大手百貨店、15年12月売上高は3社が増加 福袋にも訪日客需要

大手百貨店、15年12月売上高は3社が増加 福袋にも訪日客需要
 1月4日、大手百貨店が発表した2015年12月の売上高速報によると、大手4社のうち3社が前年比増加、そごう・西武が前年並みとなった。暖冬で冬物衣料は苦戦したものの、富裕層による高額品や訪日外国人のインバウンド消費が引き続き好調に推移した。写真は都内で2014年11月撮影(2016年 ロイター/Yuya Shino)
[東京 4日 ロイター] - 大手百貨店が4日に発表した2015年12月の売上高速報によると、大手4社のうち3社が前年比増加、そごう・西武が前年並みとなった。暖冬で冬物衣料は苦戦したものの、富裕層による高額品や訪日外国人のインバウンド消費が引き続き好調に推移した。新年の初売りでも、インバウンド需要が前年比で増加しているという。
大丸・松坂屋を運営するJ.フロント リテイリング<3086.T>の12月の売上高は前年同月比0.1%増、三越伊勢丹ホールディングス<3099.T>は同1.1%増、高島屋<8233.T>は同0.3%増となった。
「12月は例年に比べて2―3度気温が高く、コートやセーターが苦戦した」(三越伊勢丹)という状況は各社共通。一方で、クリスマスシーズンに旅行している外国人や富裕層の消費は好調だった。Jフロントは、心斎橋本館の建て替え前のセールによる売上げ増も寄与した。
12月の免税売上高は、高島屋が前年同月比1.3倍、Jフロントが同1.2倍、三越伊勢丹が同40%増だった。
また、正月休みが短かったこともあり「家で過ごす人が多く、おせちの需要が前年比増加した」(Jフロント)との指摘もあった。
1月の初売りは、各社ともに前年並みから前年を上回る売上高となった。2―3日の売上高が前年同期比1.1%増となった高島屋では「福袋は同2%増となったが、インバウンドの需要が多い印象」と話している。同社の2―3日の免税売上高は同1.5倍だったという。
伊勢丹新宿本店や三越銀座店を含む8店舗の初売りを2日から3日にずらした三越伊勢丹も「8店舗計で、計画を上回る売上げとなっている」という。

清水律子

私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」, opens new tab