◇★バーニー・ウォーレル、2015年、メリル・ストリープの映画に出演 | 吉岡正晴のソウル・サーチン

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◇★バーニー・ウォーレル、2015年、メリル・ストリープの映画に出演

【Bernie Worrell Will Be On Movie “Ricki And The Flash”】

映画。

Pファンク軍団のキーボード奏者として人気の高いバーニー・ウォーレルに会って、話をした。彼とゆっくり会うのは、ブッツィー・コリンズの川崎チッタでのライヴ以来。そしてそんな話の中で、彼が現在製作中の映画『リッキー&ザ・フラッシュ』に出演することがわかった。その映画について紹介しよう。
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この映画はメリル・ストリープ(『クレイマー・クレイマー』『恋に落ちて』他多数)、ポップ・ロック・アーティスト、リック・スプリングフィールド主演のもので、2015年6月26日全米公開予定。監督は『羊たちの沈黙』『フィラデルフィア』などのジョナサン・デミ。

ストーリーはこうだ。

主人公はリッキー・レンダッツォー(メリル・ストリープ)という54歳になるバツ一女性のロック・スター。自らのバンド、ザ・フラッシュを率い、カリフォルニアのサンフェルナンド・ヴァレーにある小さなライヴ・ハウスで活動を続けている。リッキーはバンドのギタリスト、グレッグ(リック・スプリングフィールド)と付き合っているが、結婚は躊躇している。そんなとき、リッキーの元夫、ピート・ブランメルから電話が入る。ピートとリッキーの娘、ジュリーがジュリーの夫マックスが不倫していた女性の元に行ってしまい落ち込んでいるという。

リッキーはすぐにシカゴに住む娘のところに飛び、慰めようとするが冷たくあしらわれてしまう。リッキーが、ロック・スターへの夢を追いかけ、娘や息子、夫たちを捨てたことを根に持っていたのだ。なんとかよりを戻そうと、元夫、ジュリー、息子二人、ジョッシュとアダムとでディナーにでかける。そこでジョッシュはもうすぐ結婚するが、アダムはゲイだということを知る。ジュリーは彼らを放っておいたために、何も知らなかった。

翌朝、ピートの現在の妻、モーリーンが彼女のために朝食を作りながら、ジュリーを慰める。しかし、現在はモーリーンがジュリーよりも彼らにとっての母親となっていると諭す。

ロスに戻ったジュリーは、グレッグとの結婚を真剣に考えるようになるが、そこに、モーリーンから手紙が届く。彼女がジュリーに言ったことを謝り、ジョッシュの結婚式への招待状があった。ジュリーは参列したかったが、シカゴまで行く飛行機代がなかった。するとグレッグが自分のヴィンテージのギターを売って金策をし、彼らは結婚式に参列する。

という物語で、重要な役割を担うのが、リッキー・アンド・ザ・フラッシュの演奏シーン。バーニーは、このザ・フラッシュのキーボード奏者として登場する。このバンドは、ドビー・グレイの「ドリフト・アウェイ」や、ブルース・スプリングスティーンの「マイ・ラヴ・ウィル・ノット・レット・ユー・ダウン」、キャンド・ヒートの「レッツ・ワーク・トゥゲザー」、ほかにレディ・ガガの「バッド・ロマンス」、ピンクの「コールド・ワン」など数曲を演奏するが、メリル・ストリープはギターもヴォーカルも練習し、実際映画で歌っているという。

バンドはほかにドラムスにバッファロー・スプリングフィールド、スティーブン・スティルス/ニール・ヤングなどとプレイしてきたヴェテラン、ジョー・ヴィターリ、ベースにやはりLAのトップベース奏者、リック・ロサス、前述のようにギターにリック・スプリングフィールドが入る。サウンドトラックもこのメンバーでリリースされるのではないかとみられている。

すでにこの9月から10月にかけて2週間リハーサル、3週間撮影をしたという。バーニーの出演シーンはすべて終了した。

どういう経緯でこの映画に出演することになったかというと、「ジョナサン・デミから電話がかかってきたんだ。こういう映画を撮るが、バンド演奏のシーンがある。興味あるか、ってね。彼とは(トーキング・ヘッズの)『ストップ・メイキング・センス』で一緒にやって以来の知り合いだからね」とバーニーは言う。なるほど。

舞台はLAだが、撮影はニューヨークで行われた。ライヴ演奏のシーンは、楽しく撮影できたそうだ。「みんなフレンドリーでとても暖かい雰囲気だった」と撮影現場を振り返る。「でも、映画は、知っての通り、同じことを別のアングルで何度も何度も繰り返し撮影するからね、疲れるよ。一日12時間くらいやっていた」

「ジョナサン・デミ、メリル・ストリープと来れば、ひょっとしたら、何らかの部門でアカデミー賞にノミネートされたら、アワードの席に出られるのではないか」と尋ねると、バーニーは「ははは、それはどうかな」と笑った。バーニーにとっての本格的な映画出演は、『ストップ・メイキング・センス』(1984年)以来のこと。一応、バンドメンバー同士のやりとりでちょっとしたセリフがあったそうだ。ただし、それが使われるかカットされるかはわからない。

全米の映画の配給は、トライスター。日本は不明。


バーニーがその『リッキー・アンド・ザ・フラッシュ』のTシャツを着ていた
(バーニーのインタヴュー、続く)

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バーニーは、なんとつい最近、ピアノ・ソロのアルバムを出した。これについては後日紹介

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(取材協力、河野隆二さん、ありがとうございます)

ENT>ARTIST>Worrell, Bernie
MOVIE>Ricki & The Flash