独首相、2021年に首相退任と表明 地方選連敗で

German Chancellor Angela Merkel closes her eyes as she gives a press conference on 29 October

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画像説明, 地方選大敗の責任を認め、2021年に首相を退くと記者会見で発表したメルケル独首相(29日)

28日の独地方選で大敗を喫したキリスト教民主同盟(CDU)を率いるアンゲラ・メルケル独首相が29日、2021年の任期満了をもって首相の職を退くと記者会見で発表した。今年12月の党首選に出馬しない意向も明らかにした。

「任期を終えた後は、いかなる政治ポストも求めない」と、メルケル首相は記者会見で言明した。さらに、ヘッセン州やバイエルン州でCDUや提携政党が連敗したことについて、「全面的な責任」を負うと述べた。

記者会見に先立ち独メディアは、首相が党首再選を目指さない意向を党指導部に伝えたと報道していた。

メルケル氏は2000年にCDU党首となり、2005年以降、ドイツ首相を務めてきた。

CDUは28日、中部ヘッセン州の州議会選挙で、連立与党を形成する社会民主党(SPD)と共に得票率を大きく落とした。14日に行われた南部バイエルン州の州議会選挙でも、メ連立与党を組むキリスト教社会同盟(CSU)が大敗した。相次ぐ地方選での敗北に、連立は崩壊目前とされている。

独報道や消息筋によると、メルケル首相はCDU党首は再選を目指さない方針ながら、独首相には留まる意向で、これまで与党党首と首相の職は一対と主張してきた自分の主張と異なる。

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BBCのベルリン特派員、ジェニー・ヒル記者は、連立与党にとって危機的な状況が今年は続いているが、政治家メルケル氏はこれまでも多くの政治的難局を生き延びてきたと指摘。それだけに、ひとまずは党首の座を降りることでCDU内の批判の声を鎮め、首相としての地位を当面は維持することになるかもしれないという。

ドイツでは、中道派の主要党がいずれも有権者の支持を失い、反移民を掲げる極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」と、左派「緑の党」がそれぞれ全国的に支持を伸ばしている。