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円、7年10カ月ぶり安値 123円台、「輸出で稼ぐ」薄まる 産業構造が変化

2015年05月27日 | 日記
円、7年10カ月ぶり安値 123円台、「輸出で稼ぐ」薄まる
産業構造が変化
2015/5/27 3:30 日経朝刊

 円安・ドル高の流れが加速してきた。26日の外国為替市場で円は一時1ドル=123円33銭と7年10カ月ぶりの安値をつけた。円安は輸出企業の採算を改善させるが、燃料など輸入品の価格上昇を通じて家計や企業の負担を増やす面もある。海外への生産移転が進み、貿易から投資で稼ぐ産業構造に変わった今の日本では、以前ほどには経済の起爆剤になりにくい。

 26日午後3時すぎ、円相場は一気に円安へ振れた。市場関係者が節目と意識していた今年の安値(122円04銭)を突破し、「欧米投資家の円売り・ドル買いが急速に膨らんだ」(外国銀行)。わずか半日で2円近くも動いた。日銀が強力な金融緩和を続ける中で利上げを探る米国へとマネーが流れたことが背景だ。
 輸出企業の収益には追い風だ。IHIの16年3月期の想定為替レートは1ドル=115円。円安が続けば過去最高の900億円を見込む営業利益はさらに押し上げられる。
 上場企業は16年3月期に経常利益が前期比9%増え、2期連続で過去最高となる見通しだ。円安の効果が拡大すれば2桁増益が見えてくる。26日の株式市場では収益拡大期待から日経平均株価が8日続伸。終値は2万0437円と連日で15年ぶりの高値を更新した。
 ただ円安が日本経済に与える恩恵は以前よりも弱まっている。円高が進行した時期に日本企業は海外への生産移転を進めた結果、日本の経済構造が変わったためだ。
 東日本大震災後の燃料輸入の増加もあり、07年度に10兆円あった貿易収支の黒字は14年度には9兆円の赤字。一方で海外子会社からの配当など所得収支の黒字が大きく増えた。日本が稼ぐ構造は貿易から投資へとシフトしつつある。
 ホンダの輸出比率は前期でわずか3%。かつてと比べ円安の恩恵を受けにくい収益構造だ。パナソニックも海外で販売する家電製品や電子部品を中心に生産の現地化を進めた。対ドルの為替変動が業績に与える影響は、かつての5分の1以下になった。
 JPモルガン証券の菅野雅明氏は最近の円安について「輸出の数量が伸びにくく、設備投資や雇用への波及が弱い」と分析する。実際、14年の輸出や設備投資は07年の水準に届かない。
 一方で円安が進むと燃料や食料品など輸入品の物価上昇につながる。26日には森永製菓や山崎製パンが円安などを理由に7月からの値上げを発表した。三越伊勢丹ホールディングスの大西洋社長は「過度の円安傾向は原材料価格の上昇につながり、国内の製造現場や国内消費へのマイナス影響が懸念される」と話す。
 輸出への好影響が薄れても、訪日外国人の消費や知的財産権の収入は円安で増えるので、「1ドル=120円台なら全体的にはプラス」(日本総合研究所の山田久氏)との見方が多い。それでも、みずほ総合研究所の試算によると国内総生産(GDP)の押し上げ効果は、122円から130円まで円安が進んだ場合で0.21%にとどまる。
 昨年は原油価格が急落し、円安による輸入コストの増加が吸収できていた。だが今年春以降は原油相場は底入れし、米原油先物相場は足元で1バレル58ドル台に上昇した。円安による物価上昇が家計や企業に響きやすくなっている。

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