ソロス氏が保有金を売却 バブルに警戒感か
既に米ウォール・ストリート・ジャーナルの観測記事で著名投資家のジョージ・ソロス氏が保有金を売却していたことが伝えられていたが、日本時間17日早朝に発表された米証券取引委員会(SEC)への運用資産情報開示により、保有金約15トンのほぼ全量が売却されていることが確認された。
SECに登録しているファンドは四半期締め後45日以内に運用資産を13Fという様式に基づき開示せねばならない。これを45日ルールと呼ぶ。
ソロス・ファンド・マネジメントは、2010年10-12月期(2011年2月14日発表)ではSPDRゴールドシェアを472万1808株(時価6億5500万9000ドル)保有していた。しかし今回の2011年1-3月期についての発表では4万3400株(時価690万9000ドル)に急減している。isharesゴールドトラストも前期は500万株(時価6950万ドル)を保有していたが、今回はゼロになっている。
なお最も大量に金ETFを保有しているので注目されているポールソンは売らず。前期も今期も3150万株(約97.6トン)保有継続である。
ソロスは昨年のダボス会議で「金はバブル」と発言して警戒感を表していたが、ポールソンは「米国の量的緩和政策がインフレをもたらす可能性があるのでヘッジとして金を戦略的に保有する」と公言していた。
ワールド ゴールド カウンシル(WGC)日韓地域代表。1948年東京生まれ。一橋大学経済学部卒。三菱銀行(現・三菱東京UFJ銀行)入行後、スイス銀行にて貴金属ディーラーとなる。同行で南アフリカやロシアなどから金を買い、アジアや中近東の実需家に金を売る仲介業務に従事。さらにニューヨーク金市場にフロアトレーダーとして派遣され、金取引の現場経験を積む。その後東京金市場の創設期に参画。ディーラー引退後、WGCに移り、非営利法人の立場から金の調査研究、啓蒙活動に従事。金の第一人者であり、素人にもわかりやすく金相場の話を説く。