prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のメモと、ツイッターのスクラップで出来ています。
時折、創作も載ります。

「プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ/宿命」

2015年04月24日 | 映画
「ブルー・バレンタイン」のデレク・シアンフランス監督とライアン・ゴズリング主演のコンビ、という惹句だったらしいけれど、なんとゴズリングは前半で消えてしまいブラッドリー・クーパーが後半の主役になり、さらにその息子たちの代の話にシフトしていくという構成が破格。過去と現在を行き来した「ブルー…」といい、この監督、普通の起承転結式の構成を拒否する体質があるのかもしれない。

ゴズリングがレーサー崩れの強盗、警察に追われたあげく立て籠った民家に一人で突入する警官がクーパーで、その善悪が二代目になるとむしろ逆転するのが、日本の「富士に立つ影」ばりの構想で、警官の息子がグレるのが父親が英雄扱いされることによる歪みによるものではないかと思わせ、またゴズリングの息子の継父が黒人でしかも義理でも父子の仲が結構いいのが複雑。

2時間20分という長尺なのは内容が要求した結果だろうが、二つの家庭という比較的小さな世界を扱っているのにも関わらず、ストーリーの進行に従って作品世界が結晶が成長するように大きくなる。
(☆☆☆★★)






最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。