2012年のロンドン五輪では、当時高校3年生の萩野公介選手が400m個人メドレーで銅メダルを獲得。女子200m平泳ぎの鈴木聡美選手、男子200m背泳ぎの入江陵介選手の銀メダルなど11種目でメダルを獲った。
今回のリオ五輪では、金メダル大本命として成長した萩野選手をはじめ、多くの日本人選手にメダルの期待がかかる。スポーツジャーナリストの島村俊治さんは、男子400m個人メドレーに関心を寄せる。
「萩野選手と瀬戸大也選手というライバル対決に注目です。この2人で1、2フィニッシュを決めてほしいですね。この競技は、競泳日程の初日に開催されます。ここで2人がいい結果を出すと、チームのモチベーションが上がります」
ロンドン五輪でも初日に萩野選手が銅メダルを獲ったことで、チームに勢いがついて、メダルラッシュにつながった。
「女子では、金藤理絵選手が出場する200m平泳ぎも見逃せません。彼女は2分19秒台という記録を叩き出し、タイムだけでいったら、メダルをねらえる選手です」
『オリンピックと商業主義』(集英社新書)著者でスポーツライターの小川勝さんは、女子200mバタフライに注目している。昨年、世界選手権としては日本競泳女子初の金メダルを獲得した星奈津美選手と、高校2年生の長谷川涼香選手の2選手が出場する。
「星選手は、日本のエースです。ロンドン五輪では銅メダルを獲っていて、五輪は3回目の出場になります。
一方、長谷川選手は、今年4月の日本選手権で出場を決めました。この時点のタイムだと、“オリンピックでは決勝にギリギリ残れるかな”というレベルでした。それが、この3か月の間に、どんどん自己ベストを伸ばしています。現時点では、なんと世界3位です。
1992年のバルセロナ五輪で当時14才の岩崎恭子さんが予選から決勝と、レースごとに自己ベストを更新して、金メダルを獲得しました。もしかしたら、今回、長谷川選手でそんなドラマを見られるかもしれません」
※女性セブン2016年8月18・25日号