2011年2月26日土曜日

"解析入門〈1〉数/数列と級数/関数の極限と連続性/微分法/各種の初等関数 松坂 和夫 (著) "の第1章(数)の1.2(自然数, 整数)の問題1.2, 4, 5を解いてみる。



問題1.2

4.

mはa,b,・・・,lの公倍数である。Mをa,b,・・・,lの最小公倍数とすると、

m=kM

となる整数kが存在する。ここで、

p_{1}^{\mu _{1}} p_{2}^{\mu_{2}}\ \cdot\ \cdot\ \cdot\ p_{s}^{\mu_{s}}=kM

となるのでkは1またはs個の素数のいずれかになる。

k=p_{1}と仮定すると、

p_{1}^{\mu_{1}-1}p_{2}^{\mu_{2}}\ \cdot\ \cdot\ \cdot\ p_{s}^{\mu_{s}}=M

となる。すると、a,b,・・・,lのうち、素因数分解でp_{1}^{\mu_{1}}があらわれる正の整数をMで割る事が出来なくなる、すなわちMが最小公倍数であるという仮定と矛盾する。他の素数の場合も同様。よってk=1、すなわちmはa,b,・・・,lの最小公倍数である。

dはa,b,・・・,lの公約数である。これより大きい約数が存在すると仮定すると、

p_{1}^{\delta_{1}+1}p_{2}^{\delta_{2}}\ \cdot\ \cdot\ \cdot\ p_{s}^{\delta_{s}}

\delta_{i}のいずれかに1以上を加えた約数が存在する事になるが、それではa,b,・・・,lのうち上記の場合だとp_{1}^{\delta_{1}}があらわれる整数を割ることができなくなる。よって仮定と矛盾する。

ゆえにdはa,b,・・・,lの最大公約数である。

(証明終)


5.

zを等式に代入して両辺にnのk乗をかけると、

c_{0}m^{k}+c_{1}nm^{k-1}+\ \cdot\ \cdot\ \cdot\ +c_{k-1}n^{k-1}m+n^{k}c_{k}=0

c_{0}m^{k}+c_{1}nm^{k-1}+\cdot\ \cdot\ \cdot\ +c_{k-1}n^{k-1}m=-n^{k}c_{k}

この左辺はmで割り切れるので、右辺もmで割り切れる。そして(m,n)=1(mとnは互いに素)なので定理5よりc_{k}はmで割り切れる。よってmはc_{k}の約数となる。

また、

c_{0}m^{k}=-(c_{1}nm^{k-1}+\ \cdot\ \cdot\ \cdot\ +c_{k-1}n^{k-1}m+n^{k}c_{k})

となり、右辺はnで割り切れるので左辺もnで割り切れる。そして(m,n)=1(mとnは互いに素)なので定理5よりc_{0}はnで割り切れる。すなわちnはc_{0}の矢空数である。

(証明終)

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