Dr. WAKASAGI at HEI-RIVER(閉伊川ワカサギ博士)

森川海をつなぐ学び合いの活動を紹介します

瀬織津姫と早池峰山と閉伊川

2014-02-09 | 水圏環境教育
 閉伊川の源流は兜明神であるが,その兜明神は蛇紋岩という岩石で出来ており3億年前は海底であった。その成分と同様のものが早池峰山にある。その早池峰山からも薬師川が流れ出て閉伊川と合流する。閉伊川の源流は兜明神であるが,標高から言えば早池峰山から最も高い水が流れる。早池峰山は三陸沿岸の漁師達の信仰の山である。大槌や宮古を経由して沿岸各地の漁師たちがお祓いに訪れた場所であり,漁師から寄進された建物が現存する。

 早池峰山は瀬織津姫のゆかりの地だという。瀬織津姫は縄文時代から水の神様とされていて,早瀬に住み,世の中の穢れを膿へと流し浄化してくれる神様だ。神社で6月と12月に行われる大祓の祝詞には瀬織津姫が登場し,世の中の穢れ(けがれ)を川から海に運び浄化するという下りがある。ここでいう穢れとは時間・空間・物体・身体・行為などが、理想ではない状態・性質になっていることを表す。

 ちなみに古事記,日本書紀にはこの瀬織津姫は登場しない。古事記,日本書紀が出来た8世紀は,日高見(北上)は蝦夷とされ支配される立場であった。そのため,日高見に関わる瀬織津姫は抹消された可能性が高い。しかし,祝詞には倭国(やまとのくに)日高見(ひたかみ)を安国と定め・・・と明記され,日高見(北上)は平穏な国であり,倭(やまと)の中心地であると解釈できる。そして早池峰山周辺には国内で最も多くの瀬織津姫にまつわる神社があり,瀬織津姫のゆかりの山である。今でも,早池峰山が北上山地の最高峰として沿岸漁師をはじめ多くの人々の信仰を集めているのはそのためであろう。

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