芸能

樹木希林「がんで死ぬのがいちばんいい。準備ができるから」

 第36回日本アカデミー賞で『わが母の記』で2度目の最優秀主演女優賞に輝いた樹木希林(70才)。その授賞式で、樹木はこんな衝撃告白を始めた。「来年が大変。私は全身がんですから。来年の仕事は、お約束できないんですよ、本当に」と。

 最優秀主演女優賞受賞者は翌年の授賞式で司会を務めるのが慣例だ。つまり、彼女は全身をがんに侵された状態のため、それがいつ急変してもおかしくないということを示唆したのだった。

 樹木のがん闘病は2004年夏から始まった。まず、乳がんが発覚。2005年1月に右乳房の全摘手術を受けた。それから2年ほど経った2007年ごろ、同じ場所でがんが再発。全摘をしても一部残った乳腺にがんが発生したり、関連部位にがんが転移することもあり、この場合も再発と呼ばれる。

 樹木は今度は手術を拒否。切らずに行うピンポイント放射線治療を受けるため、鹿児島にいる名医のもとを訪れ、治療を重ねる。その結果、一時は「乳がんが消えた」と公表できるまでの状態になった。

 しかし、その後の経過について、昨年9月、樹木は女性セブンに「全身がんである」としてこう語ったのだ。

「がんができる体質になっちゃったの。(がんと)つきあいたくないけど、出てくるものはしょうがないですよね…。常にどこに(がんが)出てもおかしくないと思っているから、そんなに焦って医者行って調べないの。私の場合、考え方、日々の生活の仕方は、がんを受け入れているという形だから」

 人によってがんの性質は異なり、対処法の選択も変わるため、樹木は「がんについては結論が出せない」と話すものの、彼女自身はこんな考えだ。

「がんで死ぬっていちばんいいんです。死ぬまでの準備ができるじゃないですか。だからそれぐらいの感じでいます」

 60代になって気管支喘息、網膜剥離、そして前述のとおり、9年前に乳がんを患った樹木。リアルに死というものに向かっていく自分を意識したことから、彼女の“終活”は始まった。

※女性セブン2013年3月28日号

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