東大教授を詐欺容疑で逮捕 架空の研究費を請求
東京大などに架空の研究費を請求し2000万円余りをだまし取ったとして、東京地検特捜部は25日、同大政策ビジョン研究センター教授、秋山昌範容疑者(55)を詐欺容疑で逮捕、東京・本郷の自宅マンションなど関係先を家宅捜索した。秋山教授自身が懇意にしていた会社を介在させる方法で、研究費を不正取得した上で、だまし取った金の大半を私的に流用していたという。
特捜部は押収した資料の分析などを進め、不明朗な資金の流れの実態解明を急ぐ。
逮捕容疑は2010年2月~11年9月、システム販売会社の社長ら6人と共謀。6社に研究調査などを発注したように装って、東大や岡山大に架空の委託契約料を請求し、6社の預金口座に8回にわたり、約2180万円を振り込ませ、だまし取った疑い。そのほとんどの資金は自身に還流させていたという。特捜部は使途などを調べる。
東大は同日夜、東京都文京区の本郷キャンパスで記者会見し、コンプライアンス(法令順守)担当の大和裕幸副学長は「誠に遺憾。本当なら前代未聞、言語道断で国民の期待を裏切るもの。事実が分かり次第、厳正に対処する」と述べた。
東大は同日付で調査委員会を設置、不正の原因などを調べていくとしている。