7月の輸出船契約、58%減 円高響く
3カ月連続で40%超マイナス
日本船舶輸出組合が18日まとめた7月の輸出船契約実績は、重量ベースで前年同月比58.2%減の48万4020総トンと大幅に減った。3カ月連続で40%超のマイナスとなり、円高など競争環境の悪化が響いた。隻数も13隻と、前年同月(27隻)の半分以下。鋼材価格の引き上げなどもあり、日本勢にとって厳しい状況は続きそうだ。
リーマン・ショック後の経済減速の影響を受けた2009年7月実績と比べても隻数、重量とも下回った。船種も11年6月に続き、受注は石炭や鉄鉱石を運ぶばら積み船のみ。ハンディ型やハンディマックス型など比較的小型の船が多い。
日本船舶輸出組合によると「液化天然ガス(LNG)輸送船などは韓国勢に勝てない状況」。日本が得意とするばら積み船の需給に余裕があることも受注が伸び悩む要因になっている。
7月末時点の手持ち工事量は891隻で、前年同月比で132隻減。受注が確保できず手持ち工事を食いつぶしている状態で、一部の造船会社では生産ペースを落とすなどの工夫を余儀なくされている。